5年目の大型アップデートで新職業“海賊”登場! まだまだ広がる「メイプルストーリー」の楽しみ:「メイプルストーリー」大型アップデート記者発表会&開発者インタビュー(1/2 ページ)
ネクソンジャパンが運営する2DアクションMMORPG「メイプルストーリー」は、サービス開始後初の大型アップデートに先駆けて記者発表会を行った。アップデートで追加されるのは新職業“海賊”。今後のアップデート予定や海外展開などについても発表される中、発表会では聞けなかったことを直撃インタビューもしてみた。
サービス開始から5年……初めて追加される新職業は“海賊”
2008年6月26日、ネクソンジャパンは、2DアクションMMORPG「メイプルストーリー」の大型アップデートを目前に控え、プレス関係者を招いた記者発表会を開催した。
まずはマーケティング部の金榮一(キム・ヨンイル)氏(以下、金氏)が「2003年8月にサービスを開始して以来、間もなく5周年を迎えます。この記念すべきタイミングに、正式サービス後、初の新規職業を追加することになりました」と挨拶した上で、「メイプルストーリー」の概要を紹介した。
「メイプルストーリー」は基本サービス無料のMMORPG。日本で初めてアイテム課金を採用し、ビジネスモデルとして成功した、と金氏。2005年12月に100万ID、2008年2月に200万IDを越え、現在220万IDというユーザー数を保持しているタイトルだ。金氏は日本のユーザーの7割が10代であり年齢層が若いこと、その他、テレビCMやアニメ作品、タイアップやグッズ展開などについて紹介・説明をした。続いて、新職業“海賊”についての紹介映像が公開され、海賊について発表が行われた。
今回の大規模アップデート後は、ヘネシスの東にノーチラス号という鯨の形をした大きな船が停泊することになる。ビクトリアアイランドを立ち去った女船長カイリンが戻ってきたという設定で海賊の物語が展開するようだ。プレイヤーは「ノーチラス号航海室」にいるNPC「カイリン」に会うことで海賊に転職できる。
海賊は、素早く動くことができ、敵に向かって銃を撃ったり、敵を一瞬にして制圧したりと、多彩な攻撃スキルと操作テクニックを楽しむことができる職業。従来の職業とは異なり、今回の海賊は4次職まで一挙に公開される。2次職以降は、個性が明確に違う2つの職業から選択することになる。海賊の2次職以降は、素早さ重視のガンスリンガー系(海賊→ガンスリンガー→ヴァイキング→キャプテン)、力重視のインファイター系(海賊→インファイター→バッカニア→バイパー)に分かれている。
ガンスリンガー系は銃器を使って主に遠距離攻撃を行う。銃に特殊効果を付与することで大きな攻撃ダメージを与えることができる職業だ。インファイター系は、戦士と盗賊の中間くらいの体力と回避力を持っており、多用なアクションと連打、コンボによる攻撃が可能で、アクション性のある操作の楽しさを味わうことができる。主に近距離攻撃と素早い攻撃が特徴で“気”を使う攻撃をするようになっていく。いずれの系統も豊富なスキルと専用武器が数多く用意されている。
- 海賊のスキル「ダッシュ」:高速移動が可能
- 海賊のスキル「ムーンサルト」:宙返りキックの技。主に2次職でインファイター系になるなら覚えておきたい
- インファイターのスキル「オーク」:タルに隠れて移動する。モンスターに見つかることもあるので油断できない
- バイパーのスキル「スーパートランスフォーム」:防御力、ジャンプ力、移動速度が上がり、専用スキルを使って攻撃できる。非常に派手で強い
- バイパーのスキル「ドラゴンストライク」:竜のエフェクトを出しながら、前方の敵を高い攻撃力で攻撃する
- ヴァイキングのスキル「トライフルファイア」:ダブルファイアのアップグレードしたスキル。一回に3発連射で攻撃できる
- キャプテンのスキル「バトルシップ」:バトルシップに乗っている時は、物理防御、魔法防御が上がり、ステータスアップ系のスキルを使用することもできる
- キャプテンのスキル「ラピッドファイア」:ラピッドファイア弾を連射する非常に強いスキル
「開発チームが自信を持って提供する完成度の非常に高いコンテンツになっています」と金氏。7月2日からプレビューサイトが公開され、7月30日にアップデートが実施される予定だ。続いて、今年の秋以降に実装予定のジパングマップ“未来の東京(仮)”が発表された。「海賊以降も喜んでいただけるコンテンツを続々追加していく予定ですので、楽しみにしていてください」と金氏は締め括った。
