出世指南のシリアスゲーム「太閤立志伝」:ゲイムマンの「レトロゲームが大好きだ」(2/5 ページ)
この連載ではたいがい昔のことばかり書いてますが、今回は一気に戦国時代まで飛んでみます。連載第60回は「太閤立志伝」(コーエー)。個人的に思い入れのあったゲームなんで、ゆかりの場所もあちこち回ってみました。
墨俣一夜城の築城
信長は、斎藤龍興と戦端を開くにあたり、その拠点として墨俣の地に城を築こうとした。まず柴田勝家に築城させるが、斎藤軍の攻撃に遭って失敗。信長が、次に誰かいないかと呼びかけたときに選択肢が出るので、ここで名乗りを上げれば、藤吉郎が築城を任される。
さて任されたはいいが、どうすれば斎藤軍の攻撃を防ぎながら城を築けるかが分からない。そこで前田利家の助言に従い、稲葉山の町にいた蜂須賀正勝の協力を仰ぐことにした。
ゲームでは、この築城にかかる時間は運次第で、時間がかかると斎藤側の軍勢に攻撃されてしまう。だがうまく撃退すると、秀吉の戦術レベルが上がるので、今後の剣術訓練が楽になる。
首尾よく墨俣築城に成功すれば、信頼値も一気に上がる。
清洲城に続いて、墨俣城にも行ってみた。JR岐阜駅前からバスに乗って、かなり渋滞にはまりながら進むこと30分余り。さらにバス停から歩くこと12分。墨俣一夜城に到着した。戦国時代の墨俣城より、はるかに立派な天守閣が建てられている。
景色がいい。周りは寺町で風情があるし、長良川沿いには桜の木が並ぶ。わたしが来たときにはまだ咲いていなかったが、見頃のときにはきれいだっただろう。天守閣の展望室からは、長良川の向こうに金華山が見え、山頂には岐阜城(かつて稲葉山城があった所)もかすかに見える。
また城内では、前野家古文書(武功夜話)に基づいて、墨俣築城の概要や、秀吉の生涯が解説されている。
“豊臣秀吉が墨俣に一夜で城を築いた”という話は有名だが、古い時代の文書にそうした記述がなかったため(墨俣に砦があったこと自体は「信長公記」に記述がある)、現在では「史実ではなかっただろう」という見方が大勢を占める。前野家古文書は、「太閤立志伝」にも登場する前野長康の子孫に伝わったとされる書物だが、後世の地名が記されているなど、偽書ではないかとの疑いが強く持たれている。
だが少なくとも、ゲーム「太閤立志伝」の中では、藤吉郎が短期間で墨俣に城を築き、それによって信長からの信頼を勝ち得たことは事実である。
情報収集しまくり
墨俣築城後、藤吉郎が目付に昇進すると、軍馬購入、鉄砲購入、新田開発など、いろいろな仕事を担当することができる。
軍馬購入では、町によって馬の値段が違い、また1つの町では必要な数が調達できないので、いくつもの町を回ることになる。遠くの町ほど値段が安いが、行くまでに時間がかかる。
鉄砲購入は、鍛冶屋に発注して2カ月くらいで作ってもらうのが基本だが、商人と仲良くなればただちに多くの鉄砲を調達してくれる。大和の鍛冶屋と、堺の商人ミゲルスーザには、偽物を売りつけられるので注意(ミゲルスーザは仲良くなると、まれに本物を売ってくれる場合もある)。
新田開発では、庄屋たちに伐採や耕作などの仕事を割り振るのだが、庄屋それぞれに得手不得手があり、しかも能力の高い庄屋は、藤吉郎の魅力が低いと働かない。成果を上げるのが難しい主命である。
藤吉郎が目付になったら、主命を果たし終えた後、その月の20日より前に信長に内謁すれば、新たな主命を受けることもできる。内容はある程度選べるのだが、“情報収集”がいい。これはどこかの大名に関するデータを調べてくるもので、その大名の城に近づいて情報コマンドを使えばいい。秀吉の能力が低くても実行できるので、序盤から成果が上げられる。
城はできるだけ多く調べるのがいいが、全部調べなくてもある程度の評価は得られる。次の月の評定に間に合うように動けばいい。
より万全を期すなら、大和の町にいる天海か、堺のフロイスか、厳島の安国寺恵瓊にお金を払って情報を聞く。さらに宿屋や酒場で旅人から情報を得ることもできるが、旅人がその大名の話をしてくれるとは限らない。
あとは、相手の城に入って武将から噂を聞けば完璧。ただし捕まったり斬りかかられたりすることがあるので、武力が低いなら無理しない方がいい。徳川家や、この時点での浅井家のように、織田家と友好関係にある相手の城なら危険は少ない。
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