インターネットが3D空間になるとき――「internet Adventure〔iA〕」がもたらすものとは:セガの〔iA〕でできること(第1回)(1/2 ページ)
間もなくオープンβを迎えようとしている、セガの3Dインターネットサービス「internet Adventure〔iA〕」。一見よくある3D空間サービスに見えるが、そこにはセガならではのさまざまな工夫とアイデアが詰め込まれていた。
昨年よりクローズドβテストが実施されている、セガの3Dインターネットサービス「internet Adventure」(以下、〔iA〕/アイエー)が、新たな展開を見せようとしている。現在はテスター当選者のみプレイ可能となっているが、2月中旬からは誰でも参加可能なオープンβサービスへと移行する予定だ。
これに先駆けて、これから3回にわたり、〔iA〕とは何なのか、〔iA〕では一体何ができるのかを紹介していきたいと思う。第1回目となる今回は、〔iA〕の基本的な機能・コンセプトから見ていこう。と、その前にまずは一目瞭然、動画をご覧いただきたい。
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インターネットをもっと楽しいものに
まず、〔iA〕とは一体どんなサービスなのだろうか? たぶん多くの人がパッと見て思い浮かべるのは、「セカンドライフ」などの3D空間サービスだろう。インターネット上に広がる仮想空間がまずあって、ユーザーは自分だけのアバターを操り、さまざまなエリア(〔iA〕では「アイランド」と呼ばれる)を訪れたり、ほかのユーザーとコミュニケーションを楽しんだりすることが可能という点では、確かに3D空間サービスとしてのひと通りの機能を〔iA〕は備えている。
しかし一方で、〔iA〕にはほかのサービスにはないユニークな点も多い。中でも特徴的なのが、〔iA〕はあくまで「インターネットブラウザ」であり、3D空間単体で楽しむものではなく、「既存のWebサイトと連動し、インターネット体験をより楽しくするもの」であるという点だろう。
スクリーンショットを見ていただければ分かるとおり、〔iA〕を起動すると、デスクトップの壁紙部分がそのまま3D空間に置き換わり、ユーザーはその中を自由に歩き回ることができるようになる。この空間は、ユーザーが現在見ているWebサイトにそれぞれひも付けられており、例えば「Google」を閲覧中なら「Google」のアイランドが、「Yahoo!」を閲覧中なら「Yahoo!」のアイランドが自動的に表示される仕組み。アイランド上を歩いている他のユーザーは、リアルタイムで同じページを見ている人たち、というわけだ。もちろんブラウザ上でページを移動すれば、アイランドも自動的に、移動先のページのものに切り替わる。
多くの人にとって、インターネットと言えば普通は「1人でじっくり見るもの」でしかないだろう。しかし〔iA〕をインストールすると、普段見ているサイトが「誰かと一緒に見るもの」へと変わる。その「誰か」とは、たまたま同時にサイトを見ていた人でもいいし、友達や家族などの身近な人でもいい。ニュースサイトなら、気になったニュースを見ながらその内容について論議を交わしたり、動画サイトなら、オススメの動画を一緒に見て笑い合ったり……。「誰かと一緒に見る」ことで、これまでは見えてこなかった、インターネットの新しい楽しみ方が見えてくるはずだ。
そう考えると、〔iA〕の主役は仮想空間ではなく、あくまで「Webサイト」だと見るべきだろう。逆の見方をすれば、普段何気なく訪れているWebサイトのすべてに、アバターとチャット機能、仮想空間を勝手にプラスしてくれるサービス、と言えるかもしれない。
ユーザーの手で「アイランド」をいじる楽しさ
また、面白いのがこれらのアイランドは、サイトのオーナーが何か特別な手続きを行ったりしなくても、サイトのドメインに応じてすべて自動的に生成されるという点。もちろん、誰も訪れていない段階では何もないただの「島」だが、〔iA〕ではユーザーがアイランド上に家を建てたり、サイト上にある画像やテキストなどを配置したりすることもできるようになっていくということなので、訪れる人が増えるにつれて、少しずつアイランドごとの“カラー”が生まれてくる。世界中に存在する無数のWebサイトのすべてを、最初から3D空間として歩き回ることができる、というのはなかなか面白い試みだ。
ユーザーが配置できるアイテム(〔iA〕では「Pia(ピア)」と呼ばれる)の種類は、画像や動画、サウンド、テキスト、URLへのリンクなどさまざまだが、いずれもHDD内にある素材や、サイトで使われている画像などを、そのままアイランド上にドラッグ&ドロップするだけで、誰でも簡単に設置することが可能となっている。この機能を使えば、例えばアイランド上に旅行写真館などを作ってみたり、また面白かった記事へのリンクを置いておいて、それをクリックした誰かが、読んだ感想を看板にして置いていく――といったコミュニケーションも簡単にできるわけだ。なかにはPiaをうまく組み合わせて、お城や空中回廊のような巨大建造物を造っているサイトなどもあった。
提供:株式会社セガ
企画:アイティメディア営業本部/制作:ITmedia +D 編集部/掲載内容有効期限:2009年2月23日
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