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海外ではハード別にどんなゲームソフトが売れるのか考察してみたくねくねハニィの「最近どうよ?」(その27)(4/4 ページ)

「不思議のダンジョン 風来のシレンDS2 〜砂漠の魔城〜」をネット予約したくねくねハニィの連載27回目。ハニィ視点での海外ハード別ソフト傾向なんぞ語って見たのでお茶を飲みながらどうぞ。

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ニンテンドーDS向けのソフト

 DSは海外でも日本とまったく同じユーザー層を持っているの。北米でも脳トレを老若男女が遊んでいるし、1人1台って意味では、家族がそれぞれのDSを持ってるってことも容易に想像できるハードなのだ。ライトユーザーが簡単にプレイできる、ってのがDSでは基本。DS向けのMレーティング(17歳以上)ゲームはあまり売れてましぇん。

 DSこそ高グラフィックではなくゲーム性が問われるゲーム機だよね。1人1台持ってるからこそ、口コミ率も高い。いいゲームだったらそれなりに売れるはずなのだ。「任天堂のソフトだけ売れる」っていうクリティシズム(批判)も、逆を言えば「任天堂のソフトのクオリティが高い」のだね。これは単にお金をかけているということではなくて、アイデアや煉り込まれたゲーム性という意味。

 サードパーティの事例をここでひとつ。北米でMajescoから発売されてる「Cooking Mama」(日本ではタイトー)のお話だけど、このタイトル、2006年9月に発売して以来、現在まで北米単独で100万本を超えていて、欧州全体でも100万本を超えているんです。日本発のクッキングゲームがこの快挙。もちろんパブリッシャーのプロモーション施策や価格戦略の効果もあるんですが、タイトルの持つ特性が海外の子供たちの共感を得たことは確かなよう。もともと日本向けに作っていたのでレシピは「餃子」や「みそ汁」なんかも含んでいるのだ。じゃ、どうしてここまで海外で受け入れられたのか?

 「直感的に楽しめる」、「結果がすぐ出るので気軽にできる」、「親子で楽しめる」などなどいろんなコメントがあったわ。ハニィはE3(あら、3カ月も前のことだわ)でこの開発会社の社長さんとお話することができたの。どうしてこのゲームを作ったのか? という質問に対しては、自分の娘さんに遊んで欲しいゲームを作ってみた、とのこと。

 娘さんに楽しく遊んで欲しい、という純粋な気持ちが海外で受け入れられたってことですな。結局ゲームとは日和って作るもんではないな、と改めて思いましたね〜。北米市場に向けて、知りもしない文化に合わせたゲームを作る必要はないのだね。「Cooking Mama」を語るとき、北米欧州とも「イノベーティブ!」と言われるけど、作り手はそれを狙ってたわけでもなく、結果的にイノベーティブになった、ってことなんだろうね〜。これは任天堂がイベントの際に必ず掲げているポリシー、人々にスマイルを! ってことにもつながるよね。

 と、ネットの話もせねば。DSはPSPとは正反対のことを言っちゃおうかな〜。DSは子供たちが容易に持てるハードだし、子供同士で「つるめる」のだ。つまりアドホックが可能。また、北米や欧州の一部では、家族で出かけるマクドナルドでDSのWi-Fi機能が簡単に使えるようになってるからオンラインも可能。子供たちは兄弟や友達と一緒に遊べるソフトを勧めるから口コミによるプロモーションも効果的なのね〜。

 ここで欲をかいてはいけないのさ。オトナはつるまない、って原則を考えれば、ゆめゆめ大人向けのバリバリアドホック/インフラストラクチャゲームはリスキーかと。

ハニィのあとがき 

 だいぶご無沙汰しちゃったので何だか調子が狂うわ。最近、「すっ転んだりするのは筋肉が衰えてるからです(キッパリ)」との指摘を受けて、週に1回オフィスの近くの加圧トレーニングに昼休みに通っていますの〜。そんな時間があったら原稿書けって? あああ、すいまめん。

 今回はハニィなりに相当過激なことを書いてしまったかも。かなり極端な意見ですけど、すべてに当てはまるわけではないのでご了承くださいませ。いつも通り「ステレオタイプ」なお話と受け止めていただければコレ幸いです。

 東京ゲームショウのお話もしないとね。例年と変わらずハニィはTGS会場にはほとんど顔が出せず、近隣のホテルなどでミーティング三昧をしていたでやんすが、ビジネスデーの会場に行ったら何だか空いていた感は否めなかったなぁ。海外のプレスは多かったのですが……。まぁ、一般デーは盛り上がってましたんでいいんですけど。テレビでは「世界最大のゲームショー! ゲーム業界には不況は関係ないよね?」的な報道がされてて、うぬぬ? と首をかしげる場面もございました。というのも、現在世界最大のゲームショーといえば、Game Convention(GC・ドイツで開催)という認識だから。

 ところで展示会と言えば! 来年のE3の概要が発表されたのじゃ。2009年6月2日〜4日(なぜか火曜から木曜)LAコンベンションセンターにて開催、とのことですわ。規模も大幅に拡大して入場員数を制限するのも止めるみたい。

 6万人を動員していた過去のE3から「E3 Media & Business Summit」と銘打って2年前に5000人規模に縮小したE3。失われた2年を経て元の形に戻るのか? はたまた中途半端なショーになってしまうのか? E3、いや、ESA(Entertainment Software Association)の迷走はここで終止符を打たれるのか? 確かめないといけませんな。

 ちなみに、ハニィが去年間違って(爆)行った「E for All 2008」は、東京ゲームショウの1週間前に10月3日(金)から3日間LACCで行われたらしいよ。日本ではまったくニュースになってませんけど、去年のしょぼさからさらにしょぼくなって、去年フラッグシップをうたってた任天堂も不参加だったし、大手はほぼお付き合いで小さなブースを出すにとどまったみたい。参加者も昨年より減って、おいおいアレより少なかったんかい! 元々はESAと共同でE3を開催していたIDGが主催のこのイベント。E3が縮小されて、ESAによるビジネスオンリーのEXPOになったので、E for AllはIDGが運営してユーザー向けにって形を取ってたんだけど、E3が再度拡大基調に流れるなら、E for Allはなくなるでしょうなぁ。

 次回はいつなんだろー。え? どうせ年末まで書かねぇんだろって? いえいえいえいえ、今度こそ間を空けずに書くぞ! と言って「オオカミ少年」扱いを受ける今日この頃のハニィでした〜(涙)。

くねくねハニィのプロフィール

1967年アメリカサウスダコタ生まれの日本人。

小学生からはゲームセンターに通いまくってやたら大きく育つ。

1990年に都内K大学を卒業後、大手ゲーム会社にて海外ソフト担当となり、2001年に退職。それ以降は自称フリーのゲームアナリストとして暗躍。暗躍しすぎたので名前を変えて表舞台に。くねくねと唐突に現れて「親父ギャグ」をかまして周りの人々のレベルを下げまくる。独特の語り口調ですが、もう慣れてくださいとしか言えません。言ってる中身は至極マジメなので。ちなみに「風来のシレン」が好物で、名前もそこから借用。なんだか公認してもらったそうです。

本人も書いてますが、遅筆です。次はきっちり年内に書いていただきますのでお覚悟を。


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