災害のオンパレードとWii操作のオンパレードで描かれる、極めてハリウッド的なアクション巨編:「ディザスター デイ オブ クライシス」レビュー(1/3 ページ)
災害の中をくぐり抜けつつ、特殊部隊を追い詰めていく、超絶サバイバルアクション。これでもか、というほどに、アクション映画のツボをおさえた演出が盛り込まれ、どんなにピンチでもなかなか死なない男・レイの活躍を見届け……いや、やりとげることができる!
ハリウッド映画の主人公になれるって、ホントですか?
みなさんは、ハリウッドのアクション大作映画はお好きだろうか。筆者は大好物である。芸術映画やカルトな映画も好んで観るのだが、ド王道なアクションに次ぐアクションで、徹底的にハラハラドキドキさせてくれる映画も、また楽しいものだ。
「インディ・ジョーンズ」や「ダイ・ハード」、「ターミネーター」や「ミッション・インポッシブル」などなど……例を挙げればキリがないほど、数多くのアクション映画がハリウッドで生み出されてきた。そんなアクション映画の要素を詰め込んだゲームが、このたびWiiで登場した「ディザスター デイ オブ クライシス」だ。
本作は「ゼノサーガ」シリーズ、「バテンカイトス」シリーズ、「ソーマブリンガー」などを作ったモノリスソフトが開発を手がけ、任天堂から発売されたルーキータイトル(続編などではない新規のタイトル)だ。新規作品なだけに“いったいどんな内容なの?”と、よく分からなくて様子を見ているユーザーもいるかもしれない。そんなユーザーたちのために、このレビューが少しでも参考になれば幸いである。
敵は人のみにあらず 災害と銃弾の中をかいくぐって正義のために進め!
本作の舞台はアメリカの架空の都市・ブルーリッジ市。主人公は、元海兵隊員でブルーリッジ市危機管理局の職員であるレイモンド・ブライス(通称:レイ)だ。
レイはアギラス火山でのレスキュー活動時に、突然の噴火で親友スティーブを失う。その1年後に、スティーブの妹リサが特殊部隊STORMに誘拐されたことを知ったレイは、単身、リサの救出に向かう。
STORMを追うさなかに、ブルーリッジ市を未曾有の大災害が襲う。地震、津波、火災、竜巻、洪水、そして地震の影響による火山の噴火も……。災害の被害に遭った市民たちを助けながら追跡をするレイは、果たしてリサを救出することができるのか……?
大枠で言えば“リサを救出する”という目的のために行動するレイではあるが、そこに天災が容赦なく襲ってくるので、大変だ。しかも、次々と災害が災害を呼び、これでもかというほどにレイの行く手を阻む。STORMとの戦闘だけなら、割とよくあるアクションアドベンチャーやガンシューティングになりそうなところだが、パニック映画のような災害が絡んでくることで、人命救助の要素や、災害からいかに逃げ切るかというサバイバル要素が盛り込まれ、本作独特の色を出すことに成功している。
物語の展開や要所要所での映像演出は、非常にツボをおさえた作りになっている。いわゆる王道中の王道というやつで、冒頭で述べたように、ハリウッドのアクション映画のお約束をバッチリ体現しているのである。
火の手が襲ってくるシーンでうんともすんとも言わなかった車が、時間ギリギリにあることをすることで動いたりとか、襲い来る津波をハイスピードな運転でギリギリのところで交わして助かったりとか、一度倒したはずの敵が決死の覚悟で復活して戦いを挑んでくるとか、とにかくお約束のオンパレード。アクション映画好きならニヤリとさせられる演出がふんだんに盛り込まれている。
それでいて、主要人物であるレイ、リサや、脇を固めるスティーブやデイヴィス教授、敵であるエヴァンズ少佐、ヘインズ大佐らのキャラクターもなかなか魅力的で、物語に確かな彩りを添える。プレイ中やムービー中の音楽も、どこかのアクション映画で聴いたことがあるような、ベタにハリウッド的な楽曲が多いが、しっかりとプレイヤーの気分を盛り上げてくれる。
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