多くの新要素をひっさげて、魔王・遠呂智(おろち)が還ってきた! 英雄たちの夢の競演ふたたび:「無双OROCHI 魔王再臨」レビュー(2/2 ページ)
PS2で「無双OROCHI」が登場したのが約1年前。前作で確かに死んだはずの遠呂智(おろち)さんが、1年の充電期間を経て復活なさいました! これは三國志世界も戦国世界もおちおち眠れません。
戦闘だって武器だって、面白い新システムが入ってるんだもん
本作の基本的な操作方法は、前作とほぼ変わらない。×ボタンでジャンプ、□ボタンで通常攻撃、△ボタンでチャージ攻撃、無双ゲージがたまった状態で○ボタンを押せば無双乱舞/無双奥義が発動する。L1ボタンでガード、R1ボタンでタイプアクション(キャラのアタッカータイプによって異なるアクションを繰り出す)、L2ボタンおよびR2ボタンでチーム内での操作キャラ切替が可能だ。
と、ここまではファンにはおなじみな操作体系だとは思うが、本作の操作システム、戦闘システムにも新要素はバッチリ盛り込まれている。今回はチーム単位でのさまざまなアクションが増えているのだ。プレイヤーキャラが攻撃を受けている時にL1ボタンを押しながら□ボタンか△ボタンを押すと、控えのキャラが“援護攻撃”をしてくれる。控えのキャラの無双ゲージが最大までたまっていなくてはならないという条件つきではあるが、ピンチを切り抜ける手段がひとつ増えたというのは心強いところだ。
そして今回の戦闘で最も注目したい新システムが“合体技”だ。体力ゲージが赤く、無双ゲージが最大になったら、L2ボタンとR2ボタンを同時に押すことで発動する。メンバー3人が画面上に総登場し、ド派手で強力な合体技を見せてくれる。操作キャラの無双ゲージをすべて消費してしまうが、それに見合うだけの必殺技だと言えよう。手強いボス戦でうまく発動できるようにプレイの匙加減を調整してみるといいかもしれない。
プレイヤーキャラが特定の条件を満たすことで発動する“戦術”も新しいシステムだ。1回の戦闘で1キャラにつき1度だけ使えるもので、号令、防柵、舞いなど複数の戦術がある。それぞれ自軍の士気が上昇したり、自軍総大将の防御力が上昇するなど、自軍に大きく影響を与えるものばかりなので、重要な要素だ。誰がどんな条件で戦術を発動させるかは、各キャラの情報画面で戦術情報を見ておけば確認できる。戦術の発動で戦を有利に進めていこう。
システム面の新要素はまだまだある。前作では武器融合(2つの武器を融合させて武器の性能を強化するシステム)があったが、本作では武器融合に加えて武器錬成ができるようになった。武器錬成とは、武器と錬成素材を合わせて特殊な錬成能力を作り出すシステム。特定の武器と錬成素材を合わせると武器は消滅してしまうが、錬成素材は残る。そして錬成能力が作り出される、という流れだ。
錬成能力は全部で15個ほどあり、それぞれに戦局を有利に運ぶための恩恵を受けることができる。例えば兵法という錬成能力を得ると、能力アップアイテムの持続時間が増加するし、湾曲を得ると受けるダメージを軽減することができる。チャージ攻撃中にジャンプができるようになる飛竜や、時間とともに少しずつ無双ゲージが回復する賦活など、性能バッチリで名前も何だかカッコいい能力が多く存在するのだ。これらを活用するための錬成素材は、プレイ中に皮袋を入手することで手に入る。錬成素材をプレイ中に獲得するには条件の達成が必要で、条件のヒントはギャラリーか各シナリオ戦前画面で確認が可能。やり込み派の人ならば、条件をチェックして各シナリオで素材を集めたくなるに違いない。
何でもありのオールスター無双で、魔王の再臨を見届けよ
基本的な“無双”の面白さについては、もはや言わずともよいだろうという判断のもと、主に前作から変更・追加された点について言及してきた。それでもあえて言わせてもらえば、武将たちが並み居る敵たちをなぎ倒しバッサバッサと斬っていく爽快感、達成感は本作でもすこぶる健在だし、前作で実現したオールスター総登場なお祭り感は、本作では前作以上のボリュームでもって、プレイヤーを楽しませてくれる。“無双”ファンならばまず「買い」の一作と言っていいだろう。
ただ、前作についても同様ではあるが、「何で呂布と信長が同じ世界にいるんだよぅ!」とか「遠呂智なんて人は史実には登場しないから、やりません!」という生粋の三國志ファン、戦国ファンもいるかと思う。それはそれ、人のこだわりは曲げられぬところなので無理は言いませぬ。そのあたりにこだわりがなく、日中の戦のエキスパートが一堂に会する“無双”祭りに少しでも興味があるのであれば、ぜひ本作を手にとってみてほしい。物語につながりがあるので、できれば前作からのプレイをオススメしたいが、本作だけプレイしても単品で十分にイケる。
自分のプレイで各武将が少しずつ経験値を得て成長していくさまは楽しいし、多彩なアクションや新たに加わった合体技など見た目にも派手で面白い。大幅に追加されたモード(特に2P対戦できるバーサスモードは新鮮だ)に武器錬成によるやり込みなど、新要素ギッシリで遊び甲斐のある“無双”に仕上がっている。遠呂智さんの復活を阻止するもよし、遠呂智さんサイドになって乱世で一暴れするもよし、多種多様なシナリオでいろいろな遊び方ができるのも大いなる魅力だ。PS2は現時点で1世代前のハードにあたるわけだが、まだまだ元気なタイトルが出てくるな、というのを本作をプレイして実感した筆者だった。
「無双OROCHI 魔王再臨」 | |
対応機種 | プレイステーション 2 |
ジャンル | タクティカルアクション |
発売日 | 2008年4月3日 |
価格(税込) | 通常版:7140円、無双OROCHI 魔王再臨 プレミアムBOX:1万290円 |
プレイ人数 | 1〜2人 |
CERO | B区分(12歳以上対象) |
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