次に、NEXON Corp.のWizet1室・室長である蔡恩濤 (チェ・ウンド)氏(以下、蔡氏)が、“海賊”開発秘話を語った。
新規職業の開発に着手したのは2007年の4月。当初は錬金術師と召喚士というアイデアもあったが、既存の職業と重なる部分があって、現在のガンスリンガーとインファイターという職業が決まったと蔡氏。こうして2つの職業を合わせて“海賊”という職業が決まったのだそうだ。
海賊の決定以後、一番苦労したのは、キャラのモーションを決めることとアニメーションを製作しなくてはいけなかったこと。メイプルらしさを生かすのが難しかったようだ。既存とは異なるスキルを生み出すために市場調査を行い、2007年9月にスタジオテストを開始、10月にはテストサーバに追加した。職業のバランスに関するリポートが多く、これを元にして2007年12月に韓国で“海賊”が追加される運びとなった。
海賊追加後の状況について蔡氏から、韓国での海賊追加後は同時接続数の記録を更新し、7週連続最高同時接続者数20万人を記録したと報告。検索サイトで「メイプル、海賊」が1位になり、新規ワールドを海賊のアップデートに合わせて追加したにも関わらず、サーバ容量が足りなかったため、2週間後にさらに新規ワールドを追加するという大盛況ぶりだったようだ。
蔡氏は、韓国での今後のアップデート予定についても触れた。2008年7月の韓国でのアップデートでは、最強のモンスターが登場する。時間の女神ルィンヌを祀る“時間の神殿”に魔法使いキルストンが現れる、という設定で、時間の神殿に召喚されるモンスターが、どうやら最強のモンスターらしい。
その他に、プレイに伴って成長する成長型アイテム、ボスモンスターを次々と倒す「モンスターレイドダンジョン」、童話風のメインストリームシナリオ、ゲームをしていない時でもユーザー同士でコミュニケーションできるメッセンジャーシステムなどの実装予定を明らかにした。
最後にNEXON Corp.のWizet2室 室長である柳仁善 (リュウ・インソン)氏(以下、柳氏)から海外展開について発表があった。
柳氏は、2003年4月に韓国で正式サービスを始めて以来、アジア、北米、欧州にも進出している点について言及。最近はブラジルとベトナムでサービスが開始されている、とのこと。60カ国において8700万IDを誇っており、世界各国の人に楽しくプレイしていただくために最善を尽くしている、と柳氏。例として、地域別のオリジナルマップを用意している点を説明。欧米のさまざまなシンボルを登場させたマップや、ラスベガスを背景にしたマップ、中国の少林寺を背景にしたマップ、日本の富士山と桜を背景にしたジパングマップなどを挙げた。孫悟空と猪八戒のペットがアジアで好評を得たり、ハロウィン関係が全世界で喜ばれたり、最近では放映されたアニメーションのキャラを登場させていると柳氏は語る。
柳氏は各国でのサービス状況について、世界で一番大きなゲーム市場のアジア、特に韓国では、全国民の3人に1人は楽しんだことがある国民的タイトルになったと報告。台湾、シンガポールでも韓国と同じく、3分の1以上がプレイしたことがある、というデータが出ている。
北米市場は定額制の市場だったが、メイプルストーリーの進出でアイテム課金制に対する関心も高まっているようだ。新しく試みたアイテム課金制で1月に60万個のアイテムが販売され、合計160万ドルの売上があり、今もなお、引き続き記録を更新中。また、ハロウィン、クリスマスなどに合わせたコンテンツや、ラスベガスを背景にした結婚システムが喜ばれている、とのことだった。
また、欧州のオンラインゲーム市場はアジア、北米にくらべて初期段階だが、ハイスピードで成長している、と柳氏。欧州市場にも積極的に進出を試み、英語、ドイツ語、オランダ語、スペイン語、フランス語をサポートするクライアントとして、欧州49カ国で展開中。様々な国に合わせたイベントを用意しているようだ。現在は、ブラジルとベトナムでクローズドβテスト中。今後とも様々な国で展開していき、世界制覇が目標だ、と柳氏は語る。幅広いライセンス展開、タイアップ展開についても説明をしてくれた。
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