サッカーファンの夢は「サカつく」で叶う:「J.LEAGUE プロサッカークラブをつくろう!5」レビュー(1/2 ページ)
言わずとしれたNo.1サッカークラブ経営シミュレーション「サカつく」のJリーグ版が3年ぶりに帰ってきた! プロモーションキャラクターにはあのキング・カズを起用!! J2からJ1、そして頂点へ。愛しのクラブを育て上げよう。
2006年のサッカーシーンを振り返ってみると、6月のドイツ大会も盛り上がったが、Jリーグも負けず劣らず記憶に残る1年となった。J1では発足当初お荷物クラブ扱いされた赤い悪魔がついにキバをむきJ1制覇。J2では、クラブ消滅という悲劇から不死鳥のごとくよみがえった奇跡の昇格劇が感動を呼んだ。筆者の応援するクラブは、残念ながら振るわなかったが、Jリーグは当初の理念通り地域に密着し、多くの人に夢と喜びを与える存在になりつつあるのではないか。
そのJリーグとともに歩んできた「サカつく」こと「プロサッカークラブをつくろう!」の最新作「J.LEAGUE プロサッカークラブをつくろう!5」(以下、サカつく5)が登場する。今回は、「J.LEAGUE プロサッカークラブをつくろう! '04」(以下、サカつく'04)以来、3年ぶりとなるJリーグ版だ。前作の「プロサッカークラブをつくろう! ヨーロッパチャンピオンシップ」(以下、サカつくヨーロッパ)も、ヨーロッパ6大リーグを股に掛けたクラブ育成が楽しかったが、身近なJリーグに戻って思い入れも一層増す。サカつく'04とサカつくヨーロッパのいいところを合わせた「サカつく5」は、大きなモデルチェンジこそないが、より快適に遊び込めるように進化した。
まずは新要素や変更点をチェックしていこう。
「サカつく5」はここが新しい
編成会議の導入
今回はスカウトに代わり強化部長が主要スタッフとして前面に出てきた。プレイヤーは監督と強化部長を交えて、月に1回、1週目の前半に編成会議に臨む。会議では監督と強化部長がクラブにどんな選手を補強するかについてそれぞれの意見を提案してくる。たとえば……。
強化部長「ポジション:FW、国籍:南米、利き足:右、月給:100万円」
監督「ポジション:MF」
という具合。特に指定のない項目は自分で付け加えることができる。監督の案を取るか、強化部長の案を取るかが悩ましい。強化部長の案ばかり採用すれば監督のメンツは丸つぶれだ。何度か編成会議を開催すると、名前を指定しての検索も許される。好きな選手を取る自由度は少々抑えられたが、この編成会議は結構生々しい。強化部長が引っ張ってきた大物選手が監督の方針に合わずベンチを温める……、なんてパターンは実際のサッカーでもありがちだ。
秘書がパワーアップ
サカつくの華、秘書も進化した。秘書は、朝倉仁美、氷室麻耶、星さおり、ラウラ・トレッリの4人。相変わらずの美しさだが、今回は髪の毛の色やメガネ、ピアスが変えられる。メガネは6タイプから選択可能。やっぱり秘書といえばメガネでしょう。
しかも、秘書はお飾りではなく、クラブのマーケティングとプロモーションにも欠かせない存在となっている。「クラブ運営」のコマンドで、ホームタウンの施設に秘書を派遣すると、秘書がブログを書く。そのブログをチェックして「ピカピカ」、「衝撃の」、「しっかり」……といったキーワードを入手しよう。これは「サイン会」、「トークショー」などのプロモーション活動と組み合わせると、効果が高まることがある。「笑えるトークショー」、「すがすがしい清掃活動」……。ワードには相性の善し悪しがあるので、いろいろと試して効果的なプロモーションを目指したい。
メインテレビ局とサブテレビ局
これまで1局だったテレビ局の契約がメインとサブの2局へ変更された。メインテレビ局からは契約金のほかに、「放映権料」ももらえる。放映権料はテレビ局によって条件が違う。クラブの状況に合わせてテレビ局もしっかり選ぼう。従来の勝利給が放映権料に変わった感覚だ。また、サブテレビ局は契約金のみだが、選手の人気UPなどの特別な効果もあるので、高ければいいとは限らない。
スタジアムタイプの選択
今回は、陸上トラックを併設する「トラック型」とサッカー専用の「欧州型」のスタジアムが用意された。トラック型は収容人数が多く維持費も安いが、建設費用が高い。一方、欧州型は建設費が低くて設置可能施設が多いが、収容人数が少ない。サッカーをあまり知らないファンにはピンとこないかもしれないが、実は、スタジアムの形式はサッカーファンには大きな問題なのだ。サポーターの立場に立つか、経営者の立場に立つか。プレイヤーのサッカーに対する姿勢も問われてしまう。
ホームタウンとスポンサー
ホームタウンの成長はスポンサーが密接なカギを握る。今回はそれぞれのスポンサーが持つ「生活」、「経済」、「交通」、「スポーツ」、「環境」の5つのパラメータが確認できるようになり、ホームタウンに与える影響がわかりやすい。「バネのばつぐん」なら、「環境」は上がるが「交通」は下がってしまう。それほど金額が変わらなければ、このパラメータを重視して契約するのもいいだろう。
試合はJリーグ版初のリアルタイム制
肝心の試合シーンは、「サカつくヨーロッパ」と同じくリアルタイム制が導入された。今までのJリーグ版はゴール前の攻防をダイジェストで見せる方式だったが、本作は90分、試合のすべてを見られる。これで攻防の流れや、どちらのサイドが攻められているか、どこでボールが取られているか……といった細かい状況も確認できるようになった。試合速度は3段階に切り替え可能。ゴール前リプレイやオフサイドシーンの演出を切らず、一番スローで見ると10分強、すべての演出をOFFにして最高速度で見ると4〜5分で済む。
うれしいのが「サカつくヨーロッパ」と違い、試合前に「結果を見る」を選べば20秒ほどで試合が終了する点。消化試合やあまり大事ではない試合は、サクサク飛ばしても構わないだろう。
また、「サカつくヨーロッパ」からの変更点としては、監督と選手の相性を表現する「ポリシー」、攻撃展開を設定する「攻撃パターン」、詳細な選手パラメータなどがなくなっている。ちょっぴり残念だが、昔ながらの「オフェンス」、「ディフェンス」の棒グラフもシンプルでわかりやすい。スタメン配置時に選手のゲージの高い方が点滅する仕様になり、能力の比較が容易になったのは使いやすい改良点だ。
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