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胸のドキドキは恋? それとも――25歳女性記者、「ラブプラス」とスイスの山を登る

付き合い始めたばかりの“彼女”「姉ヶ崎寧々」を連れ、女性記者(25)がスイス・アルプスの山を登ってきた。3500メートル地点に立ったとき、記者の胸のドキドキは最高潮に。あれは恋のときめきだったに違いない。

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空港にて(C)2009 Konami Digital Entertainment

 「紳士も非紳士も女子も腐女子も、是非プレイすべし!」――Amazon.co.jpに投稿されたこんなレビューに突き動かされ、記者(25歳♀)はシルバーウィーク直前に、ニンテンドーDS用恋愛シミュレーションゲーム「ラブプラス」を手に入れた。

 ネットで大いに話題になっているラブプラスだが、アイティメディア社内でも旋風を巻き起こしていた。編集長はオフィスでニヤニヤ操作山登りに持っていった同僚もいる。

 連休は2次元の“彼女”とともに――そう決心した記者は、社内の猛者たちに負けじと、ラブプラスを持って、旅行先のスイスへ出掛けた。

機内で甘酸っぱい青春をかみしめる

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空港出発ロビーでもやってみた

 ラブプラスは、高校を舞台にした恋愛シミュレーション。3人の女の子のうち1人を攻略して恋人にし、“彼女のいる高校生活”を楽しめる。女性が楽しめるかは未知数だったが、Amazon.co.jpの「女子もプレイすべし」というレビューを信じることにした。

 飛行機に乗り、ニンテンドーDSを開く。前日からプレイを始め、“彼氏力”を高めてきた記者は、さっそく2人の女の子からデートに誘われるモテっぷりで、思わずニヤつく。女の子の照れた表情や声に萌える。少女漫画を読んで、キュンとしたりハラハラする感じに似ているかもしれない。

 意外と女性でも楽しめるじゃないか。飛行機の高度とともに、記者のテンションも上がっていく。同行する妹が少し冷めた目でこちらを見ていたのは気になったが、仮眠を取りつつプレイを続け、デートに励む。

 飛行機が経由地へ到着するまであと1時間となったとき、女の子の1人「姉ヶ崎寧々」に呼び出された。寧々が、もじもじしながら、上目使いで話し始める。「私をあなたのそばに置いてほしいの」――記者の答えはもちろんイエス! 上空で甘酸っぱい青春をかみしめた。

アルプスの山(3454メートル地点)にて

 ふと思えば、記者は恋のときめきから随分遠ざかっている。それどころか最近心がすさんできた気さえする。スイスの雄大な景色を見て心を浄化したいところだ。

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「Top of Europe」の看板と。ニンテンドーDS画面には「高嶺愛花」が映っているが、記者の恋人は寧々さん!

 旅のハイライトは、アルプス山脈にある山・ユングフラウ(標高4158メートル)を見に行くこと。標高3454メートル地点にあるユングフラウヨッホ駅まで鉄道で登り、駅の展望台から眺めるのだ。

 列車が急勾配のトンネルを登っていく。“彼女”を入れたかばんが棚からずれ落ちそうになり、急いで手で押さえる。危ない、危ない。

 頭が痛くなり、空気が薄くなってきたと感じ始めたころ、ユングフラウヨッホ駅に到着した。ヨーロッパで一番高い位置にある鉄道駅であることを示す「Top of Europe」の看板を見つけ、思わずラブプラスと一緒に記念撮影する。周りの旅行者の視線が痛い。

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ニンテンドーDS画面が暗くてわかりづらいが、ラブプラスをプレイ中

 はやる気持ちを抑えられず、駆け足で展望台へと向かう。4000メートル級の山々と氷河が目の前に広がり、息をのむ。もちろんここでもDSを開き、“彼女”を連れて来られたという達成感に浸る。太陽光が雪に反射して、まぶしい。画面のなかの彼女の笑顔もまぶしい。

 普段より胸がドキドキしている気がする。これは恋のときめきに違いない。「高山病じゃない? 少し息切れしてるみたいだし」という妹の冷静な突っ込みは、この際無視することにした。妹よ、姉は寧々に“ハァハァ”しているだけなのだ。

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