生活に重きを置いたMMORPG「ライム・オデッセイ(仮)」製作発表会
ローカライズではなく、カルチャライズがこれからのMMORPGには必要と、2011年サービス予定の新作を公開した。
メインコンセプトは「生活」です
ゲームオンは6月23日、2011年にサービス開始を予定しているMMORPG「Lime Odyssey(仮題)」(ライム・オデッセイ)製作発表会をロイヤルパーク汐留タワーで開催した。「ライム・オデッセイ」は、韓国のゲーム開発会社「SIRIUS Entertainment Co., Ltd.」が開発するMMORPGで、「オルタ(Orta)大陸」を舞台に、「ヒューマン」「トゥルガ」「パム」など3つの種族を中心に、神の果実「ライム」を求める旅人の冒険ストーリーが描かれる。
「ライム・オデッセイ」の開発陣には、「ラグナロクオンライン」などを初期段階で手がけたスタッフが多数参加しているほか、日本のイラストレーターのHaccan氏の起用や、家庭用ゲームのBGMなどを多く手がける光田康典氏が楽曲制作を関わっている。
製作発表会に際してゲームオン オンライン事業本部 取締役本部長の萩原和之氏は、現在のゲーム市場が多様化していることを引き合いに出し、すでにサービス済みのタイトルを国外からローカライズして日本で運用するのとは異なるアプローチが必要だと説明。メリットとデメリットがあることも十分承知の上で、韓国ではいまだ第3次クローズドβテスト中の開発中の「ライムオデッセイ」を日本でサービスすることを決めた。ユーザーのニーズを吸い上げつつ、開発段階から関わることで、ローカライズではなくカルチャーライズすることの重要性を説いた。
また、同じく登壇したSIRIUS Entertainment Co., Ltd.代表取締役社長のファン・ビョンチャン氏は、「ラグナロクオンライン」などを手掛けた自分たちが次に自信を持てるものはなにかと考えた末、「明るくてかわいい」をコンセプトに、3Dでの表現に挑戦することを選択したと話す。また、ローディングの改善やシームレス化など、今まで関わってきたタイトルではできなかったことに挑戦し、広大なフィールドをどこまでもいける自由度と、戦闘職業と生産職業にいつでもチェンジできるようにしているとのこと。ファン氏は、「ROではない、LOを届けたい」と、過去に関わったタイトルすべての受け皿となるべく自信作を世に贈り出すと紹介した。
ストーリー
美しく輝く星、ニシス。女神の導かれた新たな種族「ヒューマン」が、持ち込んだ神の宝「ライム」。その力で建国された「セイフラント」は栄華を誇った。
邪神「カケイン」は、「ライム」の力に魅了され、シニスを侵略。侵略に耐えかねた人々は、禁断の力「ライム」の最後の封印を解いてしまう。「ライム」の強大な力は、邪神「カケイン」を退けた。しかし大陸を4つに分断し、千年もの繁栄を誇った王国「セイフラント」を消し去ってしまった。
永い時が流れ、やがて「セイフラント」も「ライム」も伝説となっていった。
RPGである以上、モンスターや相手ギルドなどの抵抗勢力との戦闘や冒険はあるものの、あくまでもメインコンセプトは「生活」。フィールドにある様々なものを採集して生産をしたり、料理や農場で育成して、モノを作り出すことができる。そして作りだしたモノを他の人と売買して、入手した武器や防具で戦闘に挑む……。こうした生活の流れが存在するタイトルとなる模様。
今後予定されているシステムとして、「郵便」「オークション」「インスタンスダンジョン」「銀行」「フィールドダンジョン」「多彩なアバター」「ハウジングシステム」「農場システム」といったキーワードが明かされた。いわば、MMORPGで散見するシステムはあらかた実装するということだろう。2011年サービス予定ということで、実情日本向けにアナウンスできることは少ないようで、体験プレイからもまだ他タイトルとの大きな違いは見受けることができなかった。しかし、日本人が自然に楽しめるよう、開発段階から積極的に関わることで、カルチャライズしていくことは前述したとおりだ。イラストや音楽で日本人が当初より関わっているのも珍しい。日本を意識したグローバルタイトルとして、その全貌を明らかにする日を期待したい。
楽曲:光田康典氏からのコメント
イラスト:HACCAN氏からのコメント
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