チャージで繰り出せメガストライク！ ド派手に遊べるマリオのサッカー：「マリオストライカーズ チャージド」レビュー（3/3 ページ）

Wiiで発売された「マリオストライカーズ チャージド」は、おなじみのマリオたちがフィールドせましと暴れ回るファイティングサッカーゲーム。手軽にできるオンライン対戦も魅力な、マリオならではの熱く激しいサッカーが楽しめる一作だ。

[仗桐安，ITmedia]

　近くに友人がいなくても、お手軽に遠くの友人やどこかの誰かと対戦できるのがニンテンドーWi-Fiコネクション。Wii本体がちゃんとWi-Fiにつながっていれば、驚くほど簡単にオンライン対戦ができる。筆者の通信環境はおおむね良好だったが、対戦相手によっては若干ラグが発生することがあり、やきもきしたこともあった。フレンド登録を行った友人とのフレンドバトルも可能だが、やはりオンラインの醍醐味としてランダムに誰かと戦ってみたいもの。そこで選択したいのがランキングバトルだ。

　ランキングバトルでは、ランダムに選ばれた相手との試合で2本先取すれば勝利することができる。ひとりでバトルとふたりでバトルが用意されており、2人のプレーヤー同士によるタッグマッチも実現している。7日間1シーズンとし、その間のポイントがランキングに反映されるので試合にも自ずと熱が入る。面白いのは自分にせよ相手にせよMiiを選択して自分のアイコンにできるという点。この人どんな人だろ…とMiiから想像しつつプレイできたりしてしまうのだ。

接続状況が☆で表示されるのは親切な機能だ

ランキングバトルでポイントをゲットし、上位入賞を目指そう

コレクションルームでは手に入れたカップやキャプテンカードを閲覧できる

　また、オンライン対戦の常として「勝ちそうになったときに相手が切断してきたらどうしよう……」という不安はつきもの。本作では試合の途中で自分から切断した場合にペナルティが与えられ、ポイントが減点されるという仕様になっているので、そのあたりの対策がないタイトルよりは安心だと言える。正々堂々と戦ってランキング上位に名を連ねたいものだ。とは言え何度かオンラインで誰かと対戦してみた筆者は、こてんぱんにやられてばかり……。うまい人のプレイは観ていて勉強にもなるし刺激にもなるので面白いが、達人への道は遠く険しそうだ。

ド派手で楽しい、マリオ味に味付けられたファイティングサッカー

　ここまで読んでいただけば、本作のシステムがいかにサッカーそのものから逸脱しているかが分かるだろう。ワンシュートで6点入る、フィールドでマグマが噴火する、こうらを投げてオジャマするなどの要素は本作独自のゲーム的な要素だ。Bボタンでチャージすればするほど強力な技が出せるが、チャージすればするほど敵に妨害される確率も上がるという駆け引きも本来のサッカーにはない独自性を持っている。しかし、パスをつないだりフェイントをかけてフィールドを駆け抜ける感覚や、ボールを持つ敵にスライディングしてボールを奪う感覚など、細かいところでちゃんとサッカーだったりもする。

　リアルなサッカーゲームを求めるなら他にいくらでもその要求に応えるタイトルがあるが、本作で味わえる楽しさは本作でしか味わえない。クセはあるが、ハマれば楽しい。そんなオリジナリティあふれるサッカーゲームだと思ってほしい。また本作の魅力は、最大4人でプレイできる点と、手軽にプレイできるニンテンドーWi-Fiコネクションにあるように思う。1人で黙々とやっても楽しいが、4人でやったり、知らないタッグと2対2でやるとなれば面白さは確実に倍増だ。実力が伯仲していればさらにヒートアップして白熱した試合を体験することができるだろう。

　また、マリオをはじめとした各キャラの魅力による安心感というのもある。メガストライクのエフェクトにもキャラごとの個性があり楽しいし、試合が始まる前の登場シーンもキャラごとに凝っていてにぎやかだ。システム自体に何でもありのお祭り的なノリがあり、パーティーゲームとしても十分機能するだろう。簡単にド派手な技が出るので、マリオは好きだけどサッカーにはうとくて……という人でもとっつきやすく楽しめるはずだ。

　総じて、従来のマリオがやってきたゴルフやテニスやベースボールと比べても遜色なく、絶妙にマリオ味に味付けられた痛快なファイティングサッカーが楽しめる作品に仕上がっている。オンライン対戦が楽しいので、自宅のWiiがニンテンドーWi-Fiコネクションにつながっている人には特にオススメしておきたい一作だ。

各キャラの登場シーンはホームとアウェイで異なる。試合に向けてテンションが高まる演出だ

（C） 2007 Nintendo