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話題の「torne」(トルネ)は何が違うのか(4/4 ページ)

PS3用周辺機器「torne」(トルネ)が話題だ。地デジだけのシンプルな仕様ながら、USB接続の外付けHDDで録画容量を増やせたり、PSPへの番組書き出しなど気になる面も多いアイテムである。神室町通いの合間に試用した。

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SETTINGS(設定)

 SETTINGSでは、外付けHDDの登録、torneのファームウェアバージョン確認、「トルミル情報」のオン/オフ、ゲーム中の録画可否などを設定できる。録画設定の「同時録画設定」にチェックを入れておくと、ゲーム中でも録画を実行する。事実、筆者が神室町を走り回っている時も、雀荘に入り浸っていた時も、torneはひたむきに録画を実行してくれた。偶然、ゲームのインストール中に予約録画が始まったこともあったが、これもしっかり録画できていた。

photophoto 「同時録画設定」にチェックを入れておくと、ゲーム中でも録画が実行される

リモートプレイでロケフリ気分

 torneを導入すると、PSPのリモートプレイ機能でも地デジチューナーを活用できる。つまり、無線LANを介して、放送中の番組や録画した番組をPSPの画面に映し出す。PSPが手軽なポータブルテレビになるわけだ。ソニーの「ロケーションフリー」と違い、インターネットを介した配信こそ対応していないが、PSPに録画番組を書き出す機能もあるからあまり不便はないだろう。実際のところ、電車通勤時などに動画を楽しむのなら、電波の届かない場所でも高画質の映像を楽しめる書き出し機能のほうが利便性は高いと思う。

 まずはPSP goをPS3にUSB接続して登録する必要があるのだが、ここで困ったのがUSB端子の数。試用機のPS3(CECH-2000A)には2つのUSBポートが用意されているが、すでにtorneと外付けHDDで埋まっている。リモートプレイは登録時だけ付け替えれば済むが、USB端子はコントローラーの充電やPSPへの書き出しにも使用するため、常用するならUSBハブも同時に入手しておくべきだろう。

photophotophoto PSP goでtorneを操作しているところ。操作レスポンスもまず不満はでないレベル。リアルタイムの放送番組視聴も可能だ。PSPの小さな画面でtorneを使っていると、まるでテレビやPS3をまるごとミニチュア化したような感覚で、なぜか物欲を刺激される

 リモートプレイを実行すると、PSPの画面にtorneのユーザーインタフェースが現れる。使用方法はPS3の場合と同じで、リアルタイムの番組視聴から、EPGによる録画予約、録画番組の再生まで、ほとんどの機能を利用できる。もちろん、番組再生時には早送りや30秒スキップも可能。テレビに比べると画面解像度は大きく下がっているのに、文字も読みやすく、使い勝手はまったくといっていいほど変わらない。

photophotophoto 書き出し中。ダビング10のコピー回数は1回減る

 あわせて、PSPへの番組書きだし機能も試す。録画番組一覧から△ボタンでメニューを出し、画質モードはMPEG-4 AVCの1Mbpsと512Kbps。書き出しには再生時間の1/2から1/3程度の時間がかかり、ダビング10のコピー回数は1回減る。ソニー製BDレコーダーのように“お帰り転送”で回数を戻すことはできないのが残念だが、実際に困るシーンは少ないと思う。

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転送した番組は、XMBのビデオ列に現れる

制約も多いが、評判通りの快適さ

 割り切った仕様のtorneは、最近のBlu-ray Discレコーダーと比べるとできないことも多い。改めて確認しておくと、torneの地上デジタルチューナーは1基のため、BSデジタルやSC110度放送の視聴/録画はできず、2番組同時録画も不可。録画は、放送波のMPEG-2 TS(トランスポートストリーム)をそのまま記録する「DRモード」のみで、MPEG-4 AVCなどに圧縮する長時間モードは用意されていない。このため、40Gバイトや60Gバイトといった古いタイプのPS3で十分に活用するためには、外付けHDDの増設は必須だ。

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 なにより、録画した番組はBlu-ray DiscやDVDに書き出すことができず、基本的には“見たら消す”のが前提となる。また、録画中の番組の追っかけ再生など、BDレコーダーでは当たり前の機能も一部欠けている。少なくとも、こうした機能を必要だと思う人にはオススメできないし、もともと商品コンセプトが違うのだから仕方がない。

 にもかかわらず、すでにBDレコーダーを所有しているのに「torneがほしい」という人は多い。実際、操作の快適さは特筆モノで、かつPSPと連携すれば、番組を外出先に持ち出したり、ロケーションフリーテレビ的な使い方も可能。設定は簡単で、外部レコーダーとの連携など面倒なことを考えなくても、録画番組やゲームまで離れた場所(宅内)で楽しめる。個人的にも数年前にロケフリの無線ルータとPSPを購入した経験があるので、torneはとても気になる存在だ。

 独自の「トルミル」といった要素も合わせ、テレビライフを変えるという点では、最新のBDレコーダー以上といえる部分もあるtorne。PS3やPSPをすでに所有している人なら、プラス1万円でテレビ生活がガラリと変わるはずだ。価格の割に付加機能が充実していて、しかも完成度が高い。

 それにしても、torneのような小さなチューナーユニットをプラスしただけで、PS3がここまで使える録画機になるとは想定外。改めてPS3の底力を思い知った一週間だった。唯一の心残りは、セラピスト・マリを見つける前に試用機の返却期限がきてしまい、神室町に行けなくなったことか。

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