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今さらっ? 2008年北米市場を振り返るのだ!くねくねハニィの「最近どうよ?」(その31)(2/4 ページ)

年明けからぶっサボってたため、こんな時期に2008年を振り返っちゃってるくねくねハニィ。空前の大市場と化した北米市場をハニィ視点で語ってみたので、「おっせぇよ」と言わずに読んでみてくれぇい。

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2008年北米市場規模

 史上最大規模と言われた市場の2007年度に比べてさらに19%(金額ベース)も市場全体として大きくなったと言われている。実に北米ゲーム市場規模は213.3億ドル(約2兆円)。日本の4倍くらいかなぁ。為替はおいといても、オープン価格とかプライスプロテクションとか考えると、ソフトの値段が北米の方が安いので、日本の6倍くらいの本数が出てるのだ。北米のNDS向けソフトの売上本数(7550万本)だけで、日本の全プラットフォーム売上本数(6110万本)を軽く抜いてしまってるのはどうなのかと。

 ちなみにちょいとイヤなことを言いますけど、「オープン価格制」と言う資本主義においてもっとも進んだ形を取っている欧米は、あまり本数を気にしませんの。あくまでも売上。値段は時間と売れ行きによって変化するので当たり前っちゃ当たり前。日本の業界ではあまりに「本数」を重視し過ぎてる気がするなぁ。しかもオンラインが多様化してダウンロード売り切りだったり、アイテムで少額課金したり、そのコンビネーションだったりって複雑化しているので、パッケージ製品の本数だけで「売上」を語れなくなってきてるのよね〜。

 あ、また横道に反れた……。それで、前の記事にも書いたけど、ゲーム業界は「不況に強い」と言われていて、みんなが遊びに行くお金をセーブして家にいるようになると、旅行や外食の代わりに家でお手軽に楽しめるゲームの出番なのだね。ほかの産業がものすごく冷え切ってると言われてるのにこの成長っぷりはすごいよね。

 ただ、残念ながら不況の影響は各メーカーに影響してて、THQが傘下の開発会社を5社閉めたり、EAが2回もリストラしてワールドワイドで数百人を解雇したらしいの。マイクロソフトも傘下の老舗開発Ensenbleを閉鎖、年が明けてからはMidwayが会社更生法の下破産。欧州に波及してイギリスのパブリッシャーEmpire Interactiveが4月に倒産、などなど、決して順風満帆な状況ではない。勝ち組と負け組が鮮明になったともいえるね……。

ハード:2008年年間

Wii1017万台
Xbox 360473万台
PlayStation 3355万台
PlayStation 2250万台
Nintendo DS995万台
PSP383万台
NPDデータより

 Wiiは2008年だけで1000万台を超える台数を叩き出したけど、今となってはWiiというネーミングへのいちゃもんとか、「絶対売れない」って言ってたアナリストたちはどう釈明するのかしら? だってさ、Wiiは2008年に陰りが見えるだろうとまで言ってたんだよ? どう落とし前つけるんだ? なんて意地悪なことを考えたりするハニィだけどね。供給不足にも関わらずこの台数ってことは、ニーズに応じた台数を任天堂が準備してたらどうなってたのかしら? 発売以来値下げらしい値下げもなく初期設定価格で売れ続けたので、任天堂が市場をコントロールするために在庫調整してるんじゃないか? って噂もあったけど、まぁ、任天堂が思ってたよりも売れちゃったってのがホントのところではないかと(笑)。

 ニンテンドーDSも同様。ほぼ1000万台売っちゃった。2009年4月に発売されるDSiにどうやって買換需要を喚起していくのか2009年の任天堂のソフト戦略も見ものだわね。

 2007年に比べると、実はPSファミリー以外はすべて販売台数を伸ばしているの。つまり、SCEのハードすべて販売台数を落としてる。PS2は旧ハードとしての位置づけと考えればやむを得ないかもしれないけど(4月1日から値段を下げて129.99ドル→99.99ドルだけど、もう遅いよね感は否めないなぁ)、PS3は、遅すぎて認知度がイマイチ(涙)のHomeのローンチはともかく、期待されてた「Little Big Planet」や「Resitance 2」などの1stパーティタイトル、エクスクルーシブタイトルだった「Metal Gear Solid 4 Guns of the Patriots」(KONAMI)などの健闘もむなしく、ハード販売を前年より広げることはできなかったの。それでも2008年の販売台数は日本の4倍以上、累計のインストールベース(出回ってる総台数:680万台)は日本の2.5倍を超えてるのはすごいよね。

 PSプラットフォーム専用だった「Grand Theft Auto」シリーズがXbox 360とのマルチ対応になったことや、大型マルチプラットフォームタイトルの発売が同時発売をせず、PS3版だけ遅れることがあること、マルチで発売すると必ずXbox 360向けがPS3向けを大きく上回ること、などなど、いろいろと考えると、PS、PS2で構築してきたPlayStation神話はものすごい勢いで崩れてしまった気がする。SCEは何とかしないとねっ! 「もうゲーム開発の話の中でSCEの話がそのうち、“ついで”以外では出てこないよ?」ってあるアメリカのパブリッシャーが言ってましたぜ。

 オンラインものだとXbox 360でのコミュニティが強固にできちゃってるから、今さら自分だけPS3へ移れない(海外ユーザー談)って話もあって、ネット対応の遅れは致命的だった模様。まずはユーザー層を広げることが大事。ぜひPS3の値下げをっ!

 Xbox 360は低価格戦略を展開して、順調に台数を伸ばしてきてるけど、ソフトも堅調ですねぇ。でも、マイクロソフトは低価格戦略のおかげで赤字幅が広がってきてるらしい。ハニィが個人的に悲しいのは「Age of Empire」シリーズや3月にランクインしている「Halo Wars」の開発子会社であるEnsemble Studiosを閉めちゃったことかなぁ。ものすごくいい会社だったんですけどねぇ。

ソフト:2008年年間

1「Wii Play」(Wii)Nintendo527.8万本
2「Mario Kart」(Wii)Nintendo499.7万本
3「Wii Fit」(Wii)Nintendo452.8万本
4「Super Smash Bros」(Wii)Nintendo416.6万本
5「Grand Theft Auto IV」(Xbox 360)Take2310.7万本
6「Call of Duty: World at War」(Xbox 360)Activision274.8万本
7「Gears of War 2」(Xbox 360)Microsoft230.8万本
8「Grand Theft Auto IV」(PS3)Take2189.3万本
9「Madden NFL 09」(Xbox 360)EA187万本
10「Mario Kart」(NDS)Nintendo165.5万本
11「New Super Mario Bros」(NDS)Nintendo163.4万本
12「Guitar Heroic Legends of Rock」(Wii)Activision151.3万本
13「Guitar Hero World Tour」(Wii)Activision150.8万本
14「Nintendog's」(NDS)Nintendo147.6万本
15「Link's Crossbow Training」(Wii)Nintendo138.3万本
16「Guitar Hero on Tour」(NDS)Activision125.9万本
17「Mario and Sonic: Olympic Games」(NDS)Sega118.8万本
18「Brain Age 2:More Training in Minutes a Day」(NDS)Nintendo106.9万本
19「Game Party」(Wii)Midway115.4万本
20「Super Mario Galaxy」(Wii)Nintendo115.2万本
NPDデータより

 任天堂のひとり勝ちでしょ? ほら、ワンダースワンを買ったら「Gunpei」を買ったように(笑)、Wiiを買ったら絶対に買っとけソフトがたくさんあるんだよね。「Wii Play」(はじめてのWii)はコントローラの価格に10ドルプラスすればソフトもついてくるお買い得感が功を奏して、今の段階で1000万本超えましたよ。つまり、Wiiを購入した2人に1人は必ずこのソフトを買ってるってこと。「Wii Play」(はじめてのWii)や、「Wii Fit」、「Mario Kart」、「Super Smash Bros:Brawl」は、いわゆる「買っとけ」ソフト。「Link's Crossbow Training」なんかも含めて発売時期に関わらず、Wiiが動くとソフトも動く状況になってますね〜。

 ご覧の通り、PS3は「GTA IV」しかトップ20に入っていませんの。Xbox 360とのタイトル数を比べても、2007年こそ大きな差はあったものの、2008年はほとんど差がなく両者150タイトル前後のタイトルが発売されたのに、この状態ってのはどうしたもんでしょうか。期待されたエクスクルーシブタイトルが思ったよりハードをけん引しなかったのは残念。PS3エクスクルーシブタイトルで100万本を超えたのは「Metal Gear Solid 4 Guns of the Patriots」のみでした……。

 マルチプラットフォームで開発・発売されるタイトルが多いハイスペック機においては、出回ってる台数やネットワーク機能の簡易性を考えると、どうしてもXbox 360向けが好まれる傾向は否めないのよねぇ。

 Xbox 360向けは「Gears of War 2」や「Fable2」などのエクスクルーシブタイトルが好調でソフトの売上を伸ばしているの。でも、パッケージソフトの初回生産ロット(最少発注数)を引き上げるなどの措置をMSがしたため、中堅以下のソフトメーカーが参入できにくくなってるのも事実。だって、ある程度の売り上げを確保できる保証がなければ、たくさん作ってしまっても在庫になってしまって製造費が回収できないかもとか、その在庫を置いておくところをどうしよう……とか考えなきゃいけないでしょう? ラインアップを増やすよりも「売れる」タイトルだけを出してほしいってことらしいけど、良質のソフトをコツコツと売りたい日本のメーカーにとってはつらいところですねぇ。何か多様なユーザーニーズに対応してない気もするなぁ。

 そう言えば、NPD(データの会社)がアメリカのコンソールに対するネット装着率(購入したハードがどのくらいの比率でネットにつながれているか)をサンプリング調査をしたところ、Xbox 360が50%、Wiiが意外に多くて29%、何とPS3が20%という結果が出たそうな。あくまでもサンプリング調査なので一概には言えないけど、これって、PS3はゲーム機じゃなくて「ブルーレイディスクプレイヤー」として使われてる比率が高いんじゃないの? とハニィは思ったの。もちろん20%の人はゲームをバリバリ遊んでくれてるんだろうけど、インストールベースも低く、ネット装着率も低いとくれば、それってPlayStation Networkがきちんと機能してない、ってことじゃないんすかねぇ? やはりここでもネット対応が遅れてないかという気がしてなりません。

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