単行本第2弾発売記念! 「コラムス」:ゲイムマンの「レトロゲームが大好きだ」(2/2 ページ)
単行本第2弾「レトロゲームが大好きだ 平成編」が発売されました! 平成編では、ここでしか読めない幻の「ぷよぷよ」記事を収録しています。そこで今回は、ぷよぷよと同じく大ヒットした落ち物パズル、セガの「コラムス」を取り上げてみましょう。
コラムス1000万点への解法
メガドライブ版コラムスには、アーケード版にはない追加モードがあった。
ひとつは“オリジナルゲーム”。難易度と開始時のレベルを選択できる。難易度は、NOVICE、AMATEUR、PROの3段階で、落ちてくる宝石の色が、NOVICEは4色、AMATEURは5色、PROは6色となる。
NOVICEだと難易度が低すぎて、ゲームがいつまで経っても終わらない。コラムスはWiiのバーチャルコンソールで配信されているが、Wiiだとゲームを中断して後日再開できるので、1000万点を超えることも難しくない。わたしは3000万点を超えた。ちなみにゲーム画面には、消したジュエルの数とレベルが表示されるが、ジュエルの数は9999、レベルは208でカンスト(カウンターストップ)になるようだ。
そんな簡単なモードで、だらだらと何時間もプレイしていても、けっこう楽しめた。いわゆるランナーズハイに近い状態になるのかもしれない。
そこまで時間がない人には、タイムトライアルがオススメ。3分間でどれだけスコアを稼げるか挑戦できる。
もうひとつのモードは“フラッシュコラムス”だ。アーケード版テトリスの続編として「フラッシュポイント」というゲームがあったが、それのコラムス版。特定の宝石をひとつ消すまでのタイムを競う。
消す宝石は最下段にある。最初から宝石がある程度積み上がっていて、それらを崩して目的の宝石を消すことになる。積み上がっている宝石は2段から9段まで選択可能。オリジナルゲームと同じく難易度も選べる。
9段の宝石を崩すのが難しいのはもちろんだが、2段や3段でも、もたついていると宝石が増えていくので、最下段の宝石を消すのがどんどん困難になっていく。
コラムスIIIはシングルプレイも対戦形式
アーケード版に「コラムスII」がすでにあったため、メガドライブではコラムスの続編が、いきなり「コラムスIII」になっている。1993年に発売された「コラムスIII〜対決!コラムスワールド」では、アーケード版ぷよぷよのようにCPUキャラクターと戦う「ピラミッドコラムス」や、最大5人までの対戦ができるさまざまなモードが搭載された。
ピラミッドコラムスでは、宝石を消した数や消し方によってポイントがたまる。最高30点までためられる。AかCボタンを押すと、このポイントを消費して相手のフィールドを1段上げ、自分のフィールドを1段下げることが可能だ。
また、この時は相手のフィールドに落下中の宝石が吹っ飛んでしまう。相手に魔法石が来たのを狙って、フィールドを上げれば効果大。
今回の魔法石(なぜか“魔宝石”ではない)は、どの宝石を下にするかで効果が変わる。“□”は初代の魔宝石と同じ。“▽”は自分のフィールドにある段を下げ、“△”は相手フィールドを2段上げる。
対戦は1人対2人とか、2人対2人とか、変則的なプレイもできる。
その後のシリーズ作品としては、「サクラ大戦」のキャラクターが出てくる「花組対戦コラムス」が有名。1997年にセガサターンとアーケードに登場し、後にドリームキャストで「花組対戦コラムス2」が発売された。
そのほか、アーケードではコラムスII、「スタックコラムス」と「コラムス'97」が登場。元祖コラムスと合わせて、4本まとめてセガサターンに移植された(SEGA AGES コラムスアーケードコレクション)。
携帯ゲーム機でもゲームギアとゲームボーイで「コラムスGB 手塚治虫キャラクターズ」、ゲームボーイアドバンスで「コラムスクラウン」が登場。ケータイアプリとしても移植されている。
ただし、落ち物パズルの先輩であるテトリスや、後輩のぷよぷよに比べると、微妙に影が薄いような気がする。テトリス、ぷよぷよと違って、攻略法があまり研究されなかったのかもしれない。
メガドライブ版コラムスとコラムスIIは現在、Wiiのバーチャルコンソールで配信されている。アーケード版の移植だけだと、家庭用ゲーム機では物足りないソフトになっていたかもしれないが、メガドライブ版独自のモードが面白くて、長い時間楽しめるソフトになっていると思う。
コラムス的風景は伊勢志摩にあった?
コラムスっぽい景色を求めて、宝石にかかわりのある場所へ行ってみようと思った。
ヒスイが取れる糸魚川や、宝石加工業が盛んな甲府も検討したが、いずれもコラムスっぽい写真が撮れるかどうか分からなかったので、結局、伊勢志摩に行ってみた。
鳥羽駅の近くにあるミキモト真珠島は、御木本幸吉が世界で初めて真珠の養殖を行なった場所。“宝石が次々と生み出される”という点がコラムスと共通する。さらに、島内の真珠博物館では、真珠がびっしり並ぶ地球儀や鐘などが展示されていて、まるでゲームオーバー間近のコラムスのフィールドみたい。
……「コラムスに真珠らしき宝石は出てこなーい」とかいわないの((C)姫ちゃん)。天然真珠は小さいので、養殖技術が確立する前のアクセサリーでは、ほかの宝石の周囲を真珠で縁取りするという使われ方が多かった。ということは、コラムスの白い枠線、あれを小さな真珠の集まりと解釈すれば……無理があるか。
志摩には、宝石を散りばめたような景色の、志摩スペイン村 パルケエスパーニャという明るいテーマパークもあるし、海に島々が点在する景色もまるで宝石みたい。
そして食べ物がおいしい。伊勢うどん。松阪牛。和菓子。そしてカキやカツオ、伊勢エビなどの海産物は、まさに”宝石箱や〜!”((C)彦摩呂)。
……ギャグの挿し込み方が、フジテレビの「近未来予報ツギクル」っぽくなってきた。
最後に伊勢神宮で、単行本のヒット祈願。新しいことを始める際にお参りするといいといわれる、天照大御神の荒魂をまつった荒祭宮と、豊受大御神の荒魂をまつった多賀宮には、特にじっくりと手を合わせた。
あっ! でも日本の総氏神である天照大御神に、こういう個人的なお願いをしてもいいんだろうか?
「えっと、この本がベストセラーになれば、ゲーム業界が元気だぞということを世間にアピールできますし、また開発コストの低いレトロゲームのリメイクや配信、レトロゲーム風の新作ゲームが注目されることで、各メーカーが安定した収益を確保できます。輸出産業でもあり、不況の影響が他業種に比べて小さいテレビゲームがますます発展することで、日本の国全体に活気が戻るというわけで、つまり“レトロゲームが大好きだ”が売れてくれれば、風が吹けば桶屋が儲かる式に、景気回復につながっていくのではないかと……」
祈りというより自分に対する言いわけみたいになってきた。しかもあんまり説得力ないし。
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