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「鋼の錬金術師 FULLMETAL ALCHEMIST」新エンディングテーマ「RAY OF LIGHT」発表&アフレコ参加インタビュー

現在放映中の大人気アニメ「鋼の錬金術師 FULLMETAL ALCHEMIST」(以下「鋼の錬金術師FA」)の新EDテーマが、中川翔子が歌う「RAY OF LIGHT」に決定された(OAは第51話より)。

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 自身も「鋼の錬金術師」シリーズの大ファンだという中川翔子だが、今回は初の作詞にも挑戦。主人公・エドとその父ホーエンハイムとの関係性を、自らと亡き父・中川勝彦氏の関係に重ね合わせて書き起こしたという。3月21日、この新EDテーマの発表と、中川自身が声優参加する第55話の公開アフレコが行われた。

「ありがとうございます」の一言に想いを込める!

―― 「鋼の錬金術師FA」最終クールのエンディングテーマを歌われることになりましたが、お気持ちはいかがですか?

中川 ホンットに嬉しさで絶叫してしまいました。「鋼の錬金術師」というシリーズに最初に出会ったのは何年前になるのか……いちファンとして、作品と歌の結びつきがいかに大事か、重要かをいつも感じていましたし。

 誰にも相談せずに自分だけで作詞というのは今回が初めてで、それがいきなり「鋼の錬金術師FA」。シリーズ、物語のトリということで、今までのストーリーの重みや深さ、主人公達の葛藤など色々な要素が絡む、一番大事な場所で(使われる)ということなので。本当に恐縮で、緊張しましたが、緊張している場合じゃない、超えなきゃいけない壁だと、そしてしっかりしたものを出さなきゃいけないという。「戦いだ!」という感じで、ワクワクしながらやらせていただきました。本当に嬉しいです!

―― EDテーマとともに、本日は第55話でのアフレコにも参加されていましたが、終わっててみての感想はいかがでしょうか。

中川 「ありがとうございます」というセリフで、女性職員Bという(笑)役だったんですけど。「鋼の錬金術師」ってキャラクターひとり一人が、誰が主人公になってもおかしくないくらい個性が様々で、見るたびにそれぞれの人生が伝わってくる作品なので、きっと女性職員Bにも様々なドラマがあるんだろうと(笑)想像して挑みました。

 音響監督の三間(雅文)さん、厳しくて有名な、そして大御所として有名なお方なので、録っていただいて凄く嬉しいし、そしてやっぱりNGが出ました(笑)。「ありがとうございます」の一言ですが「もっと軍人としての雰囲気を!」ということだったので。気を引き締め治し、3回目か4回目でようやくOKが出ました。

 放映が5月2日。5月5日が私の誕生日なので、最高の誕生日プレゼントになりました。歌でもアフレコでも、「鋼の錬金術師」という大好きな作品に関わることができて、それが形として残るということは、生きた証としても嬉しいです。

―― 女性職員B役で出演されたとのことですが、作中ではどのキャラクターと絡んでの場面なのでしょうか?

中川 バッカニア(声/大友龍三郎)に助けてもらって、「ありがとうございます」というシーンです。まさに修羅場ですね。

―― 中川さんがお好きなキャラクターは誰でしょうか?

中川 たくさんいるんですけど、ヒューズ(声/藤原啓治)さんっていう子煩悩で、奥さんのことをメロメロに愛している、素敵なキャラです。で、戦う時は真面目に戦うっていう。あんな方と結婚できるなら! でも片思いするならエド(エドワード・エルリック/朴ロ<※>美)かなって(笑)(※玉偏に路)。


自身とエドを重ね合わせて想いをつづる

―― EDテーマ「RAY OF LIGHT」の作詞をされるにあたって、どんな想いを歌詞に盛り込んだのでしょうか。

中川 普通にファンとしてもエドのことは大好きなんですけど、エドと父親のホーエンハイム(声/石塚運昇)の関係性が、凄く特殊だと思うんですよ。エドが小さい頃にホーエンハイムは家を出て、ずっといなくて、母親も悲しんで。ホーエンハイムがいないことによって憎んだり、葛藤したり。でも教えて貰ったワケでもないのに、同じ錬金術師という道を歩んでという。

 自分自身もそこの部分、父(ミュージシャン・俳優 故・中川勝彦氏)との関係性っていうのが、あぁ似てるなと。自分の経験も交えて。

 自分の場合もやっぱり、ずっと葛藤があったのだと思います。でも同じように知らないうちに歌を歌うようになっていて。初のコンサートをした時に、憎むことだけじゃなく近づくことができた気がして。「あぁ、長い反抗期が終わったのかもしれないな」と思った瞬間に、光を感じたような気が。でもまだまだその悩みは続いていって、答えは出ないのかもしれないし。答えが出ていないことを言葉にしていくのって凄く難しかったんですけど、エドも物語が終わってもまだ人生の旅は続いていくし、きっとホーエンハイムとのこともずっと考えていくことなんだなと思うんですね。エドの姿を想像しながら聞いていただけたらいいなと思います。

―― 初めての作詞、やはり難しかったですか?

