ゲーム作りの参考になる? 「えりかとさとるの夢冒険」:ゲイムマンの「レトロゲームが大好きだ」(2/3 ページ)
連載第82回は「えりかとさとるの夢冒険」(ナムコ)。2人同時プレイができるアドベンチャーゲームです。動物が人間のように暮らす“不思議な世界”を探検する、ほのぼのとした世界観なのですが……。
スッポロ雪まつり
動物が人間のように暮らすメルヘンチックな世界なのに、なぜか出てくる町はすべて、実在の日本の都市がモデルになっている。ちょっとしたパラレルワールドなのだ。
第1章の舞台は“スッポロ市”。明らかにモデルは札幌市で、地面が雪に覆われている。公園では雪まつりが開催されており、巨大な雪像が立っている。
この時代のアドベンチャーゲームには、ゲームに変化をつけるため、コマンド選択システムだけでなく、途中にアクションやパズルなどを挿入した作品が多かった。個人的には、途中でブロック崩しや、箱入り娘パズルが出てきた、MSXの「シャロム」(コナミ)を覚えている。また「さんまの名探偵」(ナムコ)のボートレースや「ギャラクシガニ」が印象に残っているという方も多いだろう。
「えりかとさとるの夢冒険」では、第1章の終盤からそういうミニゲームが入ってくるが、1人プレイと2人プレイとでは、ミニゲームが異なる。1人プレイのときは、動物にまつわるクイズ。第2章以降のミニゲームもほとんどがクイズとなり、しかも問題数が限られているため、一度出た問題がまた出てくることが多い。
2人プレイのときは、それぞれの状況に応じたアクションゲームになる。イナゴをつかまえたり、泥棒を追いかけたり、葉書を仕分けしたりといったミニゲームがあるのだが、これがけっこう難しい。
わたしも2人プレイモードをやってみたけど、第3章でこっそり店に潜入するのに苦労した。もっとも、1人でコントローラー2本使って2人プレイをやったので、2人でやるよりも難しくて当然か。
第2章の舞台は“ゲンタノ市”。スッポロと違って、モデルの都市が分かりにくい名前だが、アイテムに「伝統こけし」や「きりたんぽ」が出てくるので、東北地方と考えて間違いなさそうだ。仙台か? 主に東北地方に伝わる民話「笠地蔵」にちなんでか、地蔵にまつわる謎が出てくる。
トンデモゲームの世界
第3章は“ヨコハラ市”。横浜らしく、山下公園のような港や、歴史のありそうなホテル、教会、ビストロ、そして外国人墓地がある。ヨコハラで行き詰まったら、自転車を降りて海に進むといい。海を泳いで対岸に渡れるのだ。海から陸地に上がると、2人が水着になっている。
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