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「World Cyber Games2008」ドイツ本戦――日本代表大健闘、総合5位に入賞(2/3 ページ)

世界最大のゲーム競技イベントWorldCyberGames2008がドイツ、ケルンで行われた。バーチャファイター5、エイジオブエンパイアIII、レッドストーンの三種目に挑んだ日本チームが見事メダルを獲得!! 日本選手団チームリーダーから見た世界のe-sportsシーンとは?

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ドイツ式は過去最大規模のWorldCyberGamesに

余談だが、このケルンメッセにちなんで名付けられたのが幕張メッセ

 WCG2008グランドファイナルが行われたのはドイツのケルン市にある世界最大規模の見本市「ケルンメッセ」。近年、ケルンは世界的なイベントの誘致に積極的で、「国際オートバイ・スクーター見本市」や「国際菓子見本市」、「マラソンフェア」などその種類は多岐にわたる。今年までライプチヒで行われていた世界最大のゲーム展示イベント「ゲームズコンベンション」も来年はここ、ケルンで開催されることが決定している。

 WCGは毎年、開催国すべてのチームリーダーによる入場式からその幕を開ける。今回筆者はアジアチャンピオンシップを含め4回連続での日本国旗旗手を務める大役を預かったが、過去のイタリア、シンガポール、アメリカに比べてとにかくドイツは厳格。選手席からステージ裏に回り、旗を持ってステージに上がるだけのリハーサルをなんと3時間も行い、他のチームリーダーと思わずバックステージで「さすがはドイツ」と苦笑いするシーンも。ただ、過去最大の78カ国が参加し、言葉もなかなか通じない状況では仕方がないのかもしれないが……。

 オープニングセレモニーでは、ケルン市長フリッツ・シュラマ氏による挨拶が行われ、街ぐるみでWCGを盛り上げようとする意気込みを感じさせた。会場付近はもちろん、市内の各所でもイベントポスターが掲出されていた他、ラッピングバスや電車、地元新聞まで様々なメディアで告知が行われていた。

 会場は、巨大スクリーンが設置されたメインステージと、16歳未満立ち入り禁止のサブステージ、スポンサーブース、試合エリアで構成されている。ゲームに対しての表現規制が非常に厳しいドイツでは、流血表現、暴力表現などがあるタイトルの試合についてはすべて屈強なセキュリティによる年齢確認が必要なクローズドのエリアで行われた。ちなみに該当エリアで試合が行われたタイトルは「カウンターストライク1.6」、「バーチャファイター5 LiveArena」、「Halo3」の3つ。それ以外のタイトルは、会場内の誰もが観覧できるエリアで試合が行われていた。e-sportsが今後さらに拡大していく上で、必ず問題になるであろうレーティングについて、本大会では1つの回答を作り上げたのかもしれない。

 今年のWCGは、参加国、取材陣の数もさることながら、一般来場者が非常に多かったのも印象的。会場スタッフに聞いたところ、一般来場者数は1日5000人をゆうに越え、未発売ゲームの展示やプレゼントをほとんど行わない有料のe-sportsイベントとしてはかなりの集客を果たしたようだ。

ポスター、新聞などで大きく掲示されていたWCG。街ぐるみでゲームイベントがプッシュされているのには驚きだ
メインステージでは毎日多くの人々がつめかけ、世界トップレベルの試合に見入っていた

会場内の試合エリア。観客は試合エリアに入れないため、まわりをぐるりと取り囲む
16歳未満立ち入り禁止のサブステージで行われたカウンターストライクの決勝戦
日本代表チーム、前列は「RED STONE」代表、後列左右が「エイジオブエンパイアIII アジアの覇王」代表、中央が「バーチャファイター5 LiveArena」代表

RED STONE日本代表の活躍を詳しくお届け

 日本代表は、前述の通り「RED STONE」部門から4人、「エイジオブエンパイアIII アジアの覇王」部門から2人、「バーチャファイター5 LiveArena」部門から1人と、総勢7名の選手が世界に挑戦することになった。

 まず、最初に行われたのは「RED STONE」部門。アメリカ・韓国・日本の3つの国の代表で競われた。試合ルールは日本予選と異なり、2vs2のチーム戦。日本代表はストロベリー(北川恭章)選手、プリン(渡辺裕斗)選手の「happysweets_A(以下Aチーム)」とポッキー(上田翔太)選手、チョコレート(高見智大)選手の「happysweets_B(Bチーム)」に分かれて参戦。Aチームは、直接攻撃を主とする「剣士」と援護役の「ビショップ」、Bチームは、援護役の「ビショップ」と攻撃役の「ウルフマン」という編成で試合に挑む。

 グループリーグでは、韓国のComeonbabyチームが全勝し、Bチームが2位、Aチームが3位とこれに続く。そしてシングルイリミネーション方式で行われたトーナメントで日本チーム同士が激突、接戦の末Bチームが勝利し、全勝でリーグを勝ち抜けた韓国との再試合に挑むことになった。決勝戦の前に行われた3位決定戦は、Aチームが危なげなく勝利し、三位入賞が決定した。

 試合10ポイント先取、2試合先取で行われた決勝戦、1試合目は接戦の末2-1で惜敗。2試合目は序盤にリードを奪われた日本チーム、そのままじりじりリードを広げられ、結果は9-2で敗北してしまった。しかし、3カ国、4チームのみの参加種目だったとはいえ、日本がWCG公式種目でメダルを取得したのは、2005年のシンガポール以来3年振りのこと。ここは日本選手の健闘をたたえたい。

 試合後、日本から応援に駆けつけたゲームオン「RED STONE」プロデューサー吉田氏に次のようにお話を伺った。

 「日本予選のレベルが非常に高く、このまま世界王者を目指せるか、と思ったのですが、少し甘かったようですね。予選グループでも韓国の強さに驚かされました。ですが、試合内容を見ていても、拮抗している時間は非常に長かったわけですから、実力としてはまだまだ拮抗しているのではないかと思います。ですから、日本ももっと練習を積み重ねれば……ぜひとも日韓戦を実現させて今回の雪辱を晴らしたいですね」(吉田氏)

 しかし、日本予選と世界本戦でルールが異なっている。それもゲームバランスを大きく左右するチーム人数が異なる点については競技として大きな疑問が残る。参加国ごとの事情があるため、これは仕方のないことなのかもしれないが……。ただ、日本でも数多くのプレイヤーが存在するジャンル、MMORPGがWCGの正式種目に採用されたことは、選手不足に常に悩まされ続ける日本のe-sportsシーンを変革させる可能性もあるだろう。今後の「RED STONE」の展開に期待したい。

RED STONE試合エリアは会場内の中央。多くの人が足を止めて試合を見つめていた
開発元のLK LOGICより激レアな「RED STONE」キャップを贈呈された選手たち
日本代表選手とゲームオンの吉田氏。代表選手からは「ぜひ再試合の機会を!!」との声も

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