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正義の味方じゃなくてもいいんです――善いことも悪いこともすべてはプレイヤーの思うがままに!「Fallout 3」レビュー(1/2 ページ)

PS3、Xbox 360でリリースされる、核戦争後の荒廃した世界が舞台のRPG「Fallout 3」。襲い掛かる巨大生物、暴徒と化した人間、過酷な環境のアメリカを生き残れ!

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海外で絶大な人気を誇るRPGがついに日本上陸!

 核戦争後の荒廃した世界を描いた「Fallout」シリーズは、1997年にアメリカのインタープレイから発売し、2作目はその翌年1998年にリリースされた。残念ながらこの2作は日本では発売されていないが、去年の2007年に「The Elder Scrolls IV:オブリビオン」(以下、オブリビオン)を手がけたベセスダ・ソフトワークスが同シリーズの版権を取得し、3作目が開発されることになったのは既報のとおり。

 本作は、2277年核戦争後の荒廃したワシントンD.Cが舞台となっている。建物は崩壊し、土地や水は放射能に汚染され、放射能の影響で巨大化した昆虫や、ミュータントが徘徊する世界。危険な地表から逃れた人々は「Vault-Tec」社の優れた技術により生まれた核シェルター「Vault 101」を居住区としていた。北米では、発売後1週間で470万本を出荷するほどの大ヒットとなっている本作を、今回は序盤のプレイを通して魅力をお伝えしていきたい。

核戦争によって街は破壊され、見渡す限り荒れ果てた大地が続く
何もないサバイバルな環境では、時として人間も襲い掛かってくる

核戦争後に地下シェルターで誕生する新たな生命

 ゲームは核シェルター「Vault 101」で主人公が誕生するところから始まる。ここで、プレイヤーが操作するキャラクターの顔を作成する。カスタマイズ内容は性別、人種、髪型、目、鼻、耳などの細かいパーツが変更可能。キャラクターを作ると、チュートリアルを兼ねたVault 101での生活が始まる。1歳の赤ん坊のシーンでは、基本操作の説明と「S.P.E.C.I.A.L.」と呼ばれるパラメーターの割振りを行う。「S.P.E.C.I.A.L.」は筋力、敏捷性、カリスマ、運などの7つに別れており、この構成が後のプレイに大きく関わってくる。

 主人公が10歳になると、誕生日パーティーが開かれ、責任ある任務に就く一人前の証としてパラメーターやマップなどの確認ができる「Pip-Boy 3000」がプレゼントされる。ここでプレイヤーは初めて父親以外のVault 101の住人と交流ができるようになる。住人はプレイヤーが話しかけなくても勝手に雑談をしていて、賑やかな雰囲気が演出されている。パーティーに出席している老婦人パルマーに話しかけ、プレゼントのロールケーキを貰うと、ガキ大将のブッチがロールケーキを奪おうと声をかけてくる。この時、プレイヤーの会話・行動の選択肢が表示され、大人しく相手に従うこともできるし、抗うことも可能だ。別にロールケーキくらいくれてやってもよかったのだが、相手のいいなりに渡してしまうのも嫌だったので「誰がお前にやるもんか」と答える。するとブッチは力ずくで奪おうと殴りかかってきた。数発殴られダメージを受けたが、何とかロールケーキを死守することができた。

キャラクターメイキングはかなり細かいところまでカスタマイズが可能
会話の選択肢が豊富で、この選択によってその後の展開を左右することも

 その後、父親から「BBガン」を貰い、戦闘のチュートリアルを受ける。マトを撃つチュートリアルの途中、巨大ゴキブリの「ラッドローチ」が出てくる。こんなのが実際にいたら卒倒してしまいそうなくらいデカく、カサカサと動き回る様がリアルこのうえない。ゴキブリが苦手な筆者はビビってしまい、うまくラッド・ローチを狙えない。ここで便利な戦闘システム「V.A.T.S.(Vault-Tec Assisted Targeting System)」の登場だ。この機能が割り振られているボタンを押すと、時間の流れが止まって敵にクローズアップし、頭、胴体、腕などの選択した箇所を自動で攻撃してくれる。これのおかげでFPSなどのシューティングに慣れていない人も、敷居がグンと下がることだろう。このV.A.T.S.は「AP(アクションポイント)」を必要とし、APがある限り、連続してターゲットに攻撃できる。V.A.T.S.使用時、プレイヤーのパラメーターや敵との距離に応じて各部位への命中率が異なる。また、ゲーム中のプレイ画面はFPS(一人称視点)、またはワンボタンでTPS(三人称視点)に切り替えることができる。

 さて、今度は16歳になって職業適性試験「GOAT(Generalized Occupational Aptitude Test)」を受ける場面になる。試験会場に行く際に、Vault 101を指揮する監督官の娘のアマタがガキ大将のブッチ率いる不良グループ「トンネルスネーク」に絡まれている。ここで無視して試験会場に行くことも可能だが、アマタを助けようとブッチと会話による説得を試みる。しかし、会話の選択を誤ったらしく、なかなかアマタを開放しようとしない。拉致があかないので、ブッチに殴りかかり暴力で解決しようとすると、ブッチの手下たちも主人公に襲いかかってきて、ボコボコにされながら、何とかアマタを助けることに成功した。話がそれたが、GOAT試験はかなり変わった内容で、思わず笑ってしまうような問題も用意されている。

 そして19歳のある朝、幼馴染のアマタに起こされる場面から始まる。なんと父がVault 101を脱走してしまったのだ。監督官の怒りの矛先が主人公に向き、主人公もVault 101から脱出するはめに。脱出する途中、ブッチが「母親がラッドローチに襲われているので助けて欲しい」と懇願してくる。普通の正義の味方なら過去のことは水に流し、ブッチの母親を助けに行くのが良くあるパターンだろう。しかし筆者は、ブッチにボコボコにされた事を根に持っているため「消えうせろ。誰が助けるもんか」を選択して助けに行かなかった。さらに、ラッドローチに殺されたブッチの母親の死体を漁り、アイテムだけはきちんと回収するという極悪非道プレイを敢行。生きていくためには悪行も許される自由度もこのゲーム魅力といえるだろう。

登場する生物も非常に細かく描かれており、テカり具合もかなりリアル
攻撃する部位によって、ダメージを多く与えたり動きを止めたりできる

生まれて初めて体験する見渡す限りの荒れ果てた世界

 Vault101を脱出すると、プレイヤーの眼前に広がるのは砂埃が舞う荒れ果てた世界。ほとんどの建物はボロボロだが、建築物や車のデザインを見ると1950年代のアメリカを彷彿させるものになっている。失踪した父の情報を得るために、ガレキでできた街「メガトン」へ向かう。道中、放射能の影響で凶暴化した犬、巨大なネズミやハエ、サソリといった様々な生き物に襲われる。装備も貧弱な筆者のキャラクターは逃げ回り、街に着くころには満身創痍の体になっていた。

 右も左も分からない世界でPip-Boy 3000は非常に頼れる存在だ。プレイヤーのステータスやアイテム管理のほか、マップを表示することもでき、1度行った建物や場所はマップに表示され「ファストトラベル」が使えるようになり、一瞬で目的地まで行けるようになる。

戦争によって街は壊滅状態、ゴーストタウンと化してしまった
Pip-Boy 3000を呼び出せば、ゲームの状態が止まるので安心して使っていける

ガレキの街「メガトン」にいるルーカスは、保安官の役割を果たしている
クエストはこんな小さな子供から依頼を受けることも

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