チャージで繰り出せメガストライク! ド派手に遊べるマリオのサッカー:「マリオストライカーズ チャージド」レビュー(1/3 ページ)
Wiiで発売された「マリオストライカーズ チャージド」は、おなじみのマリオたちがフィールドせましと暴れ回るファイティングサッカーゲーム。手軽にできるオンライン対戦も魅力な、マリオならではの熱く激しいサッカーが楽しめる一作だ。
スポーツ万能のマリオが再びサッカーにチャレンジ!
9月20日に発売されたWiiソフト「マリオストライカーズ チャージド」は、昨年1月にニンテンドーゲームキューブで発売された「スーパーマリオストライカーズ」の続編にあたるファイティングサッカーゲーム。タイトル通り、マリオを中心としたおなじみのマリオファミリーが、独自のサッカーでバトルを繰り広げる一作だ。
スポーツゲームやレースゲームには大きく分けて2つのタイプがある。1つは選手や車のデータをとことんリアルに作り込み、挙動やシステム、プレイ感覚をなるべく元となった競技や車に近付けようとするリアル系のもの。もう1つは大胆なアレンジを加えてゲームらしいエフェクトやゲームならではのプレイ感覚を優先したアンリアル系のものだ。本作は後者にあたり、実際のサッカーとは異なる、ゲームでしか成立しないルールやシステムを採用している。
思えばピーチ姫を助けるのが本業(?)であったマリオは、宿敵クッパを追って冒険をするかたわらで、ずいぶんといろんなジャンルに挑戦している。中でもスポーツに関しては積極的で「マリオスポーツ」シリーズと言ってもいいほどに、実にスポーツ万能だ。パッと思いつくだけでも、ゴルフ、テニス、ベースボールなどが挙げられる。そのいずれも、実際のスポーツそのままをプレイするのではなく、マリオならではの熱く楽しいアレンジが加えられていた。本作におけるサッカーは“ファイティングサッカー”と称されるだけあって、かなりアグレッシブなアレンジが施されている。
パッケージやロゴ、オープニングデモなど随所に見られる炎や稲妻のような派手なエフェクトが本作を象徴していると言っていいだろう。これはサッカーゲームだ。だが、ただのサッカーではない。マリオたちがボールひとつにきりきりまいの戦いを展開する熱きファイティングサッカーなのだ。
Bボタンのチャージが肝心! メガストライクで大量得点を狙え
本作はWiiリモコンだけではプレイできない。Wiiリモコンにヌンチャクを装着したヌンチャク・スタイルでプレイすることになる。
キャラの移動に関してはヌンチャク側のコントロールスティックで行う。WiiリモコンのAボタンは、自チームのキャラがボールを持っている時はパス、持っていない時は操作キャラの切替に使われ、Bボタンでシュート、クリアが可能。十字ボタンでフェイントやスライディングを繰り出すことができる。また、ヌンチャク側のCボタンでアイテムもしくは後述するスーパーアビリティの使用、Zボタンを押しながらAボタンでロブパス(山なりの軌道を描くパス)、Zボタンを押しながらBボタンでロブシュートを打つことができる。
これらの基本操作を覚えた上でぜひマスターしたいのが、「メガストライク」や「スーパーシュート」などの特殊な必殺技だ。
各チームは、キャプテンとなるキャラが1人、ゴールキーパーが1人、サイドキッカー3人の計5人で構成されている。この時点でリアルなサッカーとはルールが大きく異なる。ステージの広さもサッカーよりいくぶん狭めに作られているので、どちらかといえばサッカーというよりはフットサルに近い感覚と言えばいいだろうか。
キャプテンとして最初から選択可能なキャラはマリオ、ルイージ、ピーチ、デイジー、ヨッシー、ワリオ、ワルイージ、クッパ、ドンキーコングの9人。サイドキッカーはノコノコ、キャサリン、キノピオ、ハンマーブロス、カロン、チョロブー、テレサ、ヘイホーの8人から自由に3人選べる。そしてゴールキーパーはどのチームもワニのクリッターが務めることになる。
各キャプテンがボールを持っている時に相手陣地でBボタンを押し続けると、メガストライクと呼ばれるキャプテンごとの特別なシュートが打てる。これは前作のスーパーストライクにあたる非常に強力な技だ。Bボタンを押し続けるとキャラの周りに半円形のメーターが現われる。メーターが現われた後にBボタンを2回押すのだが、1回目でシュートするボールの個数が決まり(最大6個)、2回目でボールの速さが決まる。ゴルフゲームでは定番と言えるインパクトゲージをご存知だろうか。あのゲージの針の速いものだと思ってもらって差し支えない。個数と速さを決めるBボタン押しは最初は慣れないかもしれないが、慣れればチョンチョンッとタイミングよく押してベストなところでメーターを止めることも可能になるだろう。
うまく行けば一度のシュートで6点入るが、そこまでためようとすると敵キャラに妨害されるので、あえてメーターいっぱいを使わずに3点、4点のメガストライクを狙っていくのも手だ。また、6本もシュートを打たれて敵側もただ黙ってみているわけではない。相手のメーターが表示された時に、ヌンチャクを振ってメーターを揺らすというオジャマプレイができるというのがWiiならではの面白い要素だ。そして妨害してもメガストライクが発動してしまった時にはゴールキーパーに守備のチャンスが与えられる。
この時に活躍するのがWiiリモコンのポインター機能。画面上に現われるボールに対してWiiリモコンでポインティングしてブロックできるメガセービングが発動する。余りに速くて防ぎきれないこともあるが、落ち着いて対処すればある程度は失点を防げるはずだ。動体視力と反射神経が求められる面白いシステムである。うまくいけば6本シュートを打たれても無失点で抑えられるし、失敗すれば4本打たれてすべてゴールに入ってしまうこともある。場合によってはメガストライク1つであっさり逆転するということも可能で、かなり緊張感あふれるプレイが展開するだろう。
1本のシュートで最大6点入ってしまうというメガストライクは、本作のアンリアル要素の最たる例だ。それだけの必殺シュートなので、シュート時のキャラのエフェクトもかなりド派手。炎が燃え盛ったり、キラキラと輝いたり、視覚的に楽しませてくれる。ただ残念なのがメガストライクのエフェクト画面が各キャラごとに決まっているということ。同じキャプテンでプレイし何度も観ていると若干飽きるのは否めず、個人的には何パターンかのバリエーションがあればよかったなと惜しく感じた。
キャプテンにはメガストライクがあり、そしてサイドキッカーにはスーパーシュートがある。これは前作になかった要素で、サイドキッカーはキャラごとにテクニカルタイプ、ディフェンスタイプなどのタイプがあるほかに、固有のスーパーシュートを持っているのだ。相手陣地サイドでBボタンの長押しに成功した場合に発動するシュートで、メガストライクほどの派手さや同時に6点などの豪快さはないが、通常のシュートよりも強力であることは確実。敵のスキを縫ってうまく決めればしっかりと1点をもぎとることができるだろう。
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