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イギリスのブックメーカーサイト「Paddy Power」が、「スパIV」の試合結果を賭けの対象に日々是遊戯

おそらく世界初だと思いますが、イギリスで「スーパーストリートファイターIV」を使った賭が行われ話題となっています。あなたはゲームが賭けの対象になることについて、どう思いますか?

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ゲームが賭けの対象になる日がこようとは……

 スポーツの試合結果から芸能ネタ、果ては火山の噴火まで、とにかく何でもかんでも賭けの対象にしてしまう、イギリスのブックメーカーサイト「Paddy Power」。そこで先日、対戦格闘ゲーム「スーパーストリートファイターIV」を対象とした賭け試合がはじめて行われました。

 ベットの対象となったのは、4月29日にカプコン・ヨーロッパ本社で行われた、Ryan Hart選手(ガイ) 対 Femi Adeboye選手(いぶき)のエキシビジョンマッチ。どちらも「ストリートファイターIV」の大会では数多くの入賞実績を持ち、ヨーロッパではかなり有名なプレイヤーです。試合は3本勝負で行われ、総合でどちらが勝つかはもちろん、ラウンドごとの勝者や、もっとも短いラウンドが何秒で終わるかまで賭けることができました。

 結果はというと、2-1でRyan Hart選手の勝利。試合の経過はUstreamでもリアルタイム中継されており、現在は以下のアーカイブにて見ることが可能となっています。

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 ゲームの試合がこうしたブックメーカーの対象になるのは、おそらく世界でも今回がはじめてでしょう。お金を賭けることの善し悪し云々については抜きにしても、サッカーや野球といったスポーツと同じように、ゲームの試合がひとつのショウとして成立するということが、ある意味では証明されたと言えるのではないでしょうか。

 ちなみに今回の件について、e-sportsカルチャーに詳しく、IGDA日本デジタルゲーム競技研究会の世話人も務めるライターの松井悠さんにうかがってみました。

「日本では法律で賭博行為が禁止されているので、まったく同じような形で行うのは難しいでしょうね。ただゲーム自体の人気や認知度は、日本もイギリスもそれほど変わらない。単純にショウとして成立するかどうかという点のみで言うなら、日本でも不可能ではないと思います。こういった、ちょっと変わったゲームの楽しみ方をきっかけにして、ゲームの世界に入ってくる人が増えてくるかもしれないですし、八百長が介在しないようにきっちりとルールやレギュレーションを作って、運営面からゲームを盛り上げていくのは良いことなのでは」(松井氏)

 ――と、基本的には今回の試みを評価している様子。また余談ですが、松井氏はRyan選手ともつきあいが古いそうで、「Ryanはもともとかなりの親日家で、かつては『鉄拳』や『バーチャファイター』の武者修行のために、何度も日本に来ていたことがありました。日本語もペラペラなナイスガイですよ(笑)」とも語ってくれました。Ryan選手に限らず、格闘ゲームのテレビゲームのトッププレイヤーには親日家が多いみたいですね。

 ただ一方で、「金銭の授受が絡んでくると、これまでのゲームシーンとはまた違ったものが出てくる可能性がある。それがゲームカルチャーにどんな影響を及ぼすかは未知数です。また一方で、こうした先鋭的なプレイヤーにスポットを当てるばかりではなく、もっと裾野を広げていく方向での努力も必要でしょうね。山の頂上を見せているだけでは、人はついてこられないですから」と松井氏。まだまだゲームをショウや賭け事として成立させていくには、懸念材料も少なくないとしています。みなさんは、好きなゲームでこうした「賭け試合」が行われるとしたら、参加してみたいですか? どうですか?

ブックメーカーとはちょっと違いますが、世界的e-sports大会「World Cyber Games」でも、賞品を賭けた優勝者予想が行われたことがありました

先日も梅原大吾選手のプロデビューをお伝えしましたが、トッププレイヤーが活躍できる場が増えたという点でも、建設的試みと言えるかもしれませんね

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