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くねくねハニィの「世界不況がもたらす影」 くねくねハニィの「最近どうよ?」(その28)(1/3 ページ)

前回の原稿をあげてからアメリカに取材に行ってた様子のくねくねハニィ。零下の北東部から30度越えのカリフォルニアまで横断。温度差で大風邪をひいたらしいが、不況を肌で感じてきたかは不明なので、記事を読んでみてはいかが?

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イラスト/本橋ゆうこ

 めっきり寒くなりましたけど、皆さん風邪ひいてませんか? 風邪が治って新たな風邪をひき、またそれが治ってまた違う風邪をひいてる(どんだけ虚弱体質)くねくねハニィがお送りする「最近どうよ?」第28回目どぇす。前回の原稿後アメリカに市場調査に行ってまいりました〜。

 いよいよ海外では年末商戦が本格化してきました。11月のデータを待たずして年末商戦は語れないのだけど、世界経済の悪化が影響しているかな? なんて心配はともかく、ゲーム市場には影響がないどころか、前年と比べて大きくなっております。ま、それは後述するデータの報告でするとして。

 ガソリンは日本同様安くなって、ハニィが前に渡米した時に腰を抜かすほど高騰した金額から約半分近くになってました。交通費が会社から支給されないアメリカでは、このガソリン代が家計に大きい負担になってたので、よかったなぁと思いつつも、実際にはホリデーシーズンに旅行を控えたり、外食を少なくしたり、極端に人々の日々の生活は変わってきてるみたい。

 そんなこんなで、今回は、この不景気は北米市場で影響がないのか? について書いてみることにしました。ってことで、くねくねハニィの「世界不況がもたらす影」をどうぞ。まずは、いつもの通り10月の北米市場報告を。年末商戦に入ったので要チェック!

10月の北米市場報告なのだっ!

ハード
Wii80万3000
Xbox 36037万1000
プレイステーション 319万
プレイステーション 213万6000
ニンテンドーDS49万1000
PSP19万3000
NPDデータより

 Wiiは市場に流れたら一瞬で売り切ってしまうって勢いです。週販20万台ってことでしょ? やりますなぁ。また、「Fable2」をはじめ、ソフトが牽引するXbox 360はなかなかの台数を重ねてインストールベースが1100万台を超えています。それにしても、PS3は台数が伸びません。「Little Big Planet」や「Socom: U.S.Navy Seals Confrontation」など、PS3エクスクルーシブのタイトルが発売され、そこそこの本数を売っているにもかかわらず、ハードを牽引しなかったようです。既存のPS3ユーザーがソフトを買っているともいえますが。

 ニンテンドーDSは相変わらず売れています。PSPの売上が悪いわけではないんですけど、ニンテンドーDSの販売台数が大きすぎて何となく少ない気がしてしまうわけですね。商戦期はコンソール(据置型)がよく売れるってのが定説なんですが、ニンテンドーDSはちょっと趣が違うみたいすね。

ソフト
1Fable II(Xbox 360)79万本
2Wii Fit(Wii)49万本
3Fallout 3(Xbox 360)38万本
4Mario Kart(Wii)29万本
5Wii Play w/ Remote(Wii)28万本
6Saints Row 2(Xbox 360)27万本
7SOCOM: U.S. Navy Seals Confrontation(PS3)23万本
8Little Big Planet(PS3)22万本
9NBA 2K9(Xbox 360)20万本
10Dead Space(Xbox 360)19万本
NPDデータより
「Fable II」

 1位の「Fable II」は、「Lionhead Studio」(マイクロソフトのスタジオ)で作られたXbox 360エクスクルーシブのRPG。ピーター・モリニュー氏の力作です。前作は日本でも発売されてて評価も高かったんですけど、イマイチ日本のユーザーには受けていない。あ、いや、Xbox 360自体が日本で出回ってないからしょうがないんですけど。キャラクターも日本人が受け入れやすいキャラクターなので、ぜひ遊んで見て欲しいものだわ。

 何が言いたいかというと、前述したとおり同じエクスクルーシブでもPS3の「SOCOM: U.S. Navy Seals Confrontation」と「Little Big Planet」がもう一歩の売上だったなと。特に「Little Big Planet」はユーザーにとってはかなり“待望の”タイトルであったはず。イノベーティブで新しいコンセプトの同タイトルは、PS3に新しいゲーム性をもたらすもの、とかなり期待が高かったはずなんだけどなぁ。

 インストールベース(出回ってる総台数)がXbox 360の半分でしかないPS3は、こういったエクスクルーシブを使ってハードを牽引していかないといけないはずなんだけど。いまだにPS3の開発が大変だという話は聞くけど、マルチプラットフォームでラインアップを考えるのが普通のはずのサードパーティたちの中でも、PCとXbox 360、またはXbox 360だけを作って終わりって話もちらほら。THQが「Destroy All Humans!: Path of the Furon」のPS3版をキャンセルしたり。ま、THQはスタジオを閉めたのでってのが大きな理由でしょうけど、「開発するのが困難」ってのが一番の理由と説明しているようです。この状況、いつになったら改善されるのかしら……。

 エレクトロニック・アーツが頑張ってオリジナルタイトルを連発していますが、「Dead Space」思ったより売れてませんね。ランク外のPS3版を含めても30万本ちょっと。おかしいなぁ。露出がさらに高い11月発売の「Mirror's Edge」に期待かしら? って、速報ではこれもイマイチの売上(マルチプラットフォームで15万本)と聞いています。これは、苦しいですね……。

 ご覧の通り、ソフトトップ10にハンドヘルド(携帯型ゲーム機)タイトルが入っていません。年末は大型コンソールタイトルの季節のようです。

 11月は「Gears Of War 2」(Xbox 360)、「Call of Duty: World at War」(Xbox 360/PS3)、「Need for Speed: Undercover」(Xbox 360/PS3)、「街へ行こうよ どうぶつの森」(英語名:Animal Crossing: City Folk)などなど、大型タイトルが発売されているので、結果も楽しみ。速報では「Gears Of War 2」は200万本を超えておりまする。

 期待の大作といわれた「Wii Music」ですが、11月中旬くらいの速報で20万本くらいしか売れていません。これは「Wii Music」が受け入れられなかったのではなく、「Guitar Hero」等で音楽ゲームジャンルの固定化が進んでしまったってことだとハニィは考えてるんだけどね。一度高度なゲームをやりこなしてしまっているので、なかなか厳しいのかも。でも、初動で8万本と叩かれた割には堅調に売上を伸ばしているのでジリジリと売上を伸ばしていくかも。任天堂のソフトはロングランなことが多いので、初動だけでは語れないのだ。

 そんでもって、本題です! サブプライム問題から端を発した世界経済は冷え切ってる、と言われているけど、実際にはどうなのか? そしてそれはゲーム市場にどう影響を与えているのか? について考察してみたんで読んでいただきたいっ。

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