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会場の熱気や選手の気迫さえもリアルに感じ取れる次世代のテニスゲーム「Power Smash 3」レビュー(3/3 ページ)

セガの本格派テニスゲーム「パワースマッシュ」のシリーズ最新作が、プレイステーション3で登場。照りつける太陽のまぶしさ、観衆の拍手と感嘆の声、そして選手の気迫さえ感じさせるほどのリアルさに、思わず息をのむ。

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2〜4人で遊べるモードも豊富だが、オンライン対戦がないのが残念

 そのほかには、四大大会を勝ち抜いていく「トーナメント」や、会場と試合ルールを自由に設定できる「エキシビジョン」のモードもあり、どちらもシングルス戦とダブルス戦が可能。「エキシビジョン」では、コントローラーを4つ用意すれば最大4人でダブルスの対戦(協力)プレイもできる。また、「ワールドツアー」のトレーニングに登場するミニゲームを2〜4人で同時に遊べる「パーティゲーム」モードもあって、2人以上のプレーヤーでも楽しめる要素が豊富でよい。なお、これら3つのモードでは、「ワールドツアー」で育てたオリジナルの選手も使用できる。

画像 「エキシビジョン」では、2人がシングルスで戦ったり、ダブルスで協力してCOMと戦うことが可能。コントローラーを4つ用意すれば、4人でダブルスをプレイすることもできる
画像 「パーティゲーム」では、「ワールドツアー」のトレーニングで登場するミニゲームで対戦できる。これは、巨大なテニスボールを避けつつ、フルーツを集める「ROCK FALL VS」

 惜しまれるのは、オンライン対戦が搭載されなかったこと。この「Power Smash 3」は、海外でも「Virtua Tennis 3」というタイトルでXbox 360でも発売されており、そちらはオンライン対戦が可能なのに、プレイステーション 3版は対応していない。

ビギナーでもテニスらしい駆け引きが成立するゲームバランスが見事

 最初にも述べたが、このゲームは操作がそれほどシビアではないので、ボールをよく拾い、アウトやネットになることも滅多になく、ビギナーがプレイしてもわりとよくラリーが続く。こうしたシステムだと、自分で操作しているというより、コンピュータが勝手にやってくれているかのような違和感を覚えても不思議はないのに、そう感じる場面がほとんどないのは、バランス調整がかなり入念に行われているからだろう。また、ボタンを押すタイミングでショットの良し悪しが決まるのではなく、ボールを正面で受けられる位置でボタンを早めに押すほど強力なショットを打てるという点も、よく考えられた工夫だと思う。ここに、相手が打ってくる方向を先読みしながら動くというテニスらしい駆け引きが生まれる。

画像 ボールとの距離が多少開いていても、ボタンを押せばボールに向かって飛び込むダイビングショットで何とか打ち返せる。ただし、球威がなく、ボールがふわりと浮いてしまうので、強力なショットを打ち込まれやすくなる
画像 ボールが向かってくる正面に位置して早めにボタンを押すと、通常よりも強力なストロークになる

 それに加えて、今回はハードがプレイステーション 3になったことで、モーションや演出面においても大きく進歩していることも見どころのひとつだ。前作のプレイステーション2版と見比べても、選手のモーションパターンが非常に多くなっていることがわかり、それが秒間60フレームのなめらかな映像で映し出されている。好プレイの後にすかさず挿入されるリプレイは、惚れ惚れとしてしまうほどにかっこよく、爽快で、自分がプロテニスプレーヤーになったような気分に浸れる。おかしな話だが、今回の「Power Smash 3」のレビューでは、画面をキャプチャする作業が実に楽しかった。リプレイシーンから画像を切り出すと、それだけで様になるからだ。

画像 高く飛び上がってのジャンピングスマッシュがさまざまなカメラアングルでリプレイされる。どの角度から見ても躍動感にあふれ、つい見とれてしまう
画像 よく見ると、選手の動きに合わせてシャツの裾や袖がめくれ上がっているのがわかる
画像 フォームの美しさはまさに感動的。ほかにも指でガットの張り具合を確かめたり、ラケットでシューズに付いた土を払い落とすなど、ちょっとした仕草もリアルに再現している

 テニスゲームというジャンル自体は目新しいものでないが、「Power Smash 3」の圧倒的なリアリティとよく練り込まれたシステムは、紛れもなく次世代のテニスゲームを体感させてくれる。何といっても、すぐに飲み込める簡単な操作で、本格的なテニスを楽しめるところが理想的。没入感も高く、「ワールドツアー」モードで育成したオリジナル選手には次第に愛着がわいてくるし、強敵を相手に接戦を制したときなどは、ゲームの中の選手と一緒になって思わずガッツポーズまで出てしまう。過去の「パワースマッシュ」シリーズにも相当のめり込んだが、今回はそれ以上にはまりそうだ。

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ちなみに、SIXAXISのモーションセンサーにも対応していて、ボタンを一切使わずにプレイすることもできるが、これはかえって難しいような……
(C)SEGA


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