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懐かしいけど新しい? 「今風」に生まれ変わったゲームブックたち日々是遊戯

80年代に一世を風靡した懐かしの「ゲームブック」が、現代風にアレンジされて、ホビージャパンの文庫レーベル「HJ文庫G」より発売中だ。というか皆さん、ゲームブックって知ってますか?

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さあ、ページをめくりたまえ!

「デストラップ・ダンジョン」(左)と「ハウス・オブ・ヘル」(右)

 ファミコン世代のゲームファンなら、たぶん一度は遊んだことがあるであろう「ゲームブック」。近ごろではめっきり見かけなくなってしまったが、先日書店で久しぶりに新刊を見つけ、懐かしさのあまりつい購入してしまった。

 一応説明しておくと、ゲームブックとは、読者の選択によってさまざまにストーリーが分岐していく、ゲーム形式の小説のこと。多くの場合、文章は数十〜数百ほどのパラグラフで区切られていて、「あなたの進む先に分かれ道がある。右の険しい道を進むなら2へ、左の緩やかな道を進むなら3へ」といった具合に、読者はテキストの指示に従いながら次のパラグラフを探して読み進めていくという形をとる。モンスターとの戦闘やトラップの解除など、運やステータスが絡む場面ではサイコロを振って結果を決めることもあり、正しいエンディングへたどり着くには、試行錯誤のほか運も必要となる。ゲームソフトを買うよりもずっと安く、しかも長く楽しめたため、筆者が子供の頃にはよくお世話になったものだ。

 今回購入したのは、ホビージャパンより昨年12月に発売された「デストラップ・ダンジョン」(イアン・リビングストン)、「ハウス・オブ・ヘル」(スティーブ・ジャクソン)の2冊。どちらも1980年代に発売された名作ゲームブックを復刻したもので、主人公の設定がかわいい女の子になっていたり、ライトノベルのような挿絵があちこちに挿入されていたりと、随所に「今風」のアレンジが加えられているのが特徴となっている。基本的な内容はそのままとは言え、原作を読んだことがある人だと、あまりの変わり様にびっくりするかもしれない(原作の邦題はそれぞれ「死のワナの地下迷宮」と「地獄の館」)。

 とは言え偏見を捨てて遊んでみると、どちらも「名作」の呼び声高い作品だけあってやはり面白い。「デストラップ・ダンジョン」の方は、ビキニ鎧の美少女冒険家フィリアが、5人のライバルたちとともに、いまだ誰も生還したことのない地下迷宮に挑戦する――というもので、まさにゲームブックの王道とも言える内容。薄暗い地下迷宮の中を手探りで進んでいくドキドキ感がなんとも心地良く、ゲームブック未経験の人はこちらから遊んでみるといいかもしれない。

 もうひとつの「ハウス・オブ・ヘル」の方は、ごく普通の女子高生マキが、迷い込んでしまった館で一夜のサバイバルを繰り広げる――というストーリーで、見てのとおりホラー色の強い作品となっている。こちらは体力とは別に「恐怖点」というパラメータが存在し、体力がゼロになった時だけでなく、恐怖が限界に達してもゲームオーバーになってしまうため、かなり難しい。とにかく歯ごたえのある作品がいい! というドMな人はこちらをどうぞ、というか筆者もまだクリアできてません……。

 今どきのRPGなんかに慣れていると、ページをめくって次のパラグラフを探したり、いちいちステータスの増減を鉛筆でメモしておく必要があったりと、いろいろ七面倒くさい部分も多いが、いざ遊んでみるとこのアナログ感が逆に楽しく、懐かしさ補正もあって思った以上にのめり込んでしまった。今となっては古書店やホビーショップなどでしか見かけなくなってしまった(しかも高い!)ゲームブックだが、復刻を機に、未体験の人もぜひこの面白さに触れてみてほしいと思う。

 ちなみにサイコロはなくても、ページ上部に印刷されたダイスのイラストで代用可能。あと必要なのものと言えば、メモに使う鉛筆と(ケータイのメモ機能などでも十分)、何度ゲームオーバーになってもめげない心くらい。さあ、ページをめくりたまえ!

主人公がかわいい女の子に変更されていたりするあたりが「今風」?
ダンジョン内では巨大なモンスターとの戦闘も
プレイ中はこのようなシートに記録を書き込みながら遊ぶ形となる

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