出世指南のシリアスゲーム「太閤立志伝」:ゲイムマンの「レトロゲームが大好きだ」(4/5 ページ)
この連載ではたいがい昔のことばかり書いてますが、今回は一気に戦国時代まで飛んでみます。連載第60回は「太閤立志伝」(コーエー)。個人的に思い入れのあったゲームなんで、ゆかりの場所もあちこち回ってみました。
安土城と本能寺の変
やがて信長は、琵琶湖畔に巨大な安土城を築城する。史実では信長の居城は、清洲城から小牧山城、稲葉山城(岐阜城)を経て安土城となるが、「太閤立志伝」では、清洲城から直接安土に引っ越す。
現在、安土城址の近くには琵琶湖線(東海道本線)の線路が通り、電車から「安土城址」の文字がよく見えるが、近くに駅はない。最寄り駅は2キロほど離れた安土駅となる。
城自体は信長の死後まもなく焼失し、その後再建されていない。近くの安土城天主信長の館に、天守の上部が再現されているらしいが、わたしは時間の都合で、城址にも信長の館にも行けなかった。
このほか駅前には、安土町城郭資料館、天主タワーなど、安土城の姿を連想させる建物がある。全部合体させたら往年の安土城が完成しそうな気がする。コンバトラー安土城。
これで何事も起こらなければ、信長がそのまま天下を統一し、秀吉は最後までその家臣だっただろう。「太閤立志伝」でもそういうエンディングがある。しかし安土城完成からわずか3年後、歴史を揺るがす大事件が起こる。
本能寺の変である。
「太閤立志伝」で本能寺の変が起こるためにはいくつかの条件があるが、中でも重要なのが、“上杉、武田、毛利の城が、織田の城に隣接している”というもの。
しかしこのゲームでは、上杉家が武田家との争いに敗れ、早い段階で滅亡してしまうことが多いのだ。こうなると本能寺の変は起こらない。
今回わたしがプレイしたときも、上杉家が領土を減らしたあげく、織田領の郡上八幡城を攻撃してしまい、怒った信長に逆襲されてしまう。
長浜城の秀吉にも、上杉の城を攻めるよう命令が下る。わたしは信長の攻撃目標を上杉家から三好家に変えようと思い、上杉をほっといて三好長慶の城を落としまくった。織田家と三好家を戦闘状態に持っていこうとしたのだ。
その結果、領土が増えたことで信長からは褒められたが、上杉攻略の方針は変わらず、結局は信長自ら大部隊を繰り出して春日山城を攻撃し、上杉家は滅びてしまう。
それでも信長が関白になれば一応ゲームクリアとなるが、本能寺の変以降の画面写真が撮れなくなってしまう。スーパーファミコン版ではセーブデータが1つしか持てないので、頭からもう一度やり直すはめになってしまった。
Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.