2度の挫折を経て「FFXI」にハマりつつある独身男性の物語(その4):ヴァナ・ディールをもう一度(2/2 ページ)
少し遅れた冒険者がお届けするヴァナ・ディール奮闘記。ついにEXジョブを取得してウハウハのガルカ君。ミッションも難なくこなして順風満帆なヴァナ・ライフを満喫中ですが、またしても異文化コミュニケーションの難しさを知る……。
次のミッション内容は、ベドーでクゥダフ族であるCopper Quadavを20体倒す、というもの。対象のクゥダフ族はレベル30の戦士なら苦戦することなく倒せる相手なのだが、周囲には危険なモンスターが多数徘徊しているので、僕にはとても危険な場所なのだ。しかし、僕以外の3人はレベル75のツワモノたち。僕が多少無理をしてもしっかりサポートしてくれるので、クゥダフ族との戦闘に集中することができた。とはいえ、僕とは敵を撃破するスピードが違うののもあり、僕が撃破できたのは2体だけ……。自分のミッションなのに自分がほとんど活躍できないとは何とも情けない話だ。
さらに次のミッションもやることになった。続いて向かった先はクフィム島に高くそびえるデルクフの塔。塔の侵入と同時に追加拡張ディスク「プロマシアの呪縛」ストーリーのイベントが始まり、登場したバハムートの姿に圧倒された。俄然プロマシアのストーリーにも興味がわいてきた。しかし今は自国ミッションをクリアすることが先決。デルクフの塔10階を目指す長い旅が始まった。
長い旅と言ってはみたが、それは道中にいる敵を倒しながら進んだ場合だ。今はインビジとスニークという大変便利な魔法がある。この魔法を使えば敵に見つからなくなるのだから、便利な世の中になったものだ。ほかのメンバーは敵に襲われる心配はないので、僕だけインスニ(インビジとスニークを両方かけること)をかけてもらい、案内役のあとをただ付いて行くだけ。本来なら大変な道のりのはずが、頼りになるメンバーに協力してもらって随分とラクをさせてもらっている。
竜騎士取得クエストのときもそうだが、こうやって誰かに助けられるとありがたい反面、本当にこれでいいのか? という気持ちにもなる。楽するばかりじゃなく、本来あるべき苦労を体感することも必要なのではないだろうか? 「若い頃の苦労は買ってでもしろ」と偉い人も言っていたではないか。やはり今の自分は甘えすぎなのだ。少し自分に厳しくいかなかればレベルは成長してもプレーヤーとしてのスキルは成長しないぞ。塔を登っている最中にそんなことを考えていたが、インスニが切れたのを見計らっては「インスニかけ直しヨロシクです^^」と言ってしまう自分がいる。なんたるふがいなさ。だって便利なんだもの!!
久しぶりのパーティープレイで外国人の新たな表現方法を発見
ドラゴン戦と同様に何の苦労もなくデルクフの塔のイベントをこなし、ミッションランクが4になった。ミッションランクが5になれば、ついに3国を飛空艇で移動できるようになる。そこまでたどり着ければ、もう一人前の冒険者と言ってもいいだろう。
当面の目標は「ミッション5にする」ことに置き、その過程で戦士のレベルも上げようと思い久々にパーティ参加希望を出したところ、これも久々に外国人からのお呼びがかかった。狩りの場所はガルレージュ要塞。僕にとっては初めて訪れるエリアなのでドキドキものだ。しかもパーティーメンバーは僕を除きすべて外国人なので、果たして意志の疎通が図れるかどうか……。案の定、バトル開始直後の会話につまづいてしまった。メンバーの1人が僕に向かってtell(1対1の会話モードで他人には聞こえない)で――
「【魚】【ください】」
と言ってきたのだ。僕は一瞬何のことか分からなかったが、(もしかして魚の敵を釣って来い、と言ってるのかも)と判断してエリア内をウロウロしたが、そんな敵はどこにもいない。むしろほかのメンバーは甲虫族(通称カブト)やコウモリ族を相手に戦っている。どういうことかわからず、相手もそれ以降何も言ってこなかったので、僕もそのままバトルに参加したのだが、パーティープレイの終わり際に「ハッ!」と気付いた。
これはあくまで僕の予想だが、「魚」というのはスシ系の食事アイテムを指していたんじゃないだろうか。それでバトル開始前に僕がスシを食べたのをログで確認したので、あの定型辞書文を使ったんだろう。そんなことに気付いたのは、パーティー解散になったあとのことであった……。
ちなみに、この話をフレンドに話してみたところ、「たしかに“スシ”という言葉は定型辞書にないから、そのとおりなのかもしれないけど、魚は“Fish”でしょ? Fishは“釣り”という意味もあるから、おそらく“敵を釣ってきてください”とお願いしてきたのかもしれないね」と言うのだ。
日本人パーティーでは、普段から敵を“釣る”という表現をしている。外国人もそれを知っていたから、日本人の僕に【魚】=Fish(釣り)という表現を使ったのだろう。そう考えると、外国人も日本人とうまくコミュニケーションを取るためにいろいろと努力しているんだなと思った。さらにそのフレンドは「ちなみに僕は敵の釣り役を頼まれるときに“【漁師】【ください】”って言われたこともあったよ」と自分の経験談もしてくれた。会話って奥が深い。
その日はほかに2回ほどパーティーを組んでたくさんの経験値を稼いだ。この調子でいけばかなり早い段階でレベル40になれるのかも……。そんな淡い期待を胸に、僕は暇があれば日課のパーティー参加希望を出している。時間帯によっては誘われないことも多々あるが、そんな日はソロでコツコツと普段使うことの少ない武器のスキルを上げたり、LSメンバーとチャットを楽しんだりする。ときには夢中になりすぎて敵に攻撃される……なんてこともあったりするが、成功も失敗も充分に楽しんでいる。僕のヴァナ・ディール・ライフは今日も平和だ。
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