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ジグよりスタッフの方が熱い想いを抱いている? 「ラストランカー」完成披露会

カプコンは6月6日、時事通信ホールでファンを交えた完成披露会を開催。エンディングまで見るとジグが好きになるとはなんぞや?

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 カプコンは6月6日、7月15日に発売されるPSP用RPG「ラストランカー」の完成披露会を、メルマガ会員100名を抽選で招待して時事通信ホールで開催した。完成披露会では、ジグ役の神谷浩史さん、ファズ役の中村悠一さんがピアノ、ヴァイオリン、チェロの生演奏をバックにボイスドラマを再現したほか、プロデューサーの松川美苗さん、シナリオの野島一成さん、作曲の下村陽子さんとともにトークショウを繰り広げた。

 「ラストランカー」は、流浪民族カンタレラ出身の青年ジグが、生きる意味を求めて故郷を捨て世界の戦士のすべてが所属し、武力を持って世界を維持する“戦候機構バザルタ”の戦士ランキング1位となるために葛藤する物語。上記のスタッフのほかに、ディレクターを新納一哉さんが、キャラクターデザインを吉川達哉さんが担当している。


完成披露会のオープニングは、ゲーム中のムービーとともにピアノ、ヴァイオリン、チェロの生演奏が奏でられ、ジグ役の神谷さんと、ジグと対することになる幼なじみであるファズ役の中村さんによる生アフレコが行われた。生アフレコでは、ジグがカンタレラを去る場面と、ファズとの決別の場面が再現された

 ボイスドラマのあとは、松川さん、野島さん、下村さんが登場し、神谷さんと中村さんを交えてのトークショウが行われた。神谷さんも中村さんも生演奏をバックにアフレコする機会はなかなかないといたく感動した様子で、スタッフ陣もステージ脇ではなく客席で聞いていたかったと残念がるほどのクオリティだったと振り返る。昨年から1年の歳月をかけて制作された楽曲は40曲近くにおよび、下村さんのその制作へのこだわりから「最終的にはチーム下村と呼ばれる」ほどだったと松川さんが明かす。こだわりはミーティングでも発揮され、松川さんと下村さんの打ち合わせは最長で7時間にも及んだそうだ。さすがにそれについて中村さんが「7時間も何話してんですか?」とあきれるほどだった。ちなみに7時間に及んだミーティングは、単純に互いに詰めたい部分が違っていたすれ違いからだったと振り返っていた。

 キャラクターについて聞かれた神谷さんは、ジグをクールで寡黙だが、実は誰よりも熱いんじゃないかと推測。中村さんも、信念があるからこそそこから外れたことが許せなくなるまっすぐな人間と分析してみせたが、隣に座る野島さんに確認してあまりいい感触が得られなかったのか、不安がる姿が会場の笑いを誘う。

 そんな野島さんは、今回の「ラストランカー」がカプコンとの初仕事となる。野島さんによると、カプコンは「ガ〜っといくイメージ」があって、自分にできるか不安だったとか。最終的にはストーリーも気にいってもらえたので安心したそうだ。松川さんによると、去年の今頃がまさに佳境で、毎週月曜日に来る野島さんからのシナリオメールが楽しみだったとか。すごくいいところで次週に続くため、早く続きが読みたかったと野島さんに振ると、野島さんは「僕は月曜が憂鬱でした」とぶっちゃけてみせた。しかし、そんな細切れの納品は野島さんだけではなく、下村さんも「とりあえずアタリをつけたい」からと、Aメロ部分だけ送ってくるそうだ。これに対して松川さんは、ともに“ツンデレな納品”だった振り返る。

 野島さんが無事シナリオをすべて終えた際、松川さんに「さみしい」ともらしたのを受け、小説をやらないかと打診。開放感もあったし、なによりも不安感もあったが、スケジュールに余裕があったためにゲームのプロローグともいえる小説を執筆したと発表した。小説「旅立ちの決意」は、6月10日より4週連続で掲載される予定で、その名のとおりジグが旅立ちを決心するまでのエピソードが語られる。さらに、この小説をベースにボイスドラマも制作され、7月2日より期間限定で配信されることが決まった。このボイスドラマの収録に臨んだ神谷さんと中村さんは、ゲームでの2人の心情をより知ることができたと振り返る。そして、ゲームの収録がちゃんとできたか不安になり、再収録したくなったと明かした。なお、小説やボイスドラマにはここにしか登場しないキャラクターもいるそうで、小説を読み、ボイスドラマを聞くことで、よりゲームに深みが出て楽しむことができる。

 また披露会では、発売を記念したプレゼントキャンペーンも行われる。キャンペーンでは、ボイスキャストのサイン入りポスターと、各ボイスキャストのサイン入り台本が当たる。

 互いのキャラについて神谷さんは、ファズについて「カッコよくてズルい。映像でもおいしいし、なにより声が中村悠一だし!」と持ち上げる。中村さんもまんざらではないようで、調子に乗ったのか「ファズには彼女がいるので、勝者の余裕ですかね?」と発言。中村さんはジグについて「最後までプレイするといいところが見えます」と発言。野島さんがすぐさま「途中まではダメなキャラ?」と突っ込まれる場面も。ジグは内に秘めるタイプなので、理解されにくい一面もあるそうで、「カンタレラという田舎にいる、都会っ子のよう」とのこと。だが、エンディングまで見るとすべて許せるようになると中村さん。あわやネタバレというところで神谷さんに止められる事態に、なにかこそばゆい空気が流れていた。

松川さんが収録に立ち会った際、ブースから出てきた神谷さんに「ジグってわりと嫌な奴ですよね?」と確認したほど誤解を受けるキャラクターとのこと

 トークショウの後は、テレビCMの特別上映、主題歌を担当する「UVERworld」からのビデオレターとボイス入りPVの上映を実施。発売まで1カ月を迎え、登壇者すべてが「ラストランカー」に関われたことに感謝を述べ、発売を楽しみにしているとアピールする。松川さんが最後の挨拶に交えたように、本作にはジグの心の奥に熱い炎が宿るように、スタッフすべての「熱い思い」が詰まっているようだ。



(C)CAPCOM CO., LTD. 2010 ALL RIGHTS RESERVED.
「ラストランカー」
対応機種PSP
ジャンルRPG
発売日2010年7月15日
価格(税込)通常版:5990円/イーカプコン限定版:6300円

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