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愛されて9周年! 音楽で綴る「The World」の世界「.hack//LIVE劇奏」リポート in ゆうぽうとホール(1/2 ページ)

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 架空のネットワークゲーム「The World」を軸とし、様々なメディアで物語が紡がれる人気シリーズ「.hack(ドット ハック)」。2002年TVアニメ「.hack//SIGN」の放送以降、断続的にアニメ&ゲームを中心に新作が発表され続け、今年で9年目に突入した。

 10周年を目前に控えた今年、シリーズ最終章の幕開けとなるPSP用ゲームソフト「.hack//Link」が発売されたということもあり、本作への注目度は増すばかりである。

 「.hack」シリーズの魅力といえば、個性的なキャラ。現実とバーチャルがリンクする壮大な世界観。そして、梶浦由記を中心とするミュージシャンたちの奏でる音楽が挙げられる。そんな楽曲をまとめて、しかも生で堪能できてしまうメモリアルなライブ「.hack//LIVE劇奏」が5月9日、ゆうぽうとホールにて開催された。


人気キャラクターが夢の競演! 感動のライブドラマ

 イベントのオープニングを飾ったのは、LieN。スクリーンに投影されたゲーム最新作「.hack//Link」のOPムービー映像をバックに、ボーカル・三谷朋世が同タイトル主題歌「時の階段」をのびやかに歌い上げた。

 リアルとゲームの世界がシンクロし、融合していく。「.hack」シリーズならではの演出に観客もいきなり総立ちだ。ピアノ・作曲担当の福田考代曰く「バトルをイメージした曲」というこの主題歌は、勇壮なロックと優雅なストリングスが織りなすアップテンポなナンバーだ。今日のオープニングを飾るにふさわしい一曲だといえる。


 「またね」と一旦バンドは退場し、次いで浅野真澄が司会として登場する。シリーズ開始前から「.hack」情報ラジオ番組「RadioB」ではMCを務め、本編でも人気キャラ・ブラックローズを演じるなど、ある種「.hack」シリーズの顔ともいえる彼女の登場で、観客も大喝さい。

「すごーい! いっぱいいる!」

 と感激した様子だ。当時から「暴走トーク」で評価されていた浅野のフリーダムなトークは、この日も絶好調。会場は大爆笑に包まれ、「そうだ、これこそ『.hack』だ!」と、初期からのファンなら涙モノのオープニング・コーナーとなった。


 引き続き歴代主人公キャラを演じたキャスト陣によるライブドラマ「.hack//after2012」、「.hack//Long horn」がスタート。記念すべきアニメ第1作「.hack//SIGN」の主人公・司役の斉賀みつき、そしてゲーム第1作「.hack」の主人公・カイト役の相田さやか、アニメ「hack//Roots」、ゲーム「.hack//G.U.」の主人公・ハセヲ役の櫻井孝宏、そして最新作「.hack//Link」より主人公・トキオ役の三瓶由布子、彩花役の小清水亜美、フリューゲル役の杉田智和。さらにゲーム「.hack」のブラックローズ役、ゲーム「.hack//G.U.」の揺光の二役を演じる浅野真澄による、夢のクロスオーバー・ドラマが繰り広げられた。



 また、ライブドラマ出演者によるトークコーナーでは、企画スタート時、最初のオーディション会場で斉賀と相田が同席していたというエピソードや、最新作「.hack//Link」でシリーズ初参加となる杉田智和は、「プロになりたての頃に、アニメを見ていた」と当時を懐かしみながらコメントするなど、ファンには嬉しい秘蔵トークが各キャストから飛び出した。


冴え渡るライブ&トーク! これぞ「.hack」!

 後半戦のトップを飾るのは、オープニング・アクトも務めたLieNだ。ゲーム「.hack//G.U. Vol.1 再誕」テーマ曲「やさしい両手」、ゲーム「.hack//G.U. Vol.3 歩くような速さで」テーマ曲「優しくキミは微笑んでいた」という、シリーズ第2期を象徴する2曲を披露。福田考代の繊細なピアノの旋律も美しいバラード・ナンバーにオーディエンスもじっと耳を傾けた。

 比較的寡作なユニットの2人だが、MCでは「今後も、新たな作品を通して聴いていただけたらと思います」とボーカル・三谷朋世がコメント。「.hack」シリーズの発展と同時に、LieNのさらなる活動にも期待が膨らむところだ。


 LieNのステージの後は、浅野真澄、バンダイナムコゲームスの内山大輔プロデューサー、開発元サイバーコネクトツーの松山洋社長によるトークコーナー。2002年から2003年の間に放送された「.hack//Radio」リスナーにはお馴染みの面々が繰り広げるトークは、やっぱり脱線気味。

 「.hack」の話題はそこそこに、なぜか松山社長の息子さんの話題で盛り上がる一同。年季の入った爆笑トークは、もはや伝統芸能の趣すら感じられる。これはこれで「.hack」らしくて、ファン的には無問題だと思われるのだが、やはりちょっぴり物足りない。

 ということで、新作アニメのプロモーション映像も上映された。正式発表はまた後日行われるそうだが、松山社長曰く「『.hack//Link』の後の時代の物語」との事。もっとも未来の「.hack」ワールドも、そう遠くない未来にお目見えするものと思われる。

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