家の中にゲレンデがひろがる！ Wiiだからこそ実現した新感覚のスキーゲーム：「ファミリースキー」レビュー（2/3 ページ）

「ファミリースキー」は、Wiiならではの操作方法で、とっつきやすくやり込める楽しいスポーツゲームに仕上がっている。仕事が忙しくて今年はスキーやスノボに行けないや……。そんなウィンタースポーツファンにぜひやってほしい、スキーゲームの真打ちの登場だ。

[仗桐安，ITmedia]

自由に滑るもよし、競技に打ち込むもよし　何でもありの箱庭スキー場

Miiで登録すれば、自分がスキー場に行ったような気になれる（？）

　本作をプレイする際は、まずスキーヤー登録をする必要がある。あらかじめ用意されたリストの中からプレイヤーキャラを選択することもできるが、Wiiの中に入っているMiiをプレイヤーキャラの顔として選ぶことも可能。自分そっくりのMiiでプレイする方が断然盛り上がるはずだが、Miiを選択した場合は“ぼうし”と“ゴーグル”を装着できないのでご注意いただきたい。

　プレイヤーキャラが決まったら、あとはウェアとスキー板を選択して登録終了だ。ウェアやスキー板はプレイの進行に伴ってスキーショップで新しいものが手に入るようになる。

　スキースクールで一通りの操作を覚えたらゲレンデデビューしてみよう。“じゆうにすべる”を選択して、滑りたい時間帯を昼と夜から選択して、スタート地点を決めたらレッツスキー（ちなみに、昼夜は初めてのプレイでは選択できない。2回目以降に選択可能。また初めてのプレイではラビットロードからのスタート）。最大4人まで同時にプレイ可能だが、2人プレイであれば画面を縦2分割、3人プレイ、4人プレイであれば画面を4分割となるので、小さいテレビでは多少手狭に感じるかもしれない。ある程度画面の大きなテレビであれば4人がそれぞれ快適に楽しむことができるだろう。

昼と夜では印象がガラリと変わる。夜にはふもとで花火が上がったりしているので、思わず見とれてしまうかも

　本作はスポーツゲームにして箱庭ゲームでもある。箱庭の中のように有限ではあるけどもしっかりと作られた世界が存在し、その世界の中であれば自由にどこまでも行けるし、ゲームのルールの中で（本作であれば、あくまでも自分がスキーヤーであるという範囲で）何をやってもいいという自由度の高さが大きな魅力のひとつだ。

　ハッピースキーリゾートという架空のスキー場が、本作の中に存在する。このスキー場はかなり広く、大きな雪山とそこに作られたスキー場がまるごと表現されていると言っても過言ではない。自分以外のスキープレイヤー（もちろんNPC＝ノンプレイヤーキャラクターだ）も多く存在し、コースの途中で初心者が講習を受けていたり、上級者がさっそうと滑っていたり、彼らにぶつかることでちゃんとリアクションがあったりもする。全部で13コースあるのだが、初心者用のラビットロード、細くてクネクネしているスネークパス、アイスバーンで覆われたシャークスキン、モーグル用に作られたキャメルパンプなど、それぞれが個性的、特徴的で楽しいものばかりだ。

13あるコースには、それぞれ動物の名前がついている。プレイヤーは好きなところから滑ることができる。難所を滑って転んでもケガしたり骨折したりということがないのがゲームの良さ

どのコースを攻めるかは気分次第でOK

いろんな人がそれぞれ自分のペースで滑ったり、しゃべったり、ラブラブだったりしているのだ。スキーそっちのけで人間観察してみるのも面白いかも

　コースからコースへの移動は滑りながら移動してつながって行けるところもあるし、リフトで登ることで行けるようになるところもある。リフトはハッピースキーリゾート内の各地に点在し、無料で使い放題だ。

　このリフトに乗っての移動というのがまた何とも言えず楽しい。リフトに乗っている画面はスキップすることもできるが、まずはゆったりとした気持ちで周りの景色を見ていただきたい。箱庭の中で息づく雪山の景色はリフトごとに異なり、あたかもスキー場に来たかのような感覚が味わえるはずだ。

　プレイ中に流れる曲の数々も絶妙にすばらしい。松任谷由美さんの名曲やバンダイナムコゲームスの人気タイトル「もじぴったん」のテーマなどが流れるのだが、その音質はスキー場のスピーカーから流れる、少しこもった感じ、少し遠くから聞こえる感じをちゃんと再現しているのだ。初めてプレイした時には「うわ〜、これスキー場だわ〜」と思わず声が漏れてしまった筆者であった。この細かい作りこみは、きっとスキーが大好きな人が作ったに違いない！　スキー場っぽいBGMでリフトに乗っているだけでもニヤけてくるというものだ。

リフトに向かってゴーゴゴー。いくら乗ってもタダですよ

リフトからの景色を見てると「あ〜、スキー場っていいな〜」と思ってしまいます