“めでぃこ”はどのように成長したか――どんな職業に就こうとも、1人娘はカワイイもんです:「プリンセスメーカー5」レビュー(3/3 ページ)
定番の育成シミュレーション「プリンセスメーカー」シリーズに、待望の最新作が登場。プリンセス(のタマゴ)を育てる苦楽を味わってみました。最初は適当に“めでぃこ”なんて名前を付けましたが、徐々に愛着がわいてきたり……!?
初めての友達ができた!
娘に友達を作るには、お目当てのクラスメイトと会話を何度も重ねて、少しずつ仲良くなっていけばよい。どうやって会えばよいのかというと、前述した登下校のランダムイベントのほか、友達の家に直接会いに行けばよいのだ。
今回のターゲット(?)は、おとなしいクラスメイトの女子、榊原博子ちゃんだ。彼女はめでぃこの家の近所に住んでおり、母親はピアノ教室を開いている。日曜日ごとに彼女の家を訪ね、一緒に遊び、どんどん仲良くしてしまおう、という魂胆だ。
ちなみに博子ちゃんを選んだ理由は、“関わっても下がるパラメーターがない”っぽいことと、どこに住んでいるのかがわかっているからだ。クラスメイトは他にもいるが、父親である筆者は、全員の家の場所まで把握しきれないのが現状だ。
ただし、博子ちゃんも一日中家にいるわけではない。夕方ぐらいからお出かけしているようで、遅い時間に訪ねても出会えないことがある。そのため、お昼頃に遊びに行き、その後は遊園地などでストレスを解消する、というルーチンでしばらく過ごしてみた。
少しずつ娘と博子ちゃんは仲良くなり、やがて友達と言える仲にまで発展したようだ。ちなみに娘の交友関係は、キューブ君に教えてもらうことができる。
やがて、日曜の夜に博子ちゃんから電話がかかってくるようになった。なにやら娘は音楽の話で盛り上がっているようだ。また、「今度遊びに行こう!」とお出かけの約束なども提案されることもある。
めでぃこは今まで父親とキューブ君ぐらいしか遊ぶ相手がいなかったようで、少々寂しい人生をおくっていた。だが友達ができたので、これで毎日の生活も多少は華やかになることだろう。確かに嬉しいのだが、なんだか娘が手の届かない場所へ行ってしまうように思え、ちょっぴり寂しく感じてしまう自分に気がつきました。
娘もようやく中学生
めでぃこを育て始めてから、早くも2年が経過した。小学生だっためでぃこは、今や中学生に成長したのだ。中学生になると、立ち絵が成長したものに変化し、学校の授業の内容が変わったり、アルバイトや習い事の種類が増えるなど、より柔軟に娘を育てられるようになるのだ。
さて、中学生になったことで、身体の方も成長しているようだ。小学生のときに来ていた衣服は身体に合わなくなってしまったため、キューブ君が勝手に捨ててしまった。うーん、ちょっぴりもったいないと思うのは、筆者が貧乏性だからだろうか。
……とまあ、順風満帆に思えためでぃこの日常だが、ある事件が発生する。帰り道に、悪者に襲われたのだ! めでぃこを狙ったヤツの正体は、革命勢力の一員。そう、“プリンセスのタマゴ”であるめでぃこを狙ったのだ。
「そういえばそんな設定だったっけ」と、すっかり忘れていた筆者。舞台が日本だからか、どうも“特別なプリンセス”を育てているという感覚が薄いのだ。めでぃこはめでぃこである。
このイベント以後は、日曜日に異世界を探索できるようになる。異世界ではモンスターが登場するため、武器や防具といった装備はしっかりと備えておきたい。また娘には、HPや攻撃力といった戦闘用パラメーターも設定されているため、これらも重要となってくる。ちなみに異世界探索は、敵を倒すとアイテムを入手できることもあるので、お金稼ぎ目的でも効率の良いイベントだ。ただし、日曜日がまるまる潰れてしまうため、お出かけしてストレスを解消することができなくなってしまう。冒険を多く行いたいのであれば、平日もそれに合わせたスケジュールにする必要があるだろう。
この後も、娘の育成日記は続いていく。平凡な日常を送り、たまに異世界で冒険しつつ、スクスクと成長していくだろう。高校を卒業したあとは、感動のエンディングを迎えることとなる。自分の愛娘が、いったいどういった職業に就くのか、はたまたプリンセスにはなれるのだろうか……? その結果は、ぜひ自身で娘を育てて確かめていただきたい。
大作であるがゆえの欠点もチラホラ……
正統派育成シミュレーションである本作は、パラメーターの種類が猛烈に多く、また行えるコマンドも非常に多い。プレイするたびに、違った育成を楽しめることは想像にたやすいが、逆にこの手のゲームを初めて遊ぶ人には、セオリーをつかむまで分かりにくいため、ちょっぴりとっつきにくいかもしれない。
また、平日が淡々と進むことも少々気になった。授業やアルバイトといった行動は、アニメーションが表示されるが、パラメーターが上下するだけなので、すぐに見飽きてしまう。また、同じようなイベントを何百回も繰り返し行うため、一回ごとに、成功するか失敗するか、といったドキドキ感はかなり薄い。加えて、お花見などの個別イベントも、モノによっては「お花見を楽しんだ!」ぐらいのレベルで終わってしまうため、あまりイベントを楽しんだ実感が持てないのも寂しかった。
個人的に最も気になったのは、プレイ時間がかかりすぎることだ。ゲーム中で1年間を進めるのに4〜5時間必要で、ゲームクリアまで40時間前後かかる寸法だ。一応、Ctrlキーで各種イベント等を早送りできるのだが、ランダムイベントを見逃してしまう可能性があるため、あまり使用したくないのが正直なところ。日々の行動をもう少し簡素化し、ワンプレイ10時間前後(それでも多いかもしれない)で終わるように調整してくれるとよかったと思うのだが……。
何にせよ、親子の絆を結構体感でき、娘に愛情(萌えとは違うんですよコレが!)を感じられるのは、本作の大いなる魅力であろう。ギャルゲーとはひと味変わった魅力を持つ本作、興味を持った方は、ぜひじっくりと腰を据えて楽しんでいただきたい。下に掲載するムービーもぜひご参考に。
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