新型PSP、HomeそしてPLAYSTATION Network――SCEAプレスカンファレンス
Sony Computer Entertainment Americaのカンファレンスが、米国時間7月12日に開催された。カンファレンスはまず、「PlayStation Home」にジャック・トレットン プレジデント&CEOが登場するところから始まった。
Sony Computer Entertainment America(SCEA)のプレスカンファレンスは、SCEAのプレジデント&CEOであるジャック・トレットン氏が「PlayStation Home」に登場するところから開始された。「βテストをこれまで続けてきたが、このようなバーチャルカンファレンスを実施するのは初めてだ」とトレットン氏。
実際にステージに立ったトレットン氏は、先日プレイステーション 3の値段を改定したことなどに触れながらまず、PSPタイトルについて紹介。「SOCOM: U.S. Navy SEALs Tactical Strike」、「Wipeout Pulse」、「Syphon Filter : Logan's Shadow」、「NBA '08」、「God of War : Chains of Olympus」、「Silent Hill origins」、「Tiger Woods PGA TOUR 08」、「Sonic Rivals2」、「Sims 2 castaway」、「SWAT target liverty」、「ファイナルファンタジータクティクス 獅子戦争」、「Castlevania」といったタイトルがトレーラーとともに流された。
続いて、ソニー・コンピュータエンタテインメント 代表取締役社長兼グループCEOである平井一夫氏が登場。ここで、新型のPSP(PSP-2000)について紹介した。
PSP-2000は現在と同様の4.3インチ液晶を搭載しているのは現行バージョンと変わらないが、33%軽く、19%スリムになったのが特徴。重量は189グラム、厚さは18.6ミリになる(現在はそれぞれ280グラム、23ミリ)。UMDのローディング時間も改善されている。
また、外部映像出力端子が搭載されたのも特徴の1つだ。平井氏は「スパイダーマン2」のデモを見せつつ、UMDでPSPに表示された映像が、ディスプレイボタンを押すことで外部出力に切り替わり、TVでも映像が楽しめることを紹介した。「これでPSPで写真やビデオをみんなで共有できる」と平井氏。もちろん、UMDでのゲームや、メモリースティック Duoに保存されている写真、映像、ゲームをTVに出力して楽しむことも可能だ。
なお、カラーバリエーションとして、オリジナルの「ピアノブラック」、「セラミックホワイト」に加えて「アイスシルバー」が用意される。米国ではまず9月10日に、アイスシルバーの筐体と「Daxter」、1Gバイトのメモリースティック Duoが同梱された限定版の「Daxter PSP Entertainment Pack」が発売されるほか、「Star Wars Battlefront: Renegade Squadron」と新型PSPのセットで、同じく限定版となる「Star Wars Battlefront PSP Entertainment Pack」が10月9日に199ドルで発売される。
PlayStation Homeを今秋に投入、は不変
カンファレンスには、ソニー・コンピュータエンタテインメント・ワールドワイドスタジオ社長であるフィル・ハリソン氏も登場。「GDC 2007」でも詳しく紹介された「PlayStation Home」と、これからのPLAYSTATION Networkについて、改めて語った。
「プレイステーション 3には容量の大きいHDDが搭載されている。今後はPLAYSTATION Netowork向けのダウンロードコンテンツを充実させる」とハリソン氏。ソニー・コンピュータエンタテインメント・ジャパンスタジオの制作となるパズルゲーム「echochrome」のほか、「PAIN」、「WipeOut」のシリーズものとなる「WipeOut HD」、PLAYSTATION Networkからのダウンロードと、Blu-rayディスクの両方で展開される「SOCOM US Navy SEALs: Confrontation」、「Warhawk」を紹介。北米向けには年内に40タイトルが投入されることが明かされた。
またハリソン氏はPlayStation Homeのデモを通じて、Home内のプライベートスペースを写真にとって、自分用に用意されているSNSのスペースに張り付けることが可能なことや、プレイステーション 3のゲームをシームレスに起動し、集まっている仲間と「MotorStorm 〜モーターストーム〜」をプレイしている様子などを紹介した。
このほかハリソン氏は、プレイステーション 3のローンチからこれまで30以上のサードパーティによるタイトルが供給されてきたことに言及。今後は年内に100タイトル以上のプレイステーション 3タイトルが発売される予定となっており、北米だけでもファーストおよびサードパーティから160タイトル以上がそろうことになると語った。またここで、NCsoftが、プレイステーション 3およびPSPを含む、プレイステーションプラットフォーム向けにいくつかのオンラインゲームを投入すること、そしてそれらはPLAYSTATION Networkを通じてプレイできるようになる予定であることが発表された。
なお、現在もEpic Gamesからは、プレイステーション 3にカスタマイズされた「Unreal Engine」が提供されているが、MidwayおよびEpic Gamesから、「Unreal Tournament 3」がPC向けとプレイステーション 3向けにのみ、この秋に発売されることが発表された。
そしてゲストとして、KONAMIの小島秀夫監督が登場。2008年初頭に発売される予定の「メタルギア ソリッド 4 ガンズ・オブ・ザ・パトリオット」(以下、MGS4)のデモを紹介しながら、この作品について語った。
「『メタルギア』が生まれたのは1987年なので、今年の7月で20周年を迎える。20年間、いろいろな時代で、いろいろな『メタルギア』を作ってきたが、『MGS4』が最新で、最後の作品となる。スネークの物語も最後だし、小島秀夫がゲームデザインをする『メタルギア』も最後となる。そういうわけで、メタルギアサーガのすべての謎、すべてのキャラクターが結実することになる」と小島監督。これまでのステルスアクションを投入しつつ、戦場に入るという新しいアクションを導入しているとのことで、「これまで20年の持てる技術をすべて注ぎ込んで開発している最中」(小島監督)だそうだ。
紹介されたのはトレーラーであったが、プレイステーション 3での、リアルタイムレンダリングの映像。スネークが動く様などは、本当に映画を見ているようで、「リアルタイムで、このクオリティでプレイできる。7月17日に日本で開催される『PLAYSTATION PREMIRE 2007』では、実機でのプレゼンをする。戦場に潜入するのはどういうことなのか、戦場での潜入感などをお伝えしたい。とんでもないことになっているので、皆さん期待してほしい」(小島監督)とのことだ。
最後にプレイステーション 3向けのタイトルとして、「Heavenly Sword」、「LittleBigPlanet」、「Folklore」、「NBA'08」、「Uncharted: Drakes Fortune」、「グランツーリスモ5」の映像が紹介され、カンファレンスが締めくくられた。
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