異形が徘徊する海底都市で、生き残るために頑張ってみました:「バイオショック」レビュー(1/3 ページ)
海外初のちょっと変わったアクション・シューター「バイオショック」が、Xbox 360で登場。主人公になりきって、怖いヤツらがウヨウヨしている海底都市でアレコレ探索してみました。
たどり着いた場所は、廃墟と化した海底都市
オレの名前はジャック。飛行機にて移動中、その飛行機が墜落してしまったという世界一ツイていない男だ。いや、生き残りはオレ1人だったから、もしかしたら多少の運は残っていたかもしれない。
気がつくと、辺り一面は海だった。周囲には燃えた飛行機の残骸がプカプカと漂っている。必死こいて付近の灯台まで泳ぎ着き、これで一息つける――そう安堵したのもつかの間、どうやらここは普通の灯台ではないらしい。中には巨大な銅像とプロパガンダが描かれた垂れ幕があり、地下には謎の潜水球が鎮座している。
意を決して潜水球に乗ると、眼前に飛び込んできたのは海底に沈んだ都市だったのだ!
この都市こそ、かつて科学者や芸術家たちの楽園として栄華を誇った、海底都市「ラプチャー」だった……。
ラプチャー、それは今から14年前の1946年に、大西洋の海中に作られた海底都市だ。アトランティスだかなんとかという伝説の存在ではなく、人類の技術の結晶で作られた、最先端の技術のたまものである。だが、過激な人体実験が続き、ついには人々の自我が崩壊し、ラプチャーは崩壊への道をたどることになったのである。
潜水球に乗るジャックの耳に、2人の男の声が聞こえてきた。「灯台で飛行機が墜落したようだ……」なんて会話する彼ら、どうやらラプチャーにはまだ人がいるらしい。
潜水球がたどり着いた場所は、ある大きなフロアのような場所だった。というのも、真っ暗闇でほとんど何も分からないからだ。電灯が時折光り、2人の人間のシルエットを映し出す。いや、両者とも人間というにはおぞましすぎる出で立ちだ。人間の言葉は話しているが、化け物と言った方がよさそうな外見だ。
あっけにとられていると、その人間に似た生物の1人が、もう1人を殴りつけた。それだけでは飽き足らないのか、オレが乗っている潜水球にまで攻撃を仕掛けてきやがった!
「恐縮だけど、そこの無線機を取ってくれないか?」そんな言葉が、意識を現実に引き戻す。無我夢中で横にあった無線機を手に取ると、ある男が話しかけてきた。先ほど何かしゃべっていたヤツだ。男は、名をアトラスと名乗った。どうやらオレを助けてくれるらしい。
遺伝子を書き換えて特殊能力が使えるように!
潜水球を出たオレは、恐る恐る付近を歩いてみる。そこには、「我々はおまえの奴隷ではない!」、「我々はあんたの所有物じゃない!」と書かれたプラカードが散乱している。どうやら、過去の権力者に対する住民の抗議のようにも読み取れる。何故このような抗議が起きたのか、今のオレには知る術はないが…。
頭を垂れながら歩いていると、いつの間にか目前には先ほどの化け物が。しまった、完全に油断した。切り裂かれる……!! そう思った瞬間、化け物はライトを浴びせられる。化け物は光が苦手なのか、猿のような跳躍力をオレに見せつけながら、壁を伝って上へと逃げていった。どうやらアトラスの機転で一命を取り留めたようだ。そう、アトラスはあの化け物を“スプライサー”と呼んでいたな……。
アトラスには借りができた。彼の言うとおりレンチを拾い、柱を砕いて先へと進む。再び襲ってきたスプライサーに重い一撃をお見舞いし、拾ったポテトチップで空腹感を癒しつつ、先へと進んでいく。
すると、変な自動販売機のようなものを見つけた。赤い液体と注射器が置かれており、無意識のうちにオレはその液体を自身へと注射していた。突如、全身に激しいショックが駆け抜け、両手から電撃があふれ出る。アトラスは「キミの遺伝子データが書き換えられているだけだ、大丈夫」とか言っているが、正直持ちこたえられそうにない。
気がつけば、そこは階下だった。どうやら足を踏み外して、吹き抜けから落ちたらしい。何か少女とデカい潜水服の男が見えた気もするが、あれは夢だったのだろうか。
いつのまにか、オレは左手から電撃を自在に出せるようになっていた。先ほどの注射の正体は“プラスミド”というモノで、人間の遺伝子を書き換えて特殊能力を引き起こせるモノらしい。
扉も開けられるスグレモノのプラスミド
先ほどの稲妻を、扉の壊れたスイッチへ当ててみると、扉が開いた。なるほど、これは便利な能力だ。だが、無限に使えるというわけではなく、使うたびに身体にある“EVE”が減っていくことが実感できる。ラプチャーのそこかしこに、この“EVE”を回復できる“EVE注入器”が落ちているので、これを利用させてもらおう。しかし、ラプチャーが繁栄していたときは、誰しもがこんな能力を使えるようになっていたのか……。
しかし、この電撃(エレクトロボルトというらしい)は便利だ。スプライサーに使えばヤツらは動けなくなるし、水中に打ち込めば、まとめてスプライサーを感電死させられる。とりあえず深くは考えず、こいつを脱出へと役立てることにしよう。
「わたしには家族が居るんだ。だがスプライサーに引き離されてしまった。ネプチューン・バウンティへ行って、家族を探してくれないか?」アトラスはオレにそう語る。数少ない味方だし、他に光明も見あたらない。ひとまず、彼の言うとおりに行動していくことにしよう。
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