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アメリカ空軍が2500台ものPS3を調達した理由とは?日々是遊戯

発売前から「スーパーコンピュータ並みの性能」と言われていたPS3ですが、実際にスーパーコンピュータとして活用される動きが広がっています。

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決してゲーム目的ではありません

9月3日に日本で発売となった新型PS3。価格は2万9980円(税込)。12月17日に発売となる「ファイナルファンタジー13」を機に購入するユーザーも多いと推測される

 連邦政府の発表によると、アメリカ空軍は今年になって合計2500台(3月に300台、11月に2200台)ものプレイステーション 3を軍事目的で調達しているそうです。

 目的はもちろん、戦いに疲れた兵士たちを「週刊トロ・ステーション」で癒すため……ではなくて、各種軍事シミュレーション(ミサイルの弾道計算など)を行うスーパーコンピュータ開発のため。アメリカのニュースサイト「ZDNet」が12月14日に掲載した「Why the Air Force wants 2200 more PlayStations」という記事によれば、現時点でスーパーコンピュータを開発するにはCellチップがもっとも効率的であり、なおかつPS3を使用することで、一般的なCellチップ搭載サーバーでシステムを組んだ場合に比べて、およそ10分の1のコストで同等の性能を実現できるとみられているそうです。

 現状、北米におけるPS3本体の販売価格は299ドル。すべて定価で調達したと仮定して、2500台だとおよそ75万ドル(=約6700万円)が費やされた計算になりますが、つい先日「事業仕分け」で話題となった次世代スーパーコンピュータの開発予算がおよそ268億円(2010年度予算概算要求)だったことを考えると、この数字がいかに「破格」であるかが分かります。「Folding@Home」をはじめ、PS3の高い演算性能には以前から注目が集まっていましたが、あらためてその有用性が証明された形と言えそうです。

 ちなみに他の事例としては、2008年にIBMが開発した「Roadrunner」というスーパーコンピュータもあり、こちらは約1万3000基もの改良版Cellプロセッサを使用することで、史上初めて1ペタフロップス(1秒間あたり1000兆回の演算が可能)もの処理能力を達成していたりします。アメリカ空軍のスーパーコンピュータがどれくらいの処理速度になるのかは不明ですが、PS3の実力を証明するためにも、ぜひ結果に期待したいところです。

ZDNetに掲載された「Why the Air Force wants 2200 more PlayStations」(ZDNetより)

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