大人にのみ許された箱庭の中を駆けて飛び回るヨロコビ:「ライオットアクト」レビュー(1/2 ページ)
「グランド・セフト・オート」の生みの親が“ONLY ON XBOX 360”で送る新たなアクションゲーム。誰もが経験したことのない世界がそこにある。
2007年2月22日にZレーティング(18歳以上対象)として発売される「ライオットアクト」は、「グランド・セフト・オート」、「レミングス」といったゲーム業界に大きな影響を与えたタイトルを生み出したデビッド・ジョーンズ氏率いるREALTIME WORLDSによるXbox 360のオリジナルタイトル。
Zレーティングといえども、(あくまでも筆者の感覚だが)さほど残酷描写がきついわけではないので、スプラッター表現が苦手な人も安心していただきたい。どのくらいの描写なのか気になる、という方はオフィシャルサイトで高解像度の動画が閲覧できるので、そちらをチェックしてほしい。
三大犯罪組織に牛耳られた都市、パシフィックシティを舞台に繰り広げられる爽快アクション
「ライオットアクト」は、プレーヤーが犯罪者を取り締まるために生み出されたエージェントとして、三大犯罪組織に牛耳られた都市・パシフィックシティを鎮圧していくアクションゲーム。エージェントはDNAを改造することで常人にはない力を手に入れており、3つの街それぞれにいるギャングをなぎ倒していく。
それぞれのギャングには、ボスと7人の子分がいる。子分は、武器の流通や、車両の補充、兵隊のリクルートなどの業務を分担しており、それらを倒していくことで徐々に敵ギャングの力が弱まっていく。まず武器の供給を止めるのか、それとも兵隊を減らしてから攻めるか、などプレイヤーそれぞれの攻略法があるのだ。
本作のスクリーンショットを見ると、いわゆる“グランド・セフト・オートライク”な箱庭アクションゲームのようなイメージを受ける。3Dで自由に歩ける街、道路を走る(略奪可能な)車、プレーヤーを執拗に狙い続ける敵、そのどれもが今までの似たようなゲームにあったものばかりだ。しかし、実際のプレイ感覚は従来あるゲームのどれとも違うものに仕上がっている。
その理由の最たるものが「ジャンプ」によって都市のどこまででも行ける、ということ。既存の箱庭風ゲームでは乗り物に乗ったり、階段を使はなければ高いところに上ることはできなかった。だが、「ライオットアクト」はとにかく“どこでも行ける”。ジャンプを使い、ビルの壁につかまり、高く高く上っていくことができる。もちろん、高所から落ちればダメージを受けることになるが、それもスキル(後述)を上げることでカバーできるようになる。また、細かなことではあるがストーリーを進めていくと(つまり、ギャング団を片づけていくと)、グラフィティなどで汚れている街が徐々に浄化されていく様を眺めるのも非常に面白い。最初はおそるおそる敵と対峙していた自分が力を得ていくにつれ、上空から敵の集団に襲いかかるようになっていることに気がついたときは、思わずにやりとしてしまった。
3Dで作り上げられた街を自由に駆け回る楽しみを改めて感じさせてくれる、それが本作の最大の魅力と言えるだろう。それでは、ゲームについて詳しく紹介していく。
プレーヤーの分身が強化されていく喜びを堪能
「ライオットアクト」では、こういったジャンルのゲームには珍しく「スキル」の概念が採用されている。
スキルはジャンプの高さや、走るスピードなどの「移動スキル」、グレネードやロケットなどの爆風範囲、ダメージなどの「爆破スキル」、ドライビングテクニックを司る「運転スキル」、打撃による直接攻撃や物を持ち上げるための「格闘スキル」、銃を使用するための「射撃スキル」の全5種類。スキルは、上げたいスキルを使用して敵を倒したり、特定の行動をとることで出現するオーブを取ることで増加していく。射撃スキルを上げたければ銃で敵を倒せばいいし、運転スキルを上げたければ敵を車で轢いたり、車でジャンプしながら宙返りするスタントアクションを決めればいい。ほとんどの行動がプレーヤーの自由になるというのは非常に楽しい(もちろん、一般市民を傷つけるとペナルティが課せられるが)。
スキルを上昇させることによって、今まで見上げるだけだったビルにジャンプを繰り返して登れるようになったり、通常ではたどり着けないような場所に車で到達できるようになったりと、スキルが上がる前とは一階層上の世界を楽しむことができる。しかも、そのレベルデザインは非常に秀逸で、キャラクターのパラメータースキルと、プレーヤーの操作スキルの両方が合わさって初めて登れるような場所、登る前に登頂ルートをしっかりと決めないと登れない場所も多数ある。
とはいっても、難しい操作はそれほど必要ではなく、ジャンプ→はりつき→ジャンプ、といった程度のもの。洋ゲーの不条理な操作や、難易度ではないのでご安心あれ。
Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.