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長く続く旅の仲間が見つかりますように――クローズドβテスト前に遊んでみた「ロード・オブ・ザ・リングス オンライン アングマールの影」プレビュー(2/2 ページ)

今春サービスが開始される「ロード・オブ・ザ・リングス オンライン アングマールの影」のクローズドβテストが4月24日から5月9日の期間行われる。それに先立ち、特別に体験した。

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まさに“映画のような”ドラマティックなオープニング

エルフのミンストレルで開始した場合のオープニングの一場面。目の前に立っているのは映画でもおなじみの「エルロンド」だ

 キャラクターメイキングを終えれば、そこはもう中つ国。プレーヤーは前触れもなく、物語に巻き込まれるようにしてゲームはスタートする。「わしの後をついて来い!」そんなセリフとともに、いきなりプレーヤーの前に現れ、スタスタと歩いていってしまうNPC。いわばこのオープニングは移動や戦闘といった、操作の基本を教えてくれるチュートリアルを兼ねているのだが、従来のMMORPGにありがちな隔離された部屋で、流れ作業のように操作方法を詰め込む単調なものとはまったく違う。指輪物語のメインストーリーと深く絡むドラマが目の前で繰り広げられ、それにプレーヤーが参加する形でアイテムの取得方法や戦いの基礎を、自然に身につけるようになっている。

 チュートリアルパートは種族ごとにすべて異なり、「黒の乗り手」に遭遇することもあれば、「灰色のガンダルフ」、「エルロンド」、「ギムリ」など、指輪物語には欠かせない登場人物たちに出会えることだろう。1つのキャラクターだけプレイしていると分からないのだが、複数の種族でこのオープニングを経験すると、お互いのストーリーが密接に関連しあっていることにも気がつかされる。指輪物語を読んだことがない……と言うユーザーにとっては、世界観を理解すると同時にとてもドラマティックな仕掛けだろうし、一方でストーリーをよく知るユーザーにしてみれば、物語に登場する村や町中で、おなじみのキャラクターに出会えるワクワク感が味わえることだろう。

捕らえられていたホビットの1人を救い出した。既存のMMORPGのようにNPCはボーと突っ立ってはいない。喋りだし、動き、時にはプレーヤーを誘導する役目を果たすので、映画を見ているような気分になる
ホビットの村で必死にドアを開けようとしている老人がいる。丸っこくて小さなドアは、ホビット特有の建築スタイルだ。個人的に指輪物語の大ファンなため、ディテールが気になって仕方ない……
WASDキーでの移動、左クリックでのターゲット、右クリックでアイテムルートなどの基本システムについては、要所要所でポップアップするヒントが教えてくれる

クエストによる物語の進行と成長システム

NPCの頭上に指輪が出ていれば、進行可能なクエストを持っている証拠だ。ミニマップ上でも指輪のアイコンで位置が示される。NPCたちが語りかける内容は、できればすっ飛ばさずに読んでほしい

 まず知っておいてほしいのは、本タイトルはひたすらモンスターを倒して経験値を得る、というプレイスタイルでは何も展開していかない。街の周りでは弱いモンスターが次々にリポップし、お使いクエストのために何度も同じ場所を往復させられる……そんな単調な作業の繰り返しではないのだ。キャラクターの成長はおもに、NPCから依頼されクエストの遂行で成り立っている。

 サウロンの復活により、中つ国のあちこちでゆっくりと始まる荒廃を止めるべく、NPCたちはプレーヤーに協力を求めてくるだろう。もちろん、序盤のクエストは特定のモンスターを倒して来い、アイテムを集めて来いといった定番の内容ではあるが、すべてのクエスト内容は前後に連鎖し背景ストーリーと密接につながっている。クエストは章というスタイルを取り、各章の最後には難易度の高い内容が待ち受けている。同じクエストに挑戦したい仲間を探す、検索機能も用意されているので、ぜひとも旅の仲間を募って挑戦してみよう。

クエスト遂行時の褒章は、経験値とアイテム。初期装備のほとんどはこの褒章でまかなえる。敵のリポップ速度はとても遅いので、レベル10ぐらいまでのクエストは、実はソロプレイでも可能だ
クエストジャーナルや「功績ログ」を開くと、完了済みクエストも含めてストーリーの流れをチェックできる。最大で15個まで同時に依頼が受けられるので、関連性のあるものはまとめて請けてしまおう
クエストの中には、ソロでもこなせたとは言え、プレイしながら「これは、2人以上でわいわい騒ぎながらやりたいなぁ」と思ったものがあるのは事実。βテストでは積極的に声をかけあいたい

ドワーフでなくても歩める、匠の道

 レベル10前後のあたりで、すべてのプレーヤーには生産スキルを習得するチャンスが与えられる。生産スキルは調理、耕作、採集、研究、宝飾、鋳造、採掘、仕立、鍛冶、木工の10種類があるのだが、この中から1つを学ぶというわけではない。職業として「防具師」、「探検家」、「武器師」、「細工師」、「木こり」、「歴史家」、「ヨーマン」の7種類が存在し、例えばヨーマンを選ぶと料理/耕作/仕立ての3つのスキルが使用可能となる。ちなみに生産に関しては後から転職もできる。

 スキルの使用は必要な素材を持った状態で、かまどや工作台に近づきクリックすればメニューを表示。1つのスキルを使用するごとにスキルポイントを入手し、一定ポイントに達すればさらに上級のスキルが使えるようになるシステムである。生産に特化したキャラクター(できればホビット!)を作って、ひがな一日ぼんやりと畑作業に費やすのも幸せそうだ……。

歴史家や探検家は古代の知識を得られるだけでなく、それを利用した武器製作も習得できるなど、ちょっと変わった職業だ。純粋な武器師よりは苦労が多そうな気もするが
ヨーマンを選んでさっそく料理を開始。手始めに簡単な「ローストとポーク」を作ってみた。素材のすべてをNPCから購入したが結構な金額に。耕作スキルも育てないと初期投資が大変そうだ

この世界に生きるというロールプレイ

 かなり駆け足でLotROの概要をお伝えしてきたが、いかがだろう? 筆者自身もさまざまなキャラクターと職業を短期間でプレイしたため、正直なところまだまだ把握しきれていない部分も多い。

 このLotROは本文でも述べたように、ひたすらモンスターを倒してレベル上げに励むゲームではない。1日に5時間も6時間もレベリングだけに熱中する遊び方は(そういったプレイスタイルを否定するのではない)、本タイトルに限ってはまったく適さない。中つ国という舞台の中で、1人の人間として、ホビット、エルフ、ドワーフとして生き、未知なる土地へ勇気をもって進む。そういうロールプレイを楽しんで欲しいのだ。

 ただ、筆者がこの世界にすんなりとなじめたのは、指輪物語という原作を元から何度も読み込んでいたというのも大きい。決して親切とは言い切れない操作性や、ゲーム全体に漂ういわゆる“洋ゲー”の空気は、万人に受け入れられるものではないことも、きちんとお伝えしておきたい。

 しかし、もしも信頼できるプレーヤーと巡りあい、この先も続く長い冒険をともにできれば、それはまさしくあなたの「旅の仲間」となるはずだ。「ロード・オブ・ザ・リングス・オンライン アングマールの影」はまだ幕を開けたばかり。これから、この世界を存分に味わってほしい。


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