その後のマジコン、オークションからは姿を消したものの……?:日々是遊戯
任天堂らゲームメーカー54社が「マジコン」の販売業者5社を訴えていた、いわゆる「マジコン訴訟」。判決から約1カ月が経過し、その後ネット上での「マジコン」がどうなったのか追ってみました。
ネット上からはほぼ駆逐完了?
2月27日の地裁判決により、メーカー側の勝訴が決定した「マジコン訴訟」。あれから約1カ月が経過し、その後のマジコン出品の動きを調べてみた。
2月27日の判決を受けて、マジコンに類する商品の出品を禁止したYahoo! オークションでは、3月24日現在、マジコンそのものの出品はほぼ一掃されている模様。またAmazonマーケットプレースや楽天市場といったほかのサイトでは、昨年の時点ですでにマジコン類の出品を停止しており、ためしに「マジコン」「R4」などのキーワードで検索してみても、それらしい商品を見つけることはできなかった。いわば“最後の砦”となっていたYahoo! オークションが出品禁止という措置をとったことで、実質ネット上でのマジコンはほぼ姿を消したと言ってよさそうだ。
その一方で、販売業者もなんとか規約の網をくぐり抜けてマジコンを販売しようと、いろいろと知恵(?)を絞っている様子。例えばYahoo! オークションでは、一時期「マジコンそのもの」にかわって「マジコンの購入権」が大量出品されたが、そんな屁理屈が通るはずもなく、これについてはすぐ削除に。続いて出てきたのが「DS用TT社製3777788IC」というナゾの商品で、説明には「本品はDSTTやマジコンの出品ではございません」「装着すると重量が30グラム重くなり、DSを机に立たせた時の安定性を向上させます」などとあるものの、商品名にある「3777788」をケータイ打ちすると「DSTT(マジコンの商品名)」となることから、「周辺機器を装ったマジコンの出品では?」と話題に。とは言えこれも一時のことで、現在はこちらのアカウントも「停止中」となっており、3月24日時点で出品を確認することはできなかった。
で、「購入権」でもダメ、名前を変えてもダメということで出てきたのが「マジコンの格安入手方法マニュアル」なる商品。「現在は入手困難なマジコンを、格安で入手する方法を購入者にだけそっと教えます」というものなのだが、うーん、まあ、確かに「マジコンそのもの」を扱っているわけではないけれど……。ここまで来ると、売る方も売る方なら、買う方も買う方という感じである。ちなみにこちらの商品については現在も引き続き出品中。Yahoo! オークションと言えど、さすがに「入手方法マニュアル」まで取り締まることはできないようだ。
――と、まだ多少は販売業者とのいたちごっこが続いてはいるものの、2月27日以前に比べてマジコン関連の出品は大幅に減少していることは間違いなく、少なくとも以前のような“誰でもすぐ買える”状態ではなくなっていることがうかがえた。依然として秋葉原の一部店舗などでは普通にマジコンが売られていたりするものの、今回の訴訟がマジコン販売業者に与えた打撃は思いのほか大きかったと言ってよさそうだ。
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