海外パビリオン─北京編:東京ゲームショウ2008 海外パビリオン
東京ゲームショウ初ブース出展となる北京パビリオン。5社のブースは他国のパビリオンに比べてやや活気に欠けるが、PCゲームをメインにピックアップしてみた
ゴールデンからジャンガリアンまで、ハムスター育成オンラインゲーム「iHam」
Beijing XnetSoft Technologiesはオンラインゲームの運営および、2D/3Dゲームのアートワークデザインなどを手がける企業で、NHNのアクションRPG「Dungeun and Fighter(アラド戦記)」や韓国NDOORS開発のターン制MMORPG「ATLANTICA ONLINE」といったタイトルに関わっている。
自社タイトルとしては、ハムスター育成オンラインゲーム「iHam」をブース展示していた。プレイヤーは6種類のハムスターから1匹を選び、最初は小さな子供のハムスターをしつけて様々なスキルを覚えさせ、育てていく。時にはハムスターをケージから出して庭を散歩させ、埋まっている宝物を掘り出したり、友達のハムスターのケージに遊びに行くこともできる。クライアントと基本プレイは無料だが、ケージに設置するハムスターの遊具や、帽子などのアバターアイテムは有料アイテムだ。
また、ゲーム内ミニゲームも用意されており、クリアすると特別なエサ、アイテムなどが手に入る。その場でミニゲームの1つを見せてもらったのだが、ジャンガリアンらしいハムスターをマウスでドラッグ&ドロップして、次々に“捕獲する”という内容だった。 iHamはゲームというよりも、自由に動き回るハムスターの愛らしいしぐさを眺めつつ、友達とオンラインでチャットを楽しむ、コミュニケーションツールとしての要素が強いタイトルと言える。現在は開発中で、2009年1月にはβテストを中国国内で行う予定とのことだ。
オリジナルのボートでレースに参加、オンラインレースゲーム「UUボート競技」
スピード感あふれるオンラインレースゲーム「UUボート競技」を出展していたのは、Beijing Sntaro Techブース。タイプの異なる水上ボートを操作して誰よりも早いゴールを目指す、ごくオーソドックスなカジュアルゲームである。
操作は移動がカーソルキー、Ctrlで取得したアイテムの使用、Shitがドリフトと非常にシンプルで分かりやすい。レースは最大8人での対戦ができ、レース中に取得できるアイテムには攻撃、守備、補助などの用途があるので、投げつけてライバルを妨害することも可能だ。現在はβテスト期間中だが、古城が聳え立つヨーロッパ風マップ、椰子の木や砂浜のハワイ風マップ、歯車や機械が並ぶ近未来風マップの3種類が用意されている。また、10種類以上あるボートはエンジン、船体、舵などのパーツを選んでカスタマイズできるのが特徴となっている。正式サービスは2008年10月中で、基本プレイ無料のアイテム課金を採用している。
旧「墨香オンライン」の開発元は中国武狭RPG2タイトルを出展
Tengren Information Technologyは、MMORPG「功夫online」「Loong(龍)」、カジュアルゲームの「Crazy Party」、Webゲームの「Kung Fu on Web」の4本を紹介しているが、このうち開発中の新作タイトルはLoongとブラウザベースの2DRPG、Kung Fu on Webのみである。
Loongはオリエンタルな世界観をベースにした、3DグラフィックスのMMORPGだ。景色や建物の様式、装備品などは中国風のデザインで統一されている。スキル制やアイテム強化システム、ギルドシステムなど一般的なMMORPGの機能に加えて、武器の外見が変化する成長システムなどが備わっているようだ。
もう1つのKung Fu On Webも中国武狭がベースのRPG+SLG+EDU(知育ゲーム)で、ギルドシステムやPvP機能、アバターシステムなどがある。こちらはスクリーンショットなども見られず、これ以上詳しい情報が得られなかった。
また、2008年第4四半期に正式サービスが始まったばかりの、オンラインカジュアルゲーム「Crazy Party」についても、軽く紹介しておこう。“ゲームの原点に立ち戻って、子供のように楽しさを追求する”をコンセプトに、誰がプレイしても楽しめるように、実に多くの要素がギュっと詰め込まれている。基本的には100種以上のミニゲームをプレイするのだが、このミニゲームにもアクション、スポーツ、パズル、パーティ、ファンタジーのジャンルを用意。ゲーム以外にはコミュニケーション機能はもちろん、ファッションを楽しむためのアバターアイテム、ペットシステム、ギャンブルができる酒場、プレイヤー同士が競うPvP用のエリアなど遊びのバリエーションがとにかく豊か。その時遊びたいと思ったものに、すぐアクセスできるのが特徴だ。
古代中国を舞台にひろがる、正統派MMORPG2本を映像出展
2007年のチャイナジョイでもムービーが公開されていた、中国武狭MMORPG「Myths and Heroes」(天驕3)の映像を公開していのは、Objectsoftwareだ。2009年秋のサービス開始を目標としており、今回のTGS2008でも残念ながら映像出展のみとなっていた。美しいグラフィックスは、西洋ファンタジーがモチーフにも見えるのだが、れっきとした中国の神話がベースの作品である。中身は既存のMMORPGと大きく変わらず、敵を倒して経験値をため、一定以上たまればレベルアップ。成長して新たなスキルなどを習得できる。ナイフや弓を使い罠を設置できるアサシン系、杖を装備して魔法を使うと同時に獣を召喚できるサモナー系などの職業があるようだ。
もう1本、映像出展されていた「Kingdom Tales」も、同じく古代中国の神話がテーマのMMORPGだ。はるか昔、人と神は7匹のドラゴンの力を借りて、世界を荒らす悪魔に対抗し共に戦った。そして100年前、地上と天上界を繋ぐ道の1本が開かれ、再び災厄が世界はどうなるのか? 7匹のドラゴンはどこへ消えたのか、暗黒魔道士の狙いは……というのが本タイトルのバックストーリーである。プレイヤーキャラクターには力と防御は劣るが、攻撃範囲が広く素早い動きの「Egnima」、剣と盾を使い防御力に優れた「Gurdian」などの職業が男女それぞれあり、性別によって多少能力値にも違いがある。その他、生産システムやパーティ専用クエスト、インスタンスゾーンなどが実装される予定だ。
北京ブースは全体的に、出展タイトルの映像だけで資料が全くなかったり、いついってもお留守番以外の担当者がいなかったりと、アピール不足な感じも否めないが、「Myths and Heroes」のように、インタフェースやゲームシステムは典型的な韓国産MMORPGを踏襲しつつ、中国武狭や神話モチーフなどをテーマに、リアルだが派手ではない美しいグラフィックスという、バランスに優れた作品も見られた。東京ゲームショウへは今年が初出展ということなので、来年以降どんな作品が並ぶのか、ちょっと楽しみだ。
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