合成音声でミサトさんがニュースを読み上げる「葛城ミサト報道計画」の実力やいかに?:日々是遊戯
6月6日よりスタートした、PS用報道番組「葛城ミサト報道計画」。最新の音声合成技術で再現されたという「三石ボイス」とはいかほどのものなのか?
ミサトさんが報道番組のキャスターに
既報の通り、バンダイナムコゲームスは6月6日、アニメ「ヱヴァンゲリヲン」の登場人物・葛城ミサトがニュースキャスターとなって、様々なニュースを読み上げてくれるPS3向け報道番組「葛城ミサト報道計画」をリリースしました。詳しくはこちらのニュース(「ミサトさんはニュースキャスター――『葛城ミサト報道計画』」)をどうぞ。
ニュースを読み上げてくれるミサトさんの声は、日立超LSIシステムズの最新音声合成技術「Ruby Talk」により自動生成される仕組み。ミサトさんファンとしては、生の「三石ボイス」でないのがちょっと残念ですが、“最新音声合成技術”とPS3の力でどこまで「ミサトさん」を再現できるのかもちょっと気になるところ。百聞は一見にしかず――というわけで実際に購入して確かめてみました(ソフト自体は無料ですが、番組の視聴には30日800円のライセンス購入が必要)。
1番組あたりのボリュームは25〜50分となかなか
ニュースの内容は社会・経済から芸能、スポーツ、サブカル(ゲーム含む)まで幅広く、1回の配信で大体25本程度のニュースをチョイスして取り上げてくれます。1本のニュースを読み上げるのに大体1〜2分かかるので、番組全体では25〜50分程度となかなかのボリューム。もちろん、興味のないニュースは飛ばすことも可能です。
番組は最初にタイトルロゴが表示され、ミサトさんの挨拶に続いてその日のヘッドライン表示、その後個別のニュース読み上げへ――といった流れで進行していきます。番組の編成や画面レイアウトなどは実際のニュース番組にかなり忠実で、例えるならバラエティ色の薄い、朝5時台の「めざましテレビ」といった感じ。前半は比較的マジメなニュースを中心に扱い、後半ではサブカル・ゲーム系の話題がメインとなっています。
まだまだ「ミサトさん」には遠い音声合成
ただ残念だったのが、期待していた「ニュース読み上げ」がイマイチだったこと。確かに、人の手による調整なしでこれだけ喋れるのはスゴいと思いますが、これが「ミサトさん」かと問われると、あくまで個人的な感想ですが、正直「うーん……?」といった感じ。やはりまだまだ「ロボット声」っぽさは強く残っており、長時間聞き続けるのはちょっとツラいかも、という印象を受けました。
とは言え漢字や人名の読み方など、読み上げの精度はかなり高く、仮にこれが「ミサトさん」ではなく、無機質なロボットのようなキャラクターだったらきっと「おおっ、すげぇ!」となっていたはず(たまに「爆心地」を「ばくごこち」と読んだり、「原寸大ガンダム」を「げんすんおおがんだむ」と読んだりといったお茶目なミスもやらかしますが)。なまじグラフィックのデキがいいだけに、余計に違和感が際立つ結果になってしまっているのがつくづく残念です。
30日800円は高い? 安い?
そのほか、気分を変えたい時にはオプションでミサトさんの衣装や髪型、背景を変更することも可能。初期状態では、衣装はいつものドライブルック1種類のみ、髪型はロングとポニーテールの2種類、背景は司令室・マンション・教室の3種類からそれぞれ選択することができます。現時点で選択できない衣装などについては、今後追加コンテンツなどの形で配信されていく模様。
ニュース番組としての作りは意外にしっかりしており、また文字を目で追わなくても声でニュースを読み上げてくれるため、「なにか別のことをしながら、とりあえず立ち上げておく」といった使い方ができるのはちょっと便利。字幕に頼らなくても、耳だけで十分にニュース内容を理解できるのは「Ruby Talk」さまさまです。
ただ「まいにちいっしょ」や「Life with PlayStation」、Wiiの「ニュースチャンネル」といった同種のニュース配信サービス(いずれも無料)に比べて、本作のライセンス料は30日で800円とかなり強気の設定。ニュース配信サービスとしては十分な機能・クオリティを持っていますので、あとは「ミサトさんがニュースを読んでくれる」という付加要素に、それだけの価値を見いだせるかどうかがポイントでしょうか。
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