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列車を降りたら100画面分の広い島「チャレンジャー」ゲイムマンの「レトロゲームが大好きだ」(1/3 ページ)

今回は「チャレンジャー」(ハドソン)を取り上げてみました。列車に飛び乗るシーン1と、広大な島を巡るシーン2。まったく違うゲームシステムが共存していたゲームです。Wiiのバーチャルコンソールにも登場しています。

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メタモルフォセスください

画像 上野公園にて。後ろの建物は、ル・コルビュジエが設計した国立西洋美術館。世界遺産候補

 今回は上野にやってきた。

 かつて東北・北陸方面へのターミナルだった上野駅。今ではその機能の多くを東京駅などに譲っているものの、常磐線は現在も上野始発・終着だ。

 その常磐線を走る特急、フレッシュひたちに使われているのがE653系電車。1997年に登場し、2007年で10周年を迎えた。

 登場時は斬新なデザインだったこの車両だが、わたしはどこかでこれに似た車両を、見たことがあるような気がしていた。

 最近気づいたが、「チャレンジャー」(ハドソン)の1面(シーン1)に出てくる、メタモルフォセス号にそっくりなのだ。

画像 上野駅に停車中のE653系。すその色は編成ごとに異なるが、偶然にもメタモルフォセス号に似たピンク色の車両を撮影できた
画像 こちらが「チャレンジャー」のメタモルフォセス号。国鉄がJRになる前のゲームとは思えない斬新なデザインだ

 「チャレンジャー」が発売されたのは1985年で、もちろんE653系はまだなかった。メタモルフォセス号の先頭部に、運転士がいないことから察するに、モデルとなったのは名古屋鉄道のパノラマカーか、小田急ロマンスカーのNSEかLSEと思われる(ロマンスカーと違って連接構造ではないが)。

 ただ、どれも架線の下を通る電車なので、チャレンジャーのように屋根に飛び乗ると、感電の危険がある。よい子は絶対にまねしないように(いや、そもそも、走ってる列車の屋根に乗ること自体が非常に危険だけど)。

 わたしが「チャレンジャー」の画面を初めて見たのは、確かテレビ東京の「おはようスタジオ」。当時レギュラーだった高橋名人が紹介していたそのゲーム画面には、疾走する列車の屋根に飛び乗って敵と戦う、主人公の姿が映っていた。

 画面の3分の1を占める大きさの列車が動くというのは当時、非常にインパクトがあった。そしてその列車の上で戦うという、映画のようなアクロバチックな設定。色づかいの明るさも印象的。

 さらに、列車の先頭にある展望室には、助けを求める女性と、悪の親玉。当時は「スパルタンX」、「ドルアーガの塔」、「スーパーマリオブラザーズ」など、さらわれた女性を救うゲームがいくつか登場したが、このシチュエーションは個人的にかなり好きだった。(その頃からこういうラブロマンスっぽいのが好きだったのに、なぜいまだに彼女ができないのかと思うと哀しくなる)

 あとは、軽快なBGMもすごく印象に残っている。クラシックの曲(シューベルトの「軍隊行進曲」)がベースになっていることは、後から知った。

画像 列車内では、キャラクターがちゃんと車体の陰に隠れる。初期のファミコンでこの表現ができる技術力はすごい

 高橋名人のブログによると、シーン1だけは「暴走特急SOS」というPCゲームからの移植だそうだ。だからシーン2以降とは雰囲気が違ったのかもしれない。

 ちなみに、「おはようスタジオ」の司会・志賀正浩さんは、後に「ファミっ子大作戦」、「ファミっ子大集合」の司会も務めた。また、映画「GAME KING 高橋名人VS毛利名人 激突!大決戦」に、進行役として出演。ここでも高橋名人と共演している。

難易度レベル1がすごく難しい

 これだけ印象に残っているゲームでありながら、わたしは当時ファミコンを持っていなかったので、このゲームを買うのは、かなり後のことになる。

 で、買ってみた。プレイしてみた。でも全然進めなかった。

 「チャレンジャー」では、難易度が16段階で調整できる。わたしは最も簡単なレベルでプレイしたのだが、ナイフが敵にまったく効かず、シーン2で敵に囲まれて、ゲームオーバーになってしまっていたのだ。

 実は、最も簡単なレベルにすると、ナイフの通用しない火の玉「タマ」しか出てこなくなる。通常のレベルなら、敵を倒すことで出てくるアイテムの力で、タマも倒せるようになるのだが、簡単なレベルではこのアイテムを出すのがほぼ不可能となるため、タマからは逃げるしかない。

 当時はそんなことなど知らなかったわたしは、「簡単なレベルでこの調子なら、その上のレベルは相当難しいだろう」と思い込み、以来このゲームを長いことほったらかしにしていた。

 再プレイする気になったのは、「ゲームセンターCX」の本(第2巻)を読んで、攻略法を知ったから。番組の方でも有野さんが挑戦していたらしいが、その頃わたしは番組自体を知らなかったし、この回はDVDにも収録されていないので、映像の方は残念ながら見ていない。

画像 タイトル画面で難易度調整が可能。緑のバーが長いほど難易度が高くなる
画像 最も簡単なレベルのシーン1。タマ以外の敵は出てこないので、連結部分をジャンプするだけで最後尾まで行ける

 「チャレンジャー」は、全4ステージ(シーン)から成るアクションゲーム。悪の秘密組織ブラッディワッカーの首領、ドン・ワルドラドにさらわれた、ロスマリー国の王女・マリアを救うため、考古学者のチャレンジャー(これが彼の名前である)が、ブラッディワッカーの妨害を乗り越え、マリアの捕えられているプレシオドランドのピラミッドを目指す。

 全4ステージのアクションゲームという点は「ドンキーコング」(任天堂)みたいだが、ゲームシステムはまったく違う。というのも「チャレンジャー」の4つのシーンは、それぞれ異なるシステムのゲームになっているのだ。

 まずシーン1は、横スクロールアクションゲーム。前述のとおり、列車の屋根に乗って、敵をジャンプでよけたりナイフで倒したりしながら進む。

 最後尾の車両から車内へ入り、先頭車両へ。そこにはマリアとドン・ワルドラドがいるが、ドン・ワルドラドは列車の2両めから後ろを切り離した上、連結面にチャレンジャーを追い込んで、外へ放り出してしまう。

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