「ブラウザゲーム」日本でも火が付くか Vectorが参入、AQなどゲーム提供
欧州や中国で拡大している「ブラウザゲーム」を日本でも――ベクターがポータルサイトを設立し、AQが開発した「ブラウザ三国志」などを配信する。
ソフトダウンロードサイト「Vector」を運営するベクターは4月14日、Webブラウザ上で遊べるゲーム「ブラウザゲーム」のポータルサイト「ブラゲタイム」をオープンした。シミュレーションゲームなどを配信し、幅広いユーザーを取り込む。
主にJavaで構築されたゲームを配信する。まずは、中国産のシミュレーションRPG「ドラゴンクルセイド」と、AQインタラクティブが専用に作ったシミュレーションゲーム「ブラウザ三国志」のオープンβテストを始めた。
ドラゴンクルセイドは、中世のヨーロッパを舞台にしたゲーム。韓国やベトナムでも配信しており、最大同時接続数は100万に上る人気ゲームという。ブラウザ三国志は、領土を拡大して天下を統一するシミュレーションゲームで、「開発者のほとんどがハマった」とAQの武市智行社長は太鼓判を押す。
それぞれ、1日5分でも遊べるゲームだが、やり込むほど奥深く楽しめるという。基本機能は無料で利用できるが、数十円〜数百点程度でアイテムを有料販売して収益を得る。推奨ブラウザは、Internet Explorer 6/7/8、Firefox、Safari。
今後も国内外のゲーム開発会社からライセンスを購入するなどし、配信ゲームを増やしていく計画。サイトでは、ユーザーが投稿したFlashゲームも公開する。ポータルサイト全体で、まずは100万ユーザー獲得を目指す。
「なぜか遅れていた」日本で市場確立を
ブラウザゲームは、クライアントソフトのインストールが必要な従来のオンラインゲームと異なり、OSやマシンスペックに依存せず、手軽に楽しめるのが特徴だ。低スペックなNetbookや、最近シェアを拡大しているMac、iPhoneなどさまざまなハードで利用でき、すそ野は幅広い。
市場が最初に確立したのは欧州。2004年にドイツで誕生したシミュレーションRPG「Travian」は、日本を含む世界各国で人気に。2007年ごろから中国や韓国にも市場が立ち上がり、中国では2008年、80億円市場に成長したという。
ベクターは2006年にオンラインゲームに参入。07年にゲームポータル運営のGameSpace24を子会社化するなど、ゲーム事業を拡大してきた。日本では「なぜか遅れていた」(ベクターの梶並伸博社長)ブラウザゲームにいち早く参入し、市場を立ち上げる。将来は、携帯電話向けにもブラウザゲームを配信する計画。海外展開も視野に入れているという。
これまで、家庭用ゲーム機向けゲームを主に開発してきたAQの武市社長は、ブラウザゲームに参入した理由について、「家庭用ゲーム機もネットにつながっており、今後、PCや携帯電話などとほぼ同じ環境になっていくだろう。プラットフォームフリーのゲームは魅力」と話していた。
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