与えられた試遊時間は10分! 「428〜封鎖された渋谷で〜」プレイリポート:東京ゲームショウ2008 セガブース
「428〜封鎖された渋谷で〜」は、セガ×チュンソフトプロジェクトを始める際、「ぜひ実写のサウンドノベルを」とセガがチュンソフトに熱望したタイトル。セガブースの試遊を許された10分で判明した内容と、プロモーション映像から判明した情報をお届けする。
428、渋谷、午前9時58分
サウンドノベル好きな筆者は、いよいよチュンソフトの「428〜封鎖された渋谷で〜」(以下、「428」)がプレイできる! と、セガブースの「428」体験コーナーを前に、軽い興奮状態にあった。実写で久々のサウンドノベルであることや、「月姫」「Fate」などで知られるTYPE-MOONとのコラボなど、サウンドノベルファンならば期待するなというほうが無理なタイトルと言えるだろう。
ゲームは空からの渋谷の街並みから始まる。渋谷駅を抜けて、交差点、Qフロント、西武百貨店……と、渋谷を訪れた人ならば見覚えのある景色がモニターに重なっていく。わずかな間の遊覧飛行を楽しんでいると、映像は片目だけ外界を見られる自由を与えられた男を映し出す。どうやら渋谷のある場所(車内)に拘束されているようだ。男は残された力をふり絞り、縛られた両手でなんとかし、だれかにメールを送ろうとする。メッセージを一文字づつ書いていると、車の窓を叩く女性の姿が。すると男の携帯が鳴り、上木彩矢(楽曲提供)の着メロが流れる。この後どうなるのか? と思った瞬間、渋谷の街で車は爆発してしまう……ショッキングな映像とともに主人公選択画面へ移行。ゲームを始めることとなる。
午前9時58分。誘拐事件を解決するために、先輩刑事とともに張り込む新米刑事。それが主人公のひとり、加納慎也のストーリーだ。ゲームを始めてみると、操作性・文字の読みやすさ、効果音、テンポなどは「弟切草」以来、多数のサウンドノベルを作っている同社だけあり、快適そのもの。
十字ボタンの上下でテキストログの読み戻し/読み飛ばし、選択肢を選ぶ。Aボタンで文章を読み進めることや各種決定。BボタンはオートプレイのOFFなど。「−ボタン」を押すとTips/JUMPのキーワード選択と解除。TIPSを選択すると語句の詳細な説明を見られる。複数のTipsが出た場合も「-」を押すことでTipsからTipsへの移動が可能だ。
特筆すべきは「+ボタン」。ゲームをプレイするとオートセーブされるが、+を押すとタイムチャートが表示され、5分ごとに時間を行き来することができる。状況と選択肢などが表示されるので、複雑に組み合わさった物語を紐解くのに役立ちそうだ。
誘拐犯、現る? それとも……
事件は昨夜に起きたという。誘拐されたのは大沢マリア。誘拐犯から、双子の妹・大沢ひとみに5000万円を持たせ、ハチ公の前で待つよう、昨夜夜に指示があった。指定の時刻は午前10時。指定の時間は刻々と迫る。犯人が指定した待ち合わせ場所には所轄の刑事が多数いる。渋谷の雑踏を逃れる術が、何かあるのか? 緊張する加納。ひとつ間違えれば命を失う。新米刑事ならずとも緊張感が走る。すると、犯人を待つ彼の前にある若い男が現れる。親しげに大沢ひとみに対して話しかける男。犯人か? それとも単に彼女に話かけているだけなのか? ここで主人公は、2つの選択を迫られる。
彼を犯人として捕まえるか、先輩刑事とともに様子を見るか――。
残念ながら10分の試遊ではここまで(両隣の試遊者はわずか先までプレイしていたが)。この選択によって物語がどう展開するかは、試遊台で確認してほしい。
物語序盤のみの体験だったが、プロモーション映像でプロデューサーのチュンソフト・中村光一氏がハマったと語っていた、「24」さながらのスリリングでスピーディーな展開を意識していることは感じとれた。この日、この時間に渋谷にいる(であろう)5人の主人公が少しづつ重なりあい、物語が収斂していく。これは間違いないだろう。では「428」は具体的にどんなストーリーなのか? ユーザーが気になる問いかけに対して総監督のイシイ氏はプロモーション映像で「バラエティに富んでる」と語るにとどめている。
現状では物語の細部については、ネタばれを避けるためか詳細な説明を避けていた。しかし作品への自信の現れか、よくできたイタズラを仕掛けた子供のようにイシイ氏はプロモーション映像内では度々笑みを浮かべる。さながらイタズラ好きの子供のように……。その笑顔を信じ、本編が上質なエンタテイメントになっていることを期待したい。
なお、セガブースの試遊台でプレイすれば「428」の体験版をゲットできる。東京ゲームショウ一般日の10月11、12日に現地へ足を運ぶ方の参考になれば幸いだ。
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