千原兄はこうして大人になりました――「スペースインベーダーエクストリーム」発売記念イベント

タイトーは2月21日、「スペースインベーダーエクストリーム」の発売記念イベントをお笑いの千原せいじさんを招いて開催した。ほかにも、インベーダーの生みの親である西角友宏氏も登壇し、当時を振り返った。

» 2008年02月21日 21時30分 公開
[ITmedia]
千原せいじさんにとって「スペースインベーダー」は強烈に残る思い出だったようだ

 今年、生誕30周年を迎えた「スペースインベーダー」は、ニンテンドーDS/PSP用ソフト「SPACE INVADERS EXTREME」(スペースインベーダーエクストリーム)として生まれ変わった。

advertisement

 インベーダーの個性的なデザインをそのままに、「バックグラウンドムービー」と「インタラクティブサウンド」を取り入れ、さらに初代のルールに「ラウンド」や「フィーバー」といった新たなシステムを加えることで、スピード感や爽快性を大幅にパワーアップしている。

 発売当日の2月21日、ソフマップ秋葉原アミューズメント館のイベントホールにおいて開催された発売記念イベントには、お笑いの千原せいじさんと「スペースインベーダー」を開発した西角友宏氏が招かれ、当時の思い出を振り返った。

 「スペースインベーダー」は、1978年に発売したアーケードゲームで、世界的に大ヒットし社会現象にまでなった。各地にゲームセンターやインベーダー喫茶店が乱立し、全国の100円玉が不足するほどだった。当時、多感な少年時代を送っていた千原さんも、「スペースインベーダー」にははまり、足しげくゲームセンターに通ったと当時を振り返る。

 「当時は悪そうなのがたまっていたりしましたけど、今のゲーム(市場)のパイオニアになってますから、すごいですよね。当時はよくカツアゲされて心の傷を受けたもんですが、いろいろ学ばせてもらいました。悪いこともたくさんやりまして、今みたいにちゃんとした筐体じゃないんで、いろいろタダでできる方法とかあったわけです。小学生が1日中遊んでいれば、なにか(不正を)しているってバレますわな。アホだからすぐ捕まる。こうして大人になっていくわけです(笑)。だんだんうまくなると、不良のお姉さんに『ボク、うまいのね』なんて声かけてもらって……こうして大人になっていくわけです」(千原さん)

 意味も分からず「名古屋撃ち」(※)をやっていたと千原さん。カラーモニターが高価な時代だったため、画面にカラーセロファンを貼って色をつけていたことなど、当時を懐かしんでいた。

advertisement
西角氏は「スペースインベーダー」の前、「スピードレース」や「ウエスタンガン」などを手がけた

 ここで、「スペースインベーダー」開発者の西角友宏氏も加わり、開発者視点での思い出話に華が咲く。ほとんど1人で開発に携わった西角氏は、開発期間の1年ほどの大半を、開発するためのツールづくりに終始したと語る。ペンデバイスの原型のようなものを作ったりと、その製作期間中に構想を練っていたのだそうだ。こうして完成した「スペースインベーダー」だったが、上層部の反応は悪かったと振り返る。

 当時は「ブロックくずし」など、相手からの攻撃などはなく、「スペースインベーダー」は難しすぎたのだ。西角氏は、従来の概念にないものだからこそ反応が鈍くなるのが会社の常と割り切っていた。しかし、その従来の概念にないものがウケたのか、発売1カ月もしないうちに注文がひっきりなしになる。千原氏の叔父も、「スペースインベーダー」の筐体をレンタルしてマージンをもらう仕事をしており、それが商売になっていた時代だったと、その爆発的なヒットを肌で感じていたと補足する。


あれから30年、大ヒットしていながら、一介のサラリーマンだった西角氏は、パテントなど取得しておらず、特に恩恵は受けていないと知った千原さんは、さかんに民事で裁判すりゃいいのにと勧める

 「スペースインベーダー」は映画「宇宙戦争」のイメージそのままに、キャラクターが生まれた。宇宙戦争の火星人はタコ型であり、だからインベーダーの形はタコやイカやカニを模しているのだとか。当時は誰が開発したのかも伏せられていただけに、アメリカのゲームだとかいろんな憶測が飛んだほどだった。

advertisement

 実は西角氏、「スペースインベーダー」ではなく「スペースモンスター」として発売しようとしていた。しかし、発売2週間前にトップダウンで「スペースインベーダー」に変更された経緯がある。イベントでは、いまだに根に持っているので、名前にしっくりきておらず、「スペースインベーダー」自体好きになれないと衝撃の告白も飛び出した。

 西角氏は最近のゲームについて、「ハードウェアの進歩で(グラフィックなど)向上しているが、ゲーム性が乏しくなっているように思う。既成概念にとらわれずに面白いものを作ってもらいたい」と、小さくまとまらないようにと、昨今の同じようなゲームしか制作されない現状に警鐘を鳴らす。

イベントではディレクターのアオキヒロシ氏も登場し、ニンテンドーDS版のデモンストレーションが行われた。千原さんもPSP版に挑戦し、アオキ氏や会場の参加者との対戦に興じた
(※)名古屋撃ち:インベーダーの攻撃が1キャラクター分離れたところから発射していることを利用し、インベーダーと隣接しインベーダーの攻撃が当たらない状態で、攻撃する方法。なぜ名古屋撃ちなのか、確かなことは分かっていないらしい
「SPACE INVADERS EXTREME」(スペースインベーダーエクストリーム)
対応機種ニンテンドーDS/PSP
ジャンルシューティング
発売日2008年2月21日
価格(税込)3990円
プレイ人数1~2人
(C)TAITO CORP.1978,2007

Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.

昨日の総合アクセスTOP10
  1. /nl/articles/2412/14/news019.jpg ズカズカ家に入ってきたぼっちの子猫→妙になれなれしいので、風呂に入れてみると…… 思わず腰を抜かす事態に「たまらんw」「この子は賢い」
  2. /nl/articles/2412/10/news133.jpg 「タダでもいいレベル」 ハードオフで1100円で売られていた“まさかのジャンク品”→修理すると…… 執念の復活劇に「すごすぎる」
  3. /nl/articles/2412/12/news089.jpg フォークに“毛糸”を巻き付けていくと…… 冬にピッタリなアイテムが完成 「とってもかわいい!」と200万再生【海外】
  4. /nl/articles/2412/14/news081.jpg 「申し訳なく思っております」 ミスド「個体差ディグダ」が空前の大ヒットも…… 運営が“謝罪”した理由
  5. /nl/articles/2412/15/news031.jpg ザリガニが約3000匹いた池の水を、全部抜いてみたら…… 思わず腰が抜ける興味深い結果に「本当にすごい」「見ていて爽快」
  6. /nl/articles/2412/15/news002.jpg 毛糸でフリルをたくさん編んでいくと…… ため息がもれるほどかわいい“まるで天使”なアイテムに「一目惚れしてしまいました」「うちの子に作りたい!」
  7. /nl/articles/2412/14/news038.jpg 「釣れすぎ注意」 消波ブロック際に“カツオを巻いた仕掛け”を落としたら…… 驚きの結果に「これはオモロい!!」「こんなにとは」
  8. /nl/articles/2412/14/news063.jpg 鮮魚スーパーで特価品になっていたイセエビを連れ帰り、水槽に入れたら…… 想定外の結果と2日後の光景に「泣けます」「おもしろすぎ」
  9. /nl/articles/2412/14/news002.jpg 【今日の難読漢字】「男衾」←何と読む?
  10. /nl/articles/2412/15/news024.jpg おじいちゃん「昔はモテた」→孫は信じていなかったが…… “今では想像できない”当時の姿が140万再生「映画スターのよう」【米】
先週の総合アクセスTOP10
  1. イモトアヤコ、購入した“圧倒的人気車”が思わぬ勘違いを招く スーパーで「後ろから警備員さんが」
  2. 母親から届いた「もち」の仕送り方法が秀逸 まさかの梱包アイデアに「この発想は無かった」と称賛 投稿者にその後を聞いた
  3. パパに抱っこされている娘→11年後…… 同じ場所&ポーズで撮影した“現在の姿”が「泣ける」「すてき」と反響
  4. 高校生のときに付き合い始めた2人→10年後…… 現在の姿に「めっちゃキュンってした」「まるで映画の世界」と1000万表示突破
  5. 大谷翔平の妻・真美子さん、ZARA「8000円ニット」を着用? 「似合ってる」「シンプルで華やか」
  6. 新幹線で「高級ウイスキー」を注文→“予想外のサイズ”に仰天 「むしろすげえ」「家に飾りたい」 投稿者に感想を聞いた
  7. 高校生時代に父と撮った写真を、29年後に再現したら……再生数1000万回超えの反響 さらに2年後の現在は、投稿者に話を聞いた
  8. 散歩中、急にテンションが下がった柴犬→足元を見てみると…… 「そんなことあります?」まさかの原因が860万表示「かわいそうだけどかわいい」
  9. コメダのテイクアウトで油断して“すさまじい量”になってしまった写真があるある 受け取ったその後はどうなったのか聞いた
  10. 「やめてくれ」 会社で使った“伝言メモ”にクレーム→“思わず二度見”の実物が200万表示 「頭に入ってこない」
先月の総合アクセスTOP10
  1. 「何言ったんだ」 大谷翔平が妻から受けた“まさかの仕打ち”に「世界中で真美子さんだけ」「可愛すぎて草」
  2. 「絶句」 ユニクロ新作バッグに“色移り”の報告続出…… 運営が謝罪、即販売停止に 「とてもショック」
  3. 「飼いきれなくなったからタダで持ってきなよ」と言われ飼育放棄された超大型犬を保護→ 1年後の今は…… 飼い主に聞いた
  4. アレン様、バラエティー番組「相席食堂」制作サイドからのメールに苦言 「偉そうな口調で外して等と連絡してきて、」「二度とオファーしてこないで下さぃませ」
  5. 「明らかに……」 大谷翔平の妻・真美子さんの“手腕”を米メディアが称賛 「大谷は野球に専念すべき」
  6. 「やはり……」 MVP受賞の大谷翔平、会見中の“仕草”に心配の声も 「真美子さんの視線」「動かしてない」
  7. ドクダミを手で抜かず、ハサミで切ると…… 目からウロコの検証結果が435万再生「凄い事が起こった」「逆効果だったとは」
  8. 「母はパリコレモデルで妹は……」 “日本一のイケメン高校生”グランプリ獲得者の「家族がすごすぎる」と驚がくの声
  9. 「ごめん母さん。塩20キロ届く」LINEで謝罪 → お母さんからの返信が「最高」「まじで好きw」と話題に
  10. 「真美子さんさすが」 大谷翔平夫妻がバスケ挑戦→元選手妻の“華麗な腕前”が話題 「尊すぎて鼻血」