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ところで年末商戦って何だ?くねくねハニィの「最近どうよ?」(その16)(1/2 ページ)

いつの間にか1周年を迎えていた「最近どうよ?」。これからもよろしこ〜! さてさて、いよいよ稼ぎ時、年末商戦に入った海外市場だけど、そもそも年末商戦って何? ニュースも含めて読んでみてたもれ〜。

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 「最近どうよ?」を書き始めてから知らない間に1年が経っていた……。時間って過ぎるのは早いよね〜。と、ノスタルジーに浸っていたら、急激に気温が下がって大風邪をひいたわ(涙)。2週間くらい治らないんですけど……。皆様もご自愛くださいませ。

 ということで、2年目もしっかりとお届けしていきたいと思っているくねくねハニィの「最近どうよ?」第16回目ですの。今回は東京ゲームショウが終わったところでその感想も述べつつ、ニュースも語りつつ、欧米の「年末商戦」についてをお送りしますよん。

ニュースから!

 まずは東京ゲームショウ(以下、TGS)。お疲れ様でした〜。今年からビジネスデーが1日増えて計4日の会期になったけど、結局一般デーの参加者(ユーザー)が減ったので、昨年からホントにちび〜っとだけ増加したのみ。ゲバ評では「たくさんに来る!」って聞いておりましたのに……。気がつけばドイツのライプチヒで行われたGames Convention(GC)にあと約7000人に迫られていますね。いずれにしても一般客が減ったのは残念。

 もちろん、微増とはいえ、今となっては世界最大と言われるTGS。世界各国のメディアが「何か大きな発表があるかも?」と、こぞって押しかけたのは理解できる。ただ、業界を知らない一部のマスコミ(笑)が、「アメリカで昨年まで行われていた世界最大のゲームショー(E3のことだと思われ)がなくなったので、この東京ゲームショウが世界最大になり、多くの参加者はもちろん、例年より数多くの外国人がやってきています!」とおおっぴらに伝えていたの。そうかなぁ? メディアを除いて、明らかにビジネス目的の外国人のお客さん減ってるように思ったんだけどな。ハニィの気のせいかな〜。

 海外メディアが多かった理由としては、ソニー・コンピュータエンタテインメントが「プレイステーション 3の値段をまた下げるのでは?」という噂があったから。年末商戦に向けて最後の「公式発表」のチャンスだっただけに、期待があったのは事実。でもさ、実際にSCEから発表があったのはブルブルコントローラ(「DUALSHOCK 3」のこと)の復活と「Home」が遅れること……。DUALSHOCK 3は日本での発売は年末だけど、欧米では来春ってことらしいから、欧米のメディアはがっかりしたでしょうな。ソフトの開発状況が進んでプレイアブルが多く出てきたってことを除けば、大きな発表はなかったとも言えるんじゃないかしら?

 ということで、各ゲーム展示会のリージョン化が進んだ、と結論づけたいハニィです。日本は日本向けにTGSがあり、E3やE for Allなど北米は北米の展示会があり、Games Conventionのように欧州には欧州のイベントがあるわけですな。自然なことと言えば自然なこと、でも、極論を言えば日本だけ日本のわが道を行かざるを得ないって状況は憂うべきこととも考えられるのでやんす。そこまで業界関係者が危機感を感じているか否かは不明だけどね〜。

 それにしてもSCEはなんでPS3の値下げと下位モデル40GB発売の発表をゲームショウでしなかったのか……。翌日開催された任天堂のカンファレンスでの「WiiFit」関連や上場以来の株価最高値のニュースに消されてしまってる感が否めないじゃんね〜。せっかく身を削って値下げするんだから効果を考えれば、「ありえねぇ」って思っちゃうのはハニィだけかしら?

 さてさて、北米の8月の売上データの報告を。PS3の値下げ効果は長続きせず、13万台止まりでした。やっぱりキラータイトルがありません。一方、Take2から発売された「Bioshock」や、EAの「Madden NFL」(ホント、アメフトって根強い人気……ハニィは何度見てもルールが分かりませんです)のおかげで、PS3にダブルスコアをつけてXbox 360は28万台弱。その、Xbox 360を牽引したと言われるMadden NFLは90万本弱、Bioshockは50万本弱といずれも大ヒット。PS2版のNFLも63万本とヒットしているものの、PS3版の33万本ってのを見ると、この手のスポーツゲームは、とりあえず自分が持ってるプラットフォームで買っておけってことかと。Xbox 360の全ハードが北米で640万台だから、なんとほぼ7人に1人の360ユーザーがNFLを発売月に買ってるってことになりまするね。す、すごすぎる。

 残念ながら任天堂さん以外で日本からトップ10にランキングしているメーカーはありません。年末商戦に向けて日本メーカーの奮起を期待しましょう。そういえば、Xbox 360ソフトで面白い動きがありました。PCソフトからの移植で「Two Worlds」というRPGがランクインしています。RPGといえば日本? と思っていた皆様、そうでもないみたい。また、同じくPCからの移植でPS3版「WARHAWK」が発売になったんだけど、5万8000本。ただしこのソフトはダウンロードでも購入可能なので(日本ではダウンロード専用)、こちらがいくつダウンロードされたかは不明ってことで、もっと売れているかも! です。パッケージではなくダウンロードコンテンツをどうやってランキングにするかは北米市場の課題ですな。

 一方、Wiiは相変わらず独走を続け、40万台をキープしていますね。そろそろ在庫不足が解消されている様子。ハニィも今月は久しぶりに渡米して実際の小売店の様子を見てこようと思っとりまする。Wii向けには「Metroid Prime 3」(22万本)など新しいタイトルは供給されているものの、結局一番売れているのは相変わらず「はじめてのWii」(北米ではWii Playの名で発売されている)で、何とトータルで200万本に迫っていますわ。あまりに「はじめてのWii」の満足度が高いのか、ユーザーも他のソフトに手が回らないようです。ユーザーにとってはすばらしいソフトだけど、ゲームビジネスに関わる人間にとっては、あまりに陳腐化の遅い困った商品であることは言うまでもありませんな。

 さぁて、携帯ゲーム機はどうかな? ニンテンドーDSは38万台。相変わらずすんごい売れてますぅ。PSPは9月の薄型/軽量型を待って買い控えが見られたの。それでも15万台。PS3を上回っていますが……。ソフトは相変わらず任天堂のDS向けソフトばっかり並んでるけど、PSP向けのMadden NFLが5位に入っていましたね。ハードの売上のわりにPSPソフトがトップに入ってこないのはホントに首をひねるばかり。だって、PSPの北米での累積販売台数は800万台を超えている、つまりXbox 360を上回る台数が出回っているのに、なぜこんなにソフトが動かないのか? PSPはガジェット扱いでゲーム機として認知されていないと言われているけど、そうじゃないんだよね〜。ソフト装着率を見るとそれほどDSと変わらないところを見ると、結局ソフトが小粒で、トップ10とかには入らないけど、いろんなソフトがちびちび売れてるってことなんですよ〜。

 やっぱりミリオンヒットするソフトがないと、何となくイメージが負け組っぽいのも事実。でも、実はまだまだ負け組とは言い難いことも。9月の薄型/軽量型の新型PSPの販売数が楽しみなんですね。この数字は10月末ごろに発表予定ですので、ちょっとだけ待ってていただきたい。

 ところで、9月25日(日本では27日)に世界一斉発売になった「Halo 3」ですけど、北米ではなにやらすごいことになっているようですよ。っていうのも、発売初日アメリカ国内だけで1億7千万ドル(約200億円:推定290万本)を売上げる快挙を達成! エンターテインメント史上に残る恐ろしいほどの記録で、「Halo 2」のときの自らのレコードを塗り替えるものとなったの。1日で290万本ですからね〜。よくそれだけ店舗にあったなあというお話もありますが、映画の公開初日だって、CDの発売初日だってこんな金額を1日で達成したものはないんだってさ。この原稿を書いてる最中にすでに500万本の声が聞かれる、という情報も入っていますの。すごいソフトだ〜。

 さて、今回のお話は「年末商戦とは?」です。実際に過去の北米市場の例を見てみると、年末商戦期の売上が年間総売上の半分以上を叩き出したりするわけですわ。なので、大手パブリッシャーたちはこぞってこの10月〜12月の第4四半期(Q4)に発売をしようとする。ホリデーシーズンと言うけど、プレゼントシーズンでもあって、消費者の財布も緩む季節なわけっすね〜。

だいたい年末はどんなお休みがあるのん?

 アメリカ人にもらったカレンダーを見てみると、10月のページに「ホリデーシーズンがやってきた!」って書いてありましたの。日本で言う、正月休みとかゴールデンウィーク、中国や韓国で言う旧正月とかを考えていただきたいんだけど、大きなお休みのまとまりのことを言うのね。欧米の場合は年末かけて集中するのでそういう言い方をするんだろうけど、具体的には10月末のハロウィーン、11月末のサンクスギビング、12月のクリスマスのそれぞれの休暇のことをさすんですわ。欧米人はこのときにまとめてお休みを取るので、欧米との取引をしているハニィたちからすると「お仕事になら〜ん」期間でもあるわけですな。

 ハロウィーン(Halloween)は、厳密に言うと、10月31日の1日だけ、しかも晩だけのこと。カトリックでいう万聖節(All Saints' Day)の前の晩(10月31日)に死者の霊や魔女、精霊が現れると言われていたらしいのよ。本来は収穫祭の意味があるので、かぼちゃをくりぬいて顔の形を作って、悪霊を追い払う、っていうお祭り。この晩には、モンスターや魔女に仮装した子供達が近所を回って「Trick or treat!(お菓子をくれないといたずらするぞ)」と言ってお菓子をもらうのが伝統的なイベント。子供達じゃない人たちは(笑)、みんなで仮装してハロウィン・パーティーを開いたりするのよ。

 アメリカでは、ハロウィーンの前になると、みんながこぞってかぼちゃ(スーパーとかで大小のかぼちゃが山積みになってる)を買いに行き、仮装用のコスチュームや飾り物を選んで盛り上がるんですの。会社に仮装コスチュームで現れる輩もいて、国中お祭り騒ぎな訳ですわ。ま、言ってみりゃ、日本で言う「お盆」なんでしょうけど、大きく違うよね〜。どっちかというと、「盆踊り」に匹敵するのかしら?(笑)。

 サンクスギビング(Thanksgiving)、そのまま訳すと「感謝祭」は11月の第4木曜日(ってことは今年は25日)と決まっておりまするが、収穫祭とも言われていて、秋の実りのお祝いですよね〜。国民の祝日ですの。日本で言うところの「勤労感謝の日」に近いのかな? と思いきや、日本ほど感謝の気持ちは希薄ではなく、一族が集まって七面鳥(中に詰め物をして)を焼いて食べる晩餐会をするの。ハニィは数年前に長期出張でサンクスギビングにアメリカにいたんだけど、みんな家族や親戚とパーティに行ってしまうので、1人ぼっちでホントに寂しかったわ。

 12月は言わずと知れた「クリスマス」。サンタクロースがプレゼントをしてくれるって意味では日本と同じ(っつーか、日本が真似っこ)。クリスマスカードを送ったり、クリスマスプレゼントを家族や友人、恋人と交換するのも特徴よね。日本と違うのは、恋人とともに過ごすってよりは家族とってのが主流みたいですよ。

 ということで、10月から毎月末ホリデーが続くと言う怒涛のホリデーシーズンが始まるわけですが、日本と若干違うところとして、宗教的な意味も兼ねているので、お休み〜♪っていうことに加えて、家族の時間を持つってことが結構重要みたいですよん。

※文中、「はじめてのWii」を「Wii Sports」と誤って表記をしており修正いたしました。

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