呪って怨んで10年、映画とゲームになりました――「呪怨」プロジェクト2009発足
4月15日、六本木のグランドハイアット東京において、AQインタラクティブと東映による「呪怨」プロジェクト2009記者発表が催された。
1999年に制作された「呪怨」は、ハリウッドでリメイク版が制作されるなど、ホラー作品としての金字塔を築いた。あれから10年、東映よりシリーズ最新作「呪怨 白い老女」「呪怨 黒い少女」の2作品と、AQインタラクティブよりWii「恐怖体験 呪怨」が今夏にリリースされることになった。なお、映画2本は、新宿バルト9と梅田ブルク7にて6月29日から公開される。
4月15日、映画とゲームで復活する「呪怨」のプロジェクト記者発表会が、六本木のグランドハイアット東京で開催された。
まず、「呪怨」プロジェクト2009概要について、プロデューサーの一瀬隆重氏と監督の清水崇氏が「呪怨」制作のきっかけとともに語られた。2人とも、「こんな立派なホテルで記者会見をやるような作品になるとは」と感無量の様子。しかし清水氏は「もう最初の作品から10年も経ってしまい、代表作が『呪怨』のままと」と、もうしばらくは「呪怨」じゃなくてもよかったんじゃないかと、苦笑いする。
そもそも「呪怨」は、一瀬氏が「リング」の脚本を書いた高橋洋氏から清水氏を紹介してもらったところから始まった。当時、東映でホラー作品を作ろうという動きがあり、清水氏が温めていた短編作品と合致したのだという。とはいえ、清水氏自身、中学生くらいまではホラー映画を見るのも駄目なほどの臆病だった。そんな恐がりだからこそ、怖さのアイディアが蓄積されていたのではないかと振り返る。一瀬氏からは、「とにかく怖いものを」というオーダーに従い、怖さを煮込んでいったのが「呪怨」だったのだそうだ。
当時、ビデオで発売された「呪怨」だったが全然売れずに、口コミで広がるにつれて、レンタルビデオ店の回転率が向上。借りることもままならずに話題が話題を呼び、テレビに取り上げられ、ついには映画版へとつながっていったとか。それもすべて“怖い”のひと言に尽きるのだろう。清水氏も一瀬氏から「とにかく怖いものであればいい」というお墨付きを得て始めて、方向性が定まったと語った。
話はハリウッド版に及んだが、制作の違いとしてとにかく“規模のでかさ”がいいにしろ悪いにしろ象徴的だったと清水氏。低予算だからこその怖さの演出だっただけに、豪華にすればするほど怖さが薄れるそうで、そこが一番苦心したとか。
そんな低予算で作り出されたビデオ版「呪怨」が、最新作のコンセプトと一瀬氏は語る。なお、「呪怨 白い老女」「呪怨 黒い少女」の2作品で清水氏は、監修にまわる。というのも、ホラー作品は若い監督の登竜門であるとした信念があるからだ。そこで今回は、2人の新人監督を抜てきしている。「呪怨 白い老女」を三宅隆太氏が、「呪怨 黒い少女」を安里麻里氏が監督を務める。脚本作りから少しずつ新しい「呪怨」が構築され、リメイクでも続編でもない「ネオ呪怨」が仕上がったと一瀬氏も自信をのぞかせるほどの出来とのこと。
発表会では、「呪怨 白い老女」の監督・脚本の三宅隆太氏をはじめ、出演者の南明奈さん、鈴木裕樹さんが登壇。また、「呪怨 黒い少女」からは監督・脚本の安里麻里氏をはじめ、瀬戸康史さん、中村ゆりさんが駆けつけた。
発表会では、もちろんAQインタラクティブより発売予定のWii版「恐怖体験 呪怨」についても触れられた。そもそも10周年と気づかせてくれたきっかけが今回のゲーム化がきっかけとのこと。エグゼクティブプロデューサーのビル・リッチ氏は、Wiiリモコンを懐中電灯に見立てたリアルなお化け屋敷を体験できる最適な素材として「呪怨」はどうだと、AQインタラクティブの吉原正訓氏に提案したところ、偶然にも清水氏の飲み友達だったことが判明し、今回のゲーム化の運びになったと明かした。
「恐怖体験 呪怨」については史上、最恐――「恐怖体感 呪怨」を参照のこと。
清水氏には監修をお願いしていたのだが、その恐怖へのこだわりは半端でなく、完全に開発陣の一員として、演出面などに深くかかわっていると吉原氏。「Wiiリモコンを振るだけで動けるし、いたずら機能もある。本当に、夜の廃墟に忍び込むような怖さを楽しめる。実際の廃墟に入るのは違法ですが、これなら法律の範囲内で楽しく怖がれる」と清水氏も太鼓判を押した。
「恐怖体感 呪怨」 | |
対応機種 | Wii |
ジャンル | ホラー |
発売予定日 | 2009年夏 |
価格 | 未定 |
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