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レトロゲーム・アワード受賞! 「スーパーマリオブラザーズ」ゲイムマンの「レトロゲームが大好きだ」(1/3 ページ)

国内で681万本、世界で4024万本。現在でもWii・バーチャルコンソールでの、ダウンロード販売が絶好調。今回は、「レトロゲーム・アワード2007」で大賞を受賞した、「スーパーマリオブラザーズ」を取り上げます。

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まさか宮本茂さんに会えるとは思わなかった

 9月22日、東京ゲームショウのイベントステージで行なわれた「レトロゲーム・アワード2007」にご来場くださった皆様、本当にありがとうございます。

 会場のキャパシティを超えるほど、多くのお客さんにお越しいただきました。見づらかった方、見られなかった方、どうもすみません。

 それにしても、まさか宮本茂さんが来てくださるとは思いませんでした。

 そもそも、ネット投票での獲得票数が圧倒的にトップだったので、「スーパーマリオブラザーズ」が大賞になることが先に決まっていたのです。でも任天堂の方が授賞式に来てくれるかどうか分からなかったので、台本には「任天堂の方が来ないバージョン」もあったのです。

 それが直前になって、まさかの宮本さんご本人登場決定。わたしもびっくりしました。

 (20年前の)最優秀新人賞の小島秀夫さんに、「魔界村」(カプコン)を制作された藤原得郎さん、そしてゲーム秘宝館・殿堂入りソフト(「たけしの挑戦状」)でもタイトーの豊田さんが登壇されて、思っていた以上に豪華なイベントになったのでした。

 わたしは、こんな大きなイベントに参加するのはもちろん初めてで、1週間前からお腹がゴロゴロ鳴るくらい緊張してました。当日は、自分では緊張は収まったと思ってたのですが、ITmedia +D Gamesの記事を読むと、痛々しいくらいアガってたようで。

 「20年前はゲームを表彰する制度がなかったじゃないですか。日本ゲーム大賞もなかったですし、その司会をしていた伊集院光さんが、まだ三遊亭楽大だった頃ですよ」と言おうと思ったら、いきなり「三遊亭楽大」から言っちゃって、その後しどろもどろになるような場面も確かにありましたが。

 さて今回取り上げるゲームは、大賞の「スーパーマリオブラザーズ」(任天堂)です。

 「レトロゲーム・アワード2007」での宮本さんのコメントによると、当時任天堂では、自社ソフトの供給をROMカートリッジからディスクにすべて移行する計画で、ROMの集大成として作られたのが「スーパーマリオブラザーズ」だったそうです。

 また、このゲームの開発と同時に、ディスク用ソフト第1弾の「ゼルダの伝説」も開発されていたそうです。

 今とはゲームの開発体制が違うとはいえ、後々まで語り継がれる大作ソフト2本が、同時に同じスタッフの手で制作されていたというのは驚きです。

画像 東京ゲームショウ最終日、9月23日に撮った1枚。レトロゲーム・アワード2007が終わって、すっかり気が抜けた表情のゲイムマン
画像 ワールド1・エリア1の頭に出てくるクリボーは、多分世界一多くのプレイヤーにやっつけられた敵キャラクター
画像 ゴールした時点で、タイムの末尾が1、3、6だと、その数字と同じ数だけ花火が上がり、1発につき500点入る

ファミコンゲームの常識を変えた「スーパーマリオブラザーズ」

 「スーパーマリオブラザーズ」(任天堂)は、1985年に発売されたアクションゲーム。ファミコン最大のヒット作で、国内だけでも681万本、海外を含めると4024万本という、とんでもない出荷本数を記録した。

 「ドンキーコング」や「マリオブラザーズ」で大活躍したマリオが主人公。マリオを操作し、敵を踏みつけたり、床下からパンチしたりして倒しながら右へと進み、さらわれたピーチ姫を救いに向かう。

 当時のファミコンでは、4ステージくらいでループするアクションゲームもまだ多かった。そんな頃に出た「スーパーマリオブラザーズ」は、8ワールド×4エリア、合計32ものステージで構成されている。

 しかも、ただステージ数が多いだけではなくて、各ステージが長く、そして内容が充実していた。地上、水中、空中、城の中など、ステージのバリエーションも豊富で、敵キャラクターも個性に富んでいた。

 これだけ濃い内容なのに、データ容量はわずか320キロビット、つまり40キロバイトということに驚く。今の携帯電話のゲームだって、短いものでも150キロバイトくらいはある。

画像 水中ステージでは、マリオはAボタンで上昇、何もしないとゆっくり下降していく。敵はファイアボールでのみ倒せる
画像 空中ステージでは足場に注意。画面の外に落ちてしまうと、スーパーマリオでもファイアマリオでも即座に残り人数が減る
画像 城内ではバブルやファイアバーに加え、落ちたら一発アウトの穴や溶岩も多く、高度なテクニックが要求される

 「スーパーマリオブラザーズ」のヒットにより、その後のファミコンゲームの内容は大きく変化した。短いステージが繰り返される、エンディングのないゲームは影を潜め、ステージ数の多さと長さを売りにしたゲームが、多数登場するようになる。

(翌1986年の、ディスクシステムの出現で、使えるデータ量が増大したことも影響している)

 でもそれらのゲームの中には、ただステージ数が多いだけとか、ただ各ステージが長いだけというゲームもいくつかあった。

 さらに、長い上に途中のデータセーブや、コンティニューができないアクションゲームが多かった。こういうゲームは、スーパーファミコンの時代まで存在した。高橋名人に「ゲームは1日1時間」と言われても、それではクリア不可能なゲームが多かったのだ。

画像 これが1-2にあるワープ土管。ワールド2〜4へワープできる。ちなみにゲームオーバーになっても、Aボタンを押しながらスタートボタンを押せば、そのワールドのエリア1から再開できる

 その点「スーパーマリオブラザーズ」では、ワープのできる土管を設けたことで、長時間プレイを強いられることを回避している。

 ワールド1のエリア2で、リフトから天井の上に乗り、まっすぐ進めばワープ土管出現。ワールド2〜4に移動できる。

 さらにワールド4のエリア2では、同じ方法でワールド5にワープできるし、隠しブロックを発見できれば、ワールド6〜8へのワープ土管にも行ける。

 つまり、1-1、1-2、4-1、4-2の4ステージだけプレイすれば、最後のワールド8まで進むことができるのだ(そこから先が大変ではあるけれど)。

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