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「GA-CX1005XB」は本当にXbox 360ユーザーへの福音となるのか確かめてみた「GA-CX1005XB」レビュー

Xbox 360は様さまざまな形式での映像出力が可能だが、それぞれ専用のケーブルが必要。しかしDIGITAL COWBOYから発売されているXbox 360用ドッキングステーション「GA-CX1005XB」があれば、単体で複数の形式の映像出力が可能となる。その実力はいかに?

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単体で多様な映像出力が利用可能に

 Xbox 360は、コンポジットビデオやSビデオをはじめ、D端子(コンポーネント出力)、RGB出力など、さまざまな形式での映像出力をサポート(10月11日発売予定の「Xbox 360 エリート」ではHDMI出力もサポート)している。ただ、本体に各種映像出力端子が用意されていて、手持ちのケーブルを使って好きな形式で接続できるようになっていると嬉しいのだが、本体背面の端子は独自形式となっており、映像出力形式に応じた専用のケーブルが必要となる。

 Xbox 360パッケージに付属する映像ケーブルはD端子出力とコンポジットビデオ出力が可能な「D端子 HD AVケーブル」が、またXbox 360コアシステムにはコンポジットビデオ出力のみが可能な「コンポジットAVケーブル」がそれぞれ付属しており、Sビデオ出力やVGA出力を行いたい場合には、「SビデオAVケーブル」や「VGA HD AVケーブル」を別途購入しなければならない。

 もちろん、映像出力形式を切り替えるのは、そう頻繁に行うようなことではない。多くの場合、接続するTVを買い換えたりした場合に限られるだろう。しかし、普段は自分の部屋のTVまたはPC用のディスプレイに接続して使っているが、たまにはリビングの大画面HDTVで遊びたいというように、家の中でXbox 360を移動させて異なる形式の映像出力を使いたいということもあるはず。そのためには、それぞれに対応する映像出力ケーブルを用意しておく必要があるが、映像出力ケーブルは比較的高価なため、複数のケーブルを買い揃えるのも大変だ。そういったときに活用したいのが、今回紹介するDIGITAL COWBOYのXbox 360用ドッキングステーション「GA-CX1005XB」だ。

 GA-CX1005XBは、Xbox 360の背面端子に取り付けて利用するグッズだ。背面部分にコンポジットビデオ出力とSビデオ出力、コンポーネント出力、VGA出力と、Xbox 360が対応するほぼすべての映像出力端子が用意されている。そして、これら出力は、同じく背面に用意されている2組のスイッチを設定することで変更できるようになっている。ただし、異なる形式の映像出力を同時に利用することは不可能。とはいえ、もともとXbox 360自体が複数形式の映像出力をサポートしていないためしかたがないだろう。

画像 DIGITAL COWBOY Xbox 360用ドッキングステーション「GA-CX1005XB」
画像 用意されている端子類。Xbox 360が対応するほぼすべての形式の映像出力に加え、アナログ/光デジタル音声出力、USB×4、LANコネクタが用意されている
画像 映像出力形式は、この2個のスイッチで設定する。複数の形式の同時出力は不可能

 音声出力端子は、ピンプラグのステレオ音声出力と、角形の光デジタル音声出力端子を用意。また、USBハブ機能も内蔵されており、USB端子も4ポートに拡張される。LANコネクタも用意されているが、こちらはハブ機能はなく1個のコネクタのみとなる。

 ところで、GA-CX1005XBにはこれら端子類に加え、2個の6センチファンが取り付けられている。このファンは、Xbox 360背面の排気口の直前に位置しており、Xbox 360の廃熱効率を高める効果を発揮する。Xbox 360本体にも排気ファンが取り付けられているが、この2個のファンを利用して、より強力にXbox 360内部の熱をかき出してやろうというわけだ。

画像 内側には、Xbox 360に接続するコネクタが用意されている
画像 6センチのファンが2個取り付けられており、廃熱効率を高める機能も持つ

思ったよりファンの騒音は気にならない

画像 D端子は用意されていないが、コンポーネント出力をD端子に変換するケーブルを利用すればD端子も利用可能となる

 さて、実際にXbox 360にGA-CX1005XBを取り付けて利用してみたが、やはり一般的なAVケーブルを利用できるという点はかなり便利だ。Xbox 360専用の映像出力ケーブルは長さにかなり余裕があるが、かなりの太さもあり、AVラックに設置して使う場合などに邪魔に感じることもある。しかしGA-CX1005XBを取り付ければ、必要最低限の長さのAVケーブルが利用でき、配線がかなりすっきりする。

 ただ、1点だけ欠点というか、残念ながらD端子が用意されていない。先ほどから「ほぼすべての形式」と書いていたのはこのためだ。しかしD端子の映像信号はコンポーネント出力の映像信号と同じで、コンポーネント出力をD端子に変換するケーブルを利用すればそれも問題ない。しかもコンポーネント−D端子変換ケーブルは、Xbox 360専用の映像出力ケーブルよりもはるかに安価に購入できる。

 ところで、GA-CX1005XBを利用する上で最大の懸念は、2個搭載されているファンの騒音ではないだろうか。昨年の「2006 International CES」で、3個のファンが内蔵されたXbox 360用の冷却グッズを紹介したが、それはまさに爆音と言っていいような騒音をまき散らしていた。GA-CX1005XBも、それと同じぐらいの騒音をまき散らすのではないのか。実際にGA-CX1005XB利用する前、筆者はそう考えていた。

 しかし、GA-CX1005XBをXbox 360に取り付けて電源を入れてみたところ、拍子抜けしてしまうほどファンの音が小さかったのだ。Xbox 360を単体で利用する場合と比べても、その差をほとんど感じさせないほどの騒音でしかなかったのである。もともと、爆音に備えて気構えていたということもあるが、最初は本当に動いているのか確かめたほどだ。

画像 Xbox 360に取り付けた様子。電源を入れてもファンの騒音は思ったほどうるさくない

 もちろん実際には、GA-CX1005XBを取り付けた方が若干ながら騒音は増えている。とはいえ、AVラックに入れてしまうと、その差は本当に分からなくなってしまう程度でしかない。排気口に手をかざしてみると、かなりの熱風がはき出されていることを確認できるが、その勢いは思ったほど強くない。もともと騒音を考慮して回転数の低い静音ファンを搭載しているのだろう。それでも、手をかざして確認すれば、GA-CX1005XBを取り付けていない場合より排出される空気の量は増えていることがわかるため、冷却能力の向上は確実に期待できるはずだ。

 筆者としては、GA-CX1005XBは、Xbox 360がサポートする多様な映像出力を切り替えて利用できるという点よりも、騒音を増やすことなく冷却能力を高められるという部分に魅力を感じた。これまで筆者がXbox 360を利用しているうえで熱暴走などのトラブルが発生したことはないが、廃熱効率を高められると、気温が高い夏でも安心して利用できるようになることは間違いない。しかも、騒音がそれほど大きくならないという点も大きなポイントだ。価格も4980円程度とお手ごろなのもよい。Xbox 360を映像出力を切り替えて利用することがあるという人はもちろん、廃熱効率を高め、夏も安定してXbox 360を楽しみたいと考えている人におすすめしたいグッズである。

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