Wiiでチョコボと大冒険! 10年目の不思議なダンジョンは時を忘れてやり込める:「チョコボの不思議なダンジョン 時忘れの迷宮」レビュー(2/3 ページ)
Wiiで始まる新たなチョコボの冒険は、ボリューム満点、遊び心満載の楽しくも不思議なダンジョンRPGだ。ギサールの野菜をもりもり食べてダンジョンの奥深くまでもぐっていこう!
クラコン推奨! 横持ちもOK! Wiiでも熱い不思議なダンジョン
本作の本編パートはWiiリモコンのポインティング機能を使うことなく操作ができ、プレーヤーにはWiiリモコン縦持ち、Wiiリモコン横持ち、クラシックコントローラという3つの選択肢が与えられている。
いずれも試してみた結果、断然オススメなのはクラシックコントローラによる操作だ。単純な話、Wiiリモコンと比べた場合にボタンの数が段違いに多いので、各ボタンにいろんなことが割り振られており、ボタン1つでショートカットできるようになっている。元々の「不思議のダンジョン」シリーズが、メニューを開いてアイテムを使ったり、飛び道具を投げたり、斜め移動をしたりなど、特殊な操作を頻繁に使用するタイプのゲームなので、当然と言えば当然の結果だ。
クラシックコントローラは、バーチャルコンソールやニンテンドーゲームキューブのタイトルをプレイする際にも活躍する何かと便利なコントローラである。しかし、本体に付属していない別売の周辺機器なので、所持していないというユーザーもわりといるのではないだろうか。クラシックコントローラを所持していない場合はWiiリモコンの縦持ちか横持ちという選択肢を迫られるわけだが、これに関してはハッキリ言って横持ちを勧めておきたい。
縦持ちの場合、ボタンの少なさをカバーすべく「-」ボタンと「1」ボタン同時押しでアイテムを表示する、などのショートカットが存在するのだが、これが何とも押しにくい。ポインティング機能を使わない以上は、両手でWiiリモコンをかかえて縦に持ってプレイする必要はないのだ。横持ちの場合もボタンの数は同じなのでさまざまなショートカットが用意されているが、横持ちだとAボタンと「2」ボタン、など押しやすい組み合わせが多い。何よりも従来のコントローラに似た感覚で、左側に移動のための十字ボタンがある安心感がある。また、クラシックコントローラになくWiiリモコン操作の場合に独特なのが、Wiiリモコンを振ることでアイテム整理ができるという点。まめに整理をした方が冒険しやすいので、このお手軽な操作は非常に好印象かつ楽しかった。
さて。実際の冒険はどんな流れで進むのか。前述したようにラファエロの力でダンジョン化した街の人々の記憶(記憶の迷宮)にもぐり、入るたびに地形が変わるダンジョンで最終フロアに到達することで、記憶のかけら(ジグソーパズルのピースの形をしている)を入手できる。記憶のかけらを手に入れることで物語は展開し、チョコボが街の中でできることも少しずつ増えていく。最終フロアが何階なのかはダンジョンによって異なり、最終フロア直前では一際巨大なボスキャラと対決するケースが多い。
シリーズ前2作や「不思議のダンジョン」ファンにはおなじみの独特のルール(ターン制のバトル、ツメやクラの装備、満腹度とHPの相関関係)が本作にも存在するが、初めてプレイする人でも最初のダンジョンから順にクリアしていけば自然と理解できるようになっている。チュートリアル的なダンジョンからスタートし、中級、上級のテクニックを教えてくれるキャラクターもいるので、新規プレーヤーもすんなり入り込めることと思う。
ダンジョン内で敵を倒すことでチョコボの経験値が上がり、一般的なRPGと同様にレベルが上がっていく。レベルが上がれば冒険が楽になるのはRPGの常だ。また、ダンジョン内でHPが0になってしまった場合、所持していたお金やアイテムが失われるが、装備品だけはなくならない。
元々「不思議のダンジョン」シリーズでは、“ダンジョンで倒れたらレベルが1に戻り、持っていたお金やアイテムはすべて失う。だからこそプレイに緊張感が生まれる”というのが売りだった。その要素を愛好するファンからすれば、本作の仕様は「ぬるい」と評されてしまうかもしれない。しかし、レベルやアイテムが維持されてもダンジョンの緊張感は楽しめるようになっているし、物語が進めば「アイテム、お金持ち込み禁止」や「レベル1縛り」などのシビアなファンもうなるダンジョンが登場するので、ぜひコアな「不思議のダンジョン」ファンにもプレイしていただきたいところだ。
ジョブチェンジで見た目も能力もさまがわり
本作ならではの面白い要素が「ジョブチェンジ」だ。ジョブチェンジといえば「ファイナルファンタジー」シリーズではおなじみだが、本作ではチョコボがいろんなジョブを駆使してダンジョンを攻略していく。すっぴん(何もジョブがない状態)、ナイト、白魔道士、黒魔道士、忍者など約10種類のジョブが用意されており、それぞれのジョブごとにアビリティがある。
倒された敵がたまに落としていくジョブポイントを集めるとジョブLV(レベル)が上がり新たなアビリティが使えるようになる。ナイトならパワースラッシュ(吹き飛ばし効果のついた攻撃)、白魔道士ならもちろんケアル(HP回復)、黒魔道士ならファイアやサンダー(間接攻撃魔法)など、「ファイナルファンタジー」シリーズでなじみのアビリティを習得するのだ。アビリティはSP(スペシャルポイント)を消費して繰り出すので乱発はできない。ここぞというところで使っていこう。
なお、ジョブについてはダンジョンに入るたびに選択できるので、ダンジョンの特性を見極めて攻略しやすいジョブで冒険をする、ということが可能。途中で倒れたりして何度も同じダンジョンに挑む場合は、ジョブを変えることであっさりクリアできたりすることもある。ジョブを切り替えればチョコボの見た目も変わるのが何とも楽しい。
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