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「新時代特撮」の主人公は、優しいお兄ちゃん!――「プランゼット」完成披露試写会と舞台挨拶リポート

フルCG映画「惑星大怪獣ネガドン」で注目を集めた粟津順監督の最新作「プランゼット」の完成披露試写会と舞台挨拶がお台場シネマメディアージュで催された。

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 2005年、1人でフルCG映画「惑星大怪獣ネガドン」を完成させ、「新時代特撮」の担い手として各メディアに鮮烈なイメージを与えた粟津順監督の、待望の最新作「プランゼット」がついに完成。それを記念して、4月20日お台場シネマメディアージュにて、抽選で選ばれた観覧客を交えた完成披露試写会と舞台挨拶が行われ、粟津順監督、主人公・明嶋大志役の宮野真守、明嶋こよみ役の石原夏織がステージに立った。

 当日はあいにくの雨天であったが、受付時間にはいち早く「新時代特撮」映画の姿を目にしたいというファンが続々と来場。本作の注目度の高さを感じさせた。

ついに完成! 見どころは息遣いを感じる声優の演技!

 本作は、最新のCG技術を駆使して描かれた特撮映画やアニメの技術やオマージュがSFフリークのハートをキャッチしてやまない、どこか懐かしくもまったく新しい「新時代特撮」映画だ。ここで簡単に「プランゼット」のあらすじを紹介しよう。

 2053年。突如宇宙より現れた謎の生命体の侵略により総人口の大半を失った地球。人類の反撃作戦がことごとく失敗に終わる中、日本方面軍・富士基地では敵拠点を叩く最終作戦「プランゼット」が計画される。ロボット兵器の搭乗員・明嶋大志は失敗の許されない本作戦で基地の死守を命じられる。その戦いを前に、大志はたった一人の家族である妹こよみを安全な火星へと避難させる。人類の存亡をかけた作戦「プランゼット」がついに始動。出撃した大志たちは圧倒的な数の敵と対峙する。はたして人類は滅亡の危機をどう戦いうるのか―─。

 非常にハードでシリアスな世界観だが、その間に垣間見える人間ドラマと愛情の物語に心震える内容となっており、上映終了後は会場からは大きな拍手が自然と起こった。

 個人的に感じた見どころは、某スーパーロボットアニメを思わせるクライマックスのバトルシーンだ。思わずトップを狙いたくなるような、カタルシス満点の展開は鳥肌もの。

 そして何より、リアルな映像に絶妙にマッチした声優陣の息遣いすら感じさせる演技に注目である。アフレコ時のインタビューでも、「息遣い、呼吸感を大事に演じようと心がけました」と宮野が語っていたが、まさにそこに「生きている」と思わせるような迫真の演技は、他ではなかなか見ることができない本作ならではの注目ポイントだ。


美しくも愉快な兄妹愛あふれる舞台挨拶

 本編上映終了後はお待ちかねの舞台挨拶。観客席からの割れんばかりの拍手と声援に包まれて石原夏織、宮野真守、粟津順監督がステージに姿を現した。

 まず石原夏織が「明嶋こよみ役の石原夏織、16歳です。よろしくお願いいたします」と挨拶したのを受けて、残りの2人も「明嶋大志役の宮野真守です。26歳です」、「監督の粟津順です。36歳です」と年齢込みの自己紹介を行い、会場の雰囲気を和ませる。

 また主題歌を提供した元ちとせからも、「インディーズ時代の大切な曲が主題歌に選ばれてとてもうれしいです。『プランゼット』はすごく不思議で、でも映画を見てドキドキした心を、この曲が包んでくれるといいなと思います」というコメントが到着し、祝福ムードの中でトークは進められた。

── 今日、映画を皆さんに見て頂く日がやってきましたが、感想はいかがですか?

粟津 うれしいです。前作(「ネガドン」)と違い、今回は劇場公開っていうのを意識した作品なので、こういう大きいスクリーンで見るといいですね。

宮野 こうして皆さんに見てもらえるのが一番うれしいです。僕としては、(完成した映画が)とても楽しくてあっという間に時間が過ぎてしまったのですが、皆さんにどう届いているのかすごく気になるところです。

石原 皆さんに楽しんでいただけたら光栄です!

── 完成した映画を観てどう思いましたか?

宮野 全体的に流れる雰囲気や、演出、音の感じが僕が昔見ていた特撮のようで、新しいのに懐かしいという印象を受ました。これが新世代の特撮かと、すごく新鮮な気持ちで見ることができました。

石原 (アフレコ時の)まだ音が入ってない時から映像がすごかったんですが、SEなどが全部入ったのを見て、こんなにも変わるんだなってすごく感動しました。


── 収録時の雰囲気はいかがでしたか?

宮野 順調でしたし、明嶋兄妹と(自分と石原との)実際の年齢差もほぼ一緒ですので、本当に兄妹みたいな感じで演じられて楽しかったですね。それとCGに声をのせるのは、ほぼ初めての経験で、新鮮な気持ちで仕事をやらせていただきました。絵が本当にリアルに動くので、違和感のない生っぽい演技をしようって心がけました。本当に呼吸をしている感じが絵に乗ればいいなって思って。

石原 初めてスタジオに入った時、どこに座ったらいいか分からなかったんですけど、宮野さんが「ここに座りな」って言ってくれたおかげで緊張もほぐれて、アフレコも自分のやりたいような感じで自由にできました。優しいお兄ちゃんという感じで、本当に楽しい現場でした。

宮野 (本当にうれしそうに)そういうことはどんどん言ってね(笑)!


── 今日観られた方、そしてこれから見られる方へのメッセージをお願いいたします。

粟津 今、アニメ映画ブームといわれていますが、原作ものやテレビシリーズの映画化という作品が多い中で、完全オリジナル作品の「プランゼット」は独自の作品で、そういうところに価値があると思っております。今日見てくださった皆さんがもし面白いと思われたら、周りの方に宣伝していただければ、と思います。

石原 私の初めての映画なので、とても思い出深いものになっています。ぜひぜひ観に来てください。

宮野 この作品はとても激しくド派手なアクションが印象深いと思うんですが、その中に流れる人と人とのつながりや兄弟愛、大志が抱える同僚への思いや繋がりが根底に流れている作品です。そういう思いが皆さんに届けばいいなと思って演じました。これからもよろしくお願いいたします。





(文中敬称略)


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