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平井一夫氏基調講演リポート――原点を見つめ直し、楽しいゲームを提供することが最優先課題東京ゲームショウ2007(1/2 ページ)

「広がるプレイステーション・ワールド、新たな成長に向けたビジネス戦略の全貌」と題された基調講演では、プレイステーションファミリーの今後の展望が語られるとともに、今後登場が予定されている新サービスおよび周辺機器が発表された。

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 東京ゲームショウ2007初日となる9月20日、開幕を飾る形として、「広がるプレイステーション・ワールド、新たな成長に向けたビジネス戦略の全貌」と題してソニー・コンピュータエンタテインメント(以下、SCEI)社長兼グループCEOである平井一夫氏の基調講演が開催された。プレイステーション 3を中心としたプレイステーションファミリーの今後の展望が語られるとともに、今後登場が予定されている新サービスおよび周辺機器が発表された。

PS2向けに今後も質の高いタイトルを提供していく

画像 ソニー・コンピュータエンタテインメント社長兼グループCEOである平井一夫氏

 基調講演の冒頭で平井氏は、「原点を見つめ直し、まずは皆様に楽しいゲーム、楽しいコンピュータエンターテインメントの世界を提供し続けることが最重要課題である。」とし、昨年発売されたプレイステーション 3(PS3)だけでなく、プレイステーション 2(PS2)やPSPも含めたプレイステーションファミリーの今後の戦略について話が進められた。

 1994年に発売された「プレイステーション」(PS1)から始まった、SCEIのプレイステーションビジネス。現在までに全世界120を超える国や地域にまで販売が拡大し、トータルで2億5000万台を超えるハードウェア、23億本以上のソフトウェアを販売し、約2兆円のビジネス規模になっている。その中核をなすプラットフォームであるPS2について、まず始めに取り上げられた。

 PS2は、2000年発売以降今年で8年目に突入しているが、欧米を中心に現在でも堅調なビジネスが続いている。PS1では発売から11年で出荷台数が1億台を突破したそうだが、PS2では6年目で1億台を突破、8年目となる今年には1億2000万台を突破と、PS1を上回る規模を達成。タイトルも過去に全世界で約9000タイトル・12億本以上を販売、さらに本年度には300タイトル以上が登場予定となっており、まだまだ堅調であると指摘。事実欧米では、PS2向けタイトルが非常によく売れており、プラットフォームとしての魅力はPS3登場以降も全く失われていない。話題としては特に重要な内容はなかったものの、「これからも質の高いタイトルをユーザーの皆様にどんどん提供できると確信している。」と平井氏が語ったように、SCEIにとってPS2ビジネスはまだまだ重要な位置付けであるため、まず冒頭で取り上げられたのだろう。

画像 PS1およびPS2の出荷台数の推移。PS2は発売6年目で1億台を突破し、8年目となる2007年には1億2000万台も突破している
画像 PS2向けタイトルも12億本以上の出荷を達成している

リモートプレイでPS3の電源コントロールが可能に

 続いてPSPについての話題となった。PSPは、2004年に発売されて以降、2007年6月に全世界で2600万台を超える出荷を達成。さらに、日本では2007年2月に発売されたカプコンの「モンスターハンターポータブル 2nd」が初のミリオン超えを達成し、現在までに140万本の販売を記録するなど、順調に成長していると指摘。そのうえで、コストダウンを進めながら携帯性や利便性を高め、普及を進めていくための新しい施策として、本日(9月20日)に日本で発売が開始された新型PSP(PSP-2000)が紹介された。

 この新型PSPについては、日本で一足早く9月13日に発売された「クライシス コア -ファイナルファンタジー VII- (FFVII 10th アニバーサリー リミテッド)」のように、ソフトウェア同梱パックを充実させたりカラーバリエーションを増やすなど、地域に応じた施策を拡充していくとした。

画像 北米市場では「湾岸 Midnight Club 3 DUB Edition」および「Grand Theft Auto: Liberty City Stories」が、日本市場では「モンスターハンターポータブル 2nd」がミリオン達成
画像 新型PSP同梱の「クライシス コア -ファイナルファンタジー VII- (FFVII 10th アニバーサリー リミテッド)」など、ソフトウェア同梱パックを充実させたり、カラーバリエーションを増やすなど、地域に応じた施策を拡充する

画像 CCDカメラ、GPSユニット、ワンセグチューナーユニットなどの周辺機器も今後充実させ、機能を拡充する

 また平井氏は、携帯電話に様々な機能が取り入れられていることを例に、ユーザーは簡単に扱えるエンターテインメントデバイスを求めていると語り、圧倒的なパワーと高画質・大画面を持つPSPで、昨年日本で発売されたCCDカメラやGPSユニット、新型PSP用のワンセグチューナーユニットなど周辺機器の拡充も含めて、今後さらにニーズに応える形で機能を進化させていくとした。

 そして、例としてPSPとPS3を利用したリモートプレイのデモが行われたが、ここで新しい要素として、ネットワーク経由でのPS3の電源コントロールのデモが行われた。これは、スタンバイ状態のPS3に、PSPをリモートプレイ接続させようとすると、自動的にPS3の電源が入ってリモートプレイが可能となり、さらにリモートプレイ終了時にPS3の電源を落とすことが可能になるというもの。この機能は、ユーザーから強い要望があったそうで、その声に応じる形での実現となったそうだ。提供時期は発表されなかったものの、おそらく近い将来のシステムソフトウェアバージョンアップで提供されることになると思われる。

 他にも、PSPをPS3のコントローラとして利用し、PSPの液晶画面をPS3のサブディスプレイとして活用することや、PSPの音声入力機能を利用した音声認識コントローラとしての活用、複数のPSPをリモートプレイ接続し対戦プレイやプレイ観戦を行うなど、PSPの新たな活用方法も紹介された。

画像 スタンバイ状態のPS3にPSPからリモートプレイ接続すると、自動的にPS3の電源が投入されるデモが行われた
画像 リモート接続しているPSPからPS3の電源を落とすことも可能となる

画像 今後実現が予定されているPSPの活用方法。PS3と接続して、サブ画面付きコントローラや音声認識コントローラとして活用されるようになる
画像 複数のPSPをリモートプレイ接続して対戦を行ったり、他の対戦プレイの観戦などもできるようになる

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