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インタビュー

「God of War III」はいかに作られたのか――キーマンたちへのインタビューSCE America Santa Monica Studioリポート(3/4 ページ)

3月25日に発売されたPS3「God of War III」の開発スタジオにお邪魔して、開発者たちに聞いてみた。

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Christopher Sutton氏 Lead Environment Artist

Lead Environment ArtistのChristopher Sutton氏

 彼は、ガイアの体上などをはじめとするステージのデザインを統括している。ゲーム全体では13人のアーティストが作業を行っており、それぞれに集中して作業を行ってもらうため、各ステージはなるべく1人でデザインするようにしているという。

Christopher Sutton氏 美しく見せることも大事ですが、ゲームを心地よくプレーできることがもっとも大事なことです。今回の作業では、まずブロックごとの制作を行い、それを(ゲームの)コンセプトにあわせていきました。ご存じのとおり、PS3になりアニメーションやシェーダー・反射などさまざまな要素を配置できるようになりましたので、各ブロックごとに制作していくことによってその作業を行いやすくするためです。

 プログラマーがたくさんのツールを作り送ってくれたおかげで、ライティングも様々に制御できるようになり(制作中)もリアルタイムに反映させることができました。多くの部分では背景のライティングと(クレイトスなど)キャラクターのライティングは別々になっています。ゲームのなかではクレイトスが一番目立つことが大事です。なので、現実とはちょっと違うかもしれないがプレーヤーにゲーム自体がよく見えることを大切にしました。カメラワークやライティングのほか、PS3では被写界深度を変えられるようになったので、注目させる場所だけに焦点をあわせるといったことも行いました。

背景をぼかし、ステージをくっきり表示させる被写界深度表現は、このような場面では効果的だ
このようにマップにテクスチャーを付けた後で、さまざまな効果やライティングを追加していく

John Palamarchuk氏 Lead Cinematic Environment Artist

Lead Cinematic Environment のJohn Palamarchuk氏

 ゲーム中に挿入されるムービーのうち、アクションシーンに直接関係しないものが彼らの担当だ。

John Palamarchuk氏 ゲーム中のムービーについては、2Dソフトは使わずMaya上ですべて制作しました。ムービーのほとんどはリアルタイムで、ゲーム全体でムービーは60シーンあるのですが、そのうちプリレンダーを使用しmpeg化したのは24個だけです。なるべくリアルタイムでやりたいという方針がありましたので。また、プリレンダーを使用した箇所もリアルタイムムービーと切り替わったときにその違いが分からないように工夫しています。ムービーのなかで一番苦労したのはガイアで、体が大きいのでPC上にインポートするだけでも2時間かかりました」

テクスチャーを付けた状態のオープニングムービー。このムービーも、プリレンダリングを使わずリアルタイムで再生している


 全体の話を聞いて感じたのは、それぞれの部門の役割分担がはっきりしている一方で、何人かが語っていたようにすりあわせの時間が結構大切だったのではないか、ということである。となると、その全体を束ねるのがプロデューサーでありディレクターこそがゲーム作りにおけるキーマン中のキーマン、ということになる。そこで、次にSteve Caterson シニアプロデューサーに登場いただき、God of War3について語ってもらうことにする。

エントランスを入る。写真左側が今回のツアーをアテンドしてくれた、SCE Japanの須貝氏
受付に飾られたSCEのコーポレートマーク
God of Warが作業するブロックへのエントランスには、歴代God of Warシリーズが受賞してきたトロフィーがずらりと並ぶ

エントランスでは等身大のクレイトスや精巧に作られたフィギュア、そしてゲーム中惨殺された?ケンタウルスまでも私たちを出迎えてくれる

God of Warチームのブロックは1階部分のほとんどが吹き抜けとなっていて、個々の作業ブースも広い。狭い日本人にとってはありがた過ぎる環境だ
2階にもこのように各個人の作業ブースが並ぶ。作業が一段落したことで、この日は休暇を取っている人が多かった

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