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「龍虎の拳」は100メガショックと言わざるを得ないゲイムマンの「レトロゲームが大好きだ」(3/3 ページ)

連載第74回にして、初めてSNKのゲームを取り上げます。ネオジオの「龍虎の拳」。100メガビットものデータ量を生かして、独特のシステムに加え、ストーリー性も盛り込んだ、人気の対戦格闘ゲームでした。現在でも、Wiiやプレイステーション 2で遊べます。

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「ん? よゆうッチ!」

対戦前に交わされる会話が豊富。ストーリーモードはなくなったが、こうした会話がストーリー面を支えている

 1994年、「龍虎の拳2」が登場した。

 ユリが救出されてから1年。サウスタウンで異種格闘技戦「キング・オブ・ファイターズ」が開催されることになった。12人の格闘家がそれぞれの思惑を持って参加する。しかしこの大会の裏では、ある男が暗躍していた……。

 前作のキャラクターはほぼ全員、「2」でも引き続き登場している(Mr.カラテはタクマ・サカザキとして登場)。必殺技の少なかったキャラクターにも新しい技が加わり、今回は全員に超必殺技と隠し必殺技がある。

 ただし唯一、藤堂竜白だけがいなくなっており、格闘ゲームファンの間で話題になった。その後、藤堂は「ザ・キング・オブ・ファイターズ」シリーズにおいて、毎回のように背景のどこかに隠れているが、格闘家として出場したことはない。

 もっとも、「ザ・キング・オブ・ファイターズ2000」では、隠れキャラクター(マニアックストライカー)として、藤堂に似た人物が登場する。また、カプコンが2001年に発売した「CAPCOM VS.SNK 2 MILLIONAIRE FIGHTING 2001」で、実に9年ぶりとなるプレイヤーキャラクターへの復帰を果たした。……その後また背景に戻されたけど。

 「龍虎の拳2」の新キャラクターは、忍者の如月影二、モンゴル相撲のテムジン、そしてユリ・サカザキ。ユリは前作で救出された後、リョウに隠れてタクマの道場で空手を習い、格闘家として大会に参加したのだ。

 前作の“悲劇のヒロイン”のイメージはどこへやら。テムジンやリーの姿を見て笑い出すわ、Mr.ビッグをハゲ呼ばわりするわ、戸惑うリョウやロバートを前にしても戦う気満々だわ、勝ったときの決めゼリフが「よゆうッチ!」だわ……。(「よゆう」がひらがなで「ッチ」がカタカナと決まっているらしい)

 「ALL ABOUT 龍虎の拳2」(スタジオベントスタッフ編・電波新聞社)という本によると、ユリはもともとああいう性格だったらしい。とはいえゲームの中でも、ユリと対峙したリョウが、「格闘技を始めてから性格が変わってきた」とはっきり言っている。

 ちなみに、「龍虎の拳2」のテレビCMでは、ユリの役をあの浜崎あゆみさんが演じていた。幸い(?)、イメージは前作のユリに近い。

対戦相手に容赦ない口撃を加えるユリ。タクマの極限流空手を習っているから同じ技が使えるが、百烈ビンタなどオリジナルの技も使う
で、これが「よゆうッチ」のポーズ。前作では状況が状況だったからおとなしかったというだけか?
今回はキングだけじゃなく、ユリも必殺技でKOされるとこんなことに……

「コミッショナーがあなたにお会いしたいと申しております」

 1セットも落とさずに勝ち進めば(コンティニューしてもOK)、最後に「餓狼伝説」のギース・ハワードが出現。「餓狼伝説」よりも時代設定が昔のようで、ギースがちょっと若い。

 ギースを倒すと、通常のエンディングの前に、ギースが逃亡するシーンが見られる。だがギースはすごく強いので、なかなか倒せない、らしい。

 “らしい”というのは例によって、わたしがそんな先まで進めずにいるから。「龍虎の拳2」は対戦格闘ゲーム全盛期に登場したので、1人プレイでの敵の強さが、ものすごいことになっている。

 PS2の「龍虎の拳〜天・地・人〜」でコンティニューしまくっても、全然先へ進めなかったので、またスーパーファミコン版をプレイせざるを得ない(発売元:ザウルス)。

こちらがスーパーファミコン版。覇王翔吼拳の迫力もここまで再現
そして脱衣KOもちゃんと再現。「龍虎の拳」もそうだったが、なぜかネオジオ版と色が異なる

 ネオジオ版より難易度が低かったので、どうにかエンディングを見ることができた。なお、各キャラクターの戦う目的がそれぞれ違うため、全員に異なったエンディングが用意されている。

 ちなみにスーパーファミコン版では、隠しコマンドを入力すると、対戦でギースを使うこともできる。ザウルスのロゴ画面で、左下→右→右下→下→左下→左→右下+YR。

いちばん低い難易度でもギースに会えるので、わたしの腕でもギース戦にこぎつけることができた
エンディングのスタッフロール中には、このような小ネタがいくつも用意されている

 1996年に登場した「ART OF FIGHTING 龍虎の拳外伝」では、リョウとロバート以外のキャラクターが総入れ替えとなった。失踪した藤堂竜白を探して旅をする、娘の藤堂香澄が初登場。父と同じく重ね当てを使う。

 で、このゲームもPS2の「龍虎の拳〜天・地・人〜」でプレイしたが、イージーレベルでも案の定、中盤以降がかなりキツい。だからエンディングを見るためには、スーパーファミコン版をプレイせざるを得ない。

「ART OF FIGHTING 龍虎の拳外伝」は、キャラクターの動きが一層滑らかになっているのが売り

 ……「龍虎の拳外伝」には、スーパーファミコン版が出ていなかった……。

 ネオジオ以外の家庭用ゲーム機への移植は、今のところ「龍虎の拳〜天・地・人〜」のみ。だからエンディング画面の写真撮影はあきらめざるを得ない。

 「外伝」を最後に、「龍虎の拳」シリーズに新作は出ていないが、主力キャラクターは、並行してシリーズ化されていた「ザ・キング・オブ・ファイターズ」に登場している。

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