格差社会の恐ろしさが分かる、「人生ゲーム極辛」遊んでみました:日々是遊戯
「百年に一度の大不況」と呼ばれる世相を反映し、あの「人生ゲーム」が「極辛」になって登場! ということで、さっそく遊んでみましたよ。
まさしく人生の縮図
4月23日にタカラトミーより発売となった、おなじみ「人生ゲーム」シリーズの最新バージョン「人生ゲーム極辛」。“百年に一度の大不況”と言われる昨今の世相を反映し、就職難やリストラ、株価暴落といった世知辛いイベントを多数盛り込んだ、まさに「極辛」仕様な人生が体験できてしまう今作。さっそくメンバーを集めて遊んでみました。
今回「極辛」な人生に挑んだのは筆者と、日々是担当編集のK氏、そして「家が近所」という理由だけで呼び出された、某ライバル媒体のM氏の3人。ちょっとした媒体対抗戦みたいな感じになっていますが、とにかく今回はこのメンバーで行くことに。それぞれ自分が乗る車の色を決め、銀行から8000ドルを受け取ったら、いよいよ長く過酷な人生のはじまりです。
まずは序盤、職業を決めるルート選択では、筆者とK氏が「ビジネスコース」を、M氏が「専門職コース」を選択。“シリーズ史上もっとも就職が難しい”と言われる本作ですが、筆者とK氏は手堅くビジネスマンに、M氏も運良くホテルマンに就職することに成功し、まずは3人ともホッと一安心。ちなみにここでもし就職できないと、もれなくフリーター街道まっしぐらとなりますが、今回は残念ながら犠牲者なし。
しかしもちろん、そう簡単にはいかないのが「極辛」の「極辛」たるゆえん。無事に就職できて喜んだのもつかの間、今度は「カレーうどんの汁がネクタイにはねる」「終日届く迷惑メールに疲労困ぱい」といった「ストレスマス」に止まりまくってしまい、とうとう筆者のストレスが大爆発。今作では新たに“ストレスが溜まりすぎると罰金2万+1回休み”というルールが加わっていて、これがけっこうシビア。手持ちのお金では罰金に足りず、まずは筆者がいきなりの借金生活に突入。さらに続いてK氏もストレスの餌食となり、ITmediaコンビは二人そろって借金地獄に陥るハメに。トホホ……。一方、なぜか奇跡的な出目運でストレスマスを回避し続けたM氏は、早々にホテルマンからホテル王へとランクアップ。一気に上流階級の仲間入りを果たし、ITmediaコンビを引き離しにかかります。
そして中盤、結婚&家購入という一大イベントも終え、いよいよ「極辛」最大のヤマ場とも言える「スパイラルゾーン」へと突入。ここは突入時のストレスによって「ハードコース」と「ノーマルコース」のどちらかに分岐する恐ろしいエリアで、相変わらずストレスフルなITmediaコンビはめでたくハードコース送りが決定。ノーマルコースをのんびり進んでいくM氏を横目に、ひいひい言いながらハードコースを進んでいきます。ル、ルーレットを回すたびにお金が飛んでいく……。ちくしょう、これが格差社会というやつか!!
結局、なんとかスパイラルゾーンは抜けたものの、ITmediaコンビはここで貴重な資金をさらに消耗。一方、ノーマルコースを進んだM氏は、給料はハネ上がるわボーナスは出るわでウハウハ状態に。その後もなんとか追いつこうと奮闘したものの力及ばず、最終的には1位M氏、2位K氏、そして筆者がビリという結果でゲーム終了となったのでした。ちなみに総資産は、M氏が約120万ドル、K氏が約40万ドル、そして筆者が約25万ドルといったところ。ITmediaコンビ、二人合わせてもM氏に勝てませんでした……。というかM氏、聞くところによれば実は「人生ゲーム」初体験だったとか。な、なんという屈辱……。
さすがに「極辛」というだけあって、ドツボにハマった時のやるせなさは相当なもの。それでも今回は全員、かろうじて職にはありついていたためまだマシだった方。これでもし筆者やK氏がフリーターだったらと思うとぞっとします。
また一方で、M氏のようにいったん「勝ち組」の波に乗ってしまいさえすれば、正反対の「極甘」な人生が送れたりもするあたり、現在の「格差社会」を如実に表しているよう。同様に、「勝ち組」「負け組」がはっきり分かれる「スパイラルゾーン」も、突入前後の盛り上がりは相当なもの。人生の縮図をリアルに感じられるという意味で、まさしく「人生ゲーム」の名にふさわしい作品と言えるかもしれません。
「その場の空気が読めず大失敗」「落書きされた世界遺産の修復に寄付」など、時事ネタをうまく織り込みつつ、マイナス効果なのについつい笑ってしまうマス目の文言も秀逸。大人も子供も楽しめるパーティーゲームとして、たまには家族や友達と遊んでみてはいかがですか?
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