中川 難しかったですよ! アニメのテーマ曲なので、まずテレビサイズを作るということがあったので、短めでもサビがあって、ある程度完結させなければいけない。ノートに向かうとダメで、ブログと同じのスタイルで、携帯電話で作詞しました。テレビサイズで燃え尽きてしまっていたら、2番があったり。ホントに難しいです。悩んで「うーん」って煮詰まっちゃうとダメなのに、移動の合間の5分間だとばーっと書き貯められたりとか。

 自分の想いを歌詞にしたということで、第一稿を提出するのがとても恥ずかしかったですね。メールを送信する前に胃薬を飲んでから(笑)。

 「鋼の錬金術師」は待っているファンもたくさんいるし、私自身も作品の偉大さを感じているので、絶対変なモノは出したくないと思っていました。この機会がなかったら、自分の気持ちと改めて真剣に向かい合うこともなかったかもしれません。凄くいい機会を頂けたと思います。

―― アニメでEDテーマが流れる頃には中川さんのライブツアーも始まりますが、ツアーでもこの曲は歌われるのですか?

中川 はい。ED曲のオンエアは4月4日からですけど、ツアーは4月1日からなんです。私自身もこの歌はきっと……EDで絵が付いて、そして物語が進んでいって、そのたびにどんどん色が付いていくし、ツアーでも歌っていくたびに、自分自身も聴いてくださる方も感覚だったりとらえ方だったりとかが、変わっていくんじゃないかなと思っています。これからますます色んな気持ちや情景を「錬成」して、もっともっと自分の中で育てていきたいなと思う曲です。

「貪欲の錬金術師」の代価とは?

―― 発売される「RAY OF LIGHT」のCDのジャケットにもこだわりがあるとお聞きしましたが。

中川 今回は「アニメ版」というアニメのスタッフさんがジャケットを描き下ろしてくださるバージョンがあるんです。詩が書き上がった明け方4時くらいに、「ジャケットのイメージがあるんですけど!」ってラフ絵を描いて。エドが大人っぽい表情で空を見上げていて、空は綺麗な夜明けの色で。ジャケットの裏表紙だと、もうちょっと光が差していて。エドとアル(アルフォンス・エルリック/釘宮理恵)がいて。アルのおなかの上にマミタスっていう太ったネコ(中川の愛猫)がいるものを提出して。それをスタッフさんがその通りに、綺麗に書いてくださったので、もうこんな喜ばしいことはないなと。

 普通の顔のバージョン(中川が錬成ポーズを取る)も真面目に。「錬成」してみました。指輪もちょっと、オートメイル(作品中に登場する義手など)をイメージして。衣装も曲のイメージに合わせて黒で。真面目です(笑)。

―― 中川さんが錬金術師になったとしたら、何の錬金術師になりたいですか? そして、それに対する代価を払うとしたら何でしょうか。

中川 えーっとですねえ。やっぱり名乗るなら「貪欲の錬金術師」に。マスタング(ロイ・マスタング/三木眞一郎)さんに「来たのか、貪欲の」って言われたい(一同笑)っていう妄想は、日々激しくしてるんですが。

 錬成するなら、世の中の道路とか家とか自転車とか、全部ピンクにして。支払うならなんでしょうね、貪欲をそのたびに使ってたら、どんどんしわしわに老けて行きそうですけど(笑)。

―― それでは最後に、ファンへのメッセージがあればお願いします。

中川 今回「鋼の錬金術師 FULLMETAL ALCHEMIST」のEDテーマを担当させていただくことになり、本当に大きなプレッシャーと喜びで一杯で、ギザ嬉しいです! 今後のエドの旅はきっと物語が終わってもまだまだ続いていくと思うので、そのエドをイメージして自分自身の気持ちとリンクしている部分を書かせていただきました。

 「RAY OF LIGHT」というタイトルは、強い光が差すという意味をイメージしています。人生の中でずっとやるせなくて、なんだか心に引っかかっていて、でも考えることから逃げていたこと、でも大人になって日々が進むにつれて「はっ!」と光が差す瞬間、何かに気付く瞬間って、きっとあると思うので、その瞬間を書きたくて。

 物語りもクライマックスに向けて盛り上がって行くと思うので、私も楽しみにしています。ホントに「鋼の錬金術師」、大好きです! よろしくお願いいたします!

※「鋼の錬金術師」と表記した場合、原作、アニメ第1期、劇場版などを含めたシリーズ全般を指します